SES単価相場2026|言語×経験年数×上流関与 マスター表【Heyday実案件データ】
SES単価は「何の言語か」「何年目か」「上流工程に関わるか」の3軸で決まる。以下は、Heydayが2026年Q1(1〜3月)に成約した実案件データをもとに作成した相場マトリクスだ(エンド直・1次のみ、推定含む、n=50件以上)。
経験年数別の全段階マトリクス
| 言語・技術 | 経験0〜2年 | 経験3〜5年 | 経験5〜8年 | 経験8〜10年 | 経験10年超 |
|---|
| Java | 30〜48万 | 55〜72万 | 65〜85万 | 80〜100万 | 90〜115万 |
| Python(AI/ML) | 38〜55万 | 60〜83万 | 75〜97万 | 90〜115万 | 106〜130万 |
| Python(一般Web) | 33〜50万 | 55〜68万 | 65〜80万 | 75〜95万 | 85〜110万 |
| TypeScript/React | 35〜52万 | 60〜72万 | 72〜90万 | 88〜110万 | 100〜125万 |
| Go | 40〜58万 | 65〜78万 | 78〜95万 | 90〜120万 | 110〜135万 |
| C# | 30〜48万 | 55〜65万 | 65〜80万 | 78〜100万 | 88〜110万 |
| PHP(Laravel) | 28〜43万 | 45〜58万 | 58〜72万 | 68〜85万 | 78〜95万 |
| AWS(インフラ) | 35〜50万 | 60〜75万 | 75〜95万 | 92〜120万 | 110〜140万 |
| Salesforce | 38〜55万 | 65〜80万 | 80〜100万 | 95〜125万 | 115〜140万 |
| セキュリティ | 40〜58万 | 65〜82万 | 80〜100万 | 95〜125万 | 115〜145万 |
※ Heyday 2026Q1実案件・エンド直〜1次のみ・n=50件以上。3次以降の商流では各段階でマージンが加算されるため、実際の受注単価はこれより10〜30万円低くなる。
上流工程関与による加算
同じ言語・同じ経験年数でも、担当工程によって単価は大きく変わる。
| 担当工程 | 単価への影響(目安) |
|---|
| コーディング・単体テストのみ | 上記マトリクスの下限〜中央値 |
| 結合テスト・設計補助あり | 上記マトリクスの中央値 |
| 基本設計・詳細設計を担当 | 中央値+5〜10万円 |
| 要件定義・顧客折衝あり | 中央値+10〜20万円 |
| PM・技術リード | 中央値+15〜25万円 |
この表から読み取れる3つのポイント
- AI/ML×Pythonが2026年の最高単価帯: Heyday 2026Q1データでAI系案件の単価は97〜106万円。同じPythonでも一般Web開発(68万円前後)と比べて40%近い差がある。この格差は2025年比でさらに拡大している
- GoとSalesforceが希少言語の高単価帯: 経験5年でも78〜95万円。上流関与できるポジションなら110万円超えが現実的
- PHPとJavaの格差は経験年数で縮まらない: PHPの10年超でも78〜95万円が相場上限で、Goの5〜8年(78〜95万円)と同水準に過ぎない。言語選択が中長期の単価の天井を決める
言語別の詳細な相場(フレームワーク・業種別・フリーランス換算含む)は各専用記事で解説している。
2026年の単価相場における「AI格差」の実態
2026年に入って、SES単価に明確な「二極化」が起きている。Heydayの2026Q1実案件データを分析すると、AI関連スキルの有無で単価が大きく分かれているのが見て取れる。
Heyday 2026Q1 AI系 vs 非AI系の単価比較
| 案件タイプ | 単価レンジ(経験3〜5年) | 備考 |
|---|
| AI/ML開発(Python・LLM活用) | 97〜106万円 | 設計〜実装・エンド直案件 |
| データエンジニアリング | 85〜95万円 | BigQuery・Spark等 |
| クラウドインフラ(AI基盤構築) | 88〜100万円 | AWS SageMaker等 |
| 一般的なWeb開発(Java/PHP) | 58〜72万円 | 標準的な商流 |
| 既存システム保守・運用 | 55〜68万円 | 上流なし・2〜3次商流 |
同じPythonを書いていても、AIパイプライン構築案件と一般Web開発案件では月30〜40万円の差がある。この差は「言語の違い」ではなく「案件タイプの違い」から生まれている。
SES経営者として率直に言うと、2026年の単価競争における最大の分岐点は「AIをツールとして使えるか」ではなく「AIを活用した開発プロセスそのものを設計・実装できるか」だ。Cursor/Claude Codeを使って生産性が上がっている程度では、単価への直接的な影響は限定的だ。
小川将司(Heyday代表): 2026年に入ってから、AI系案件の需要はさらに加速している。LLM・RAG・AIエージェント構築を経験したエンジニアへの引き合いは、対応できる人材の供給を大きく上回っている状態が続いている。Python経験があっても「AI案件の実務経験なし」というエンジニアは、今から経験を積む戦略が必要だ。
詳細は AIを使うSESエンジニアは月10万円高単価 で解説している。
商流の深さで「同じ単価でも手取りが変わる」早見表
SES業界特有の構造として、エンド企業が支払う金額とエンジニアに届く金額の間に「商流マージン」が積み上がる。以下は、エンド単価100万円の案件が何次請けかによってSES企業に届く単価がどう変わるかを示した早見表だ。
| 商流 | SES企業に届く単価(目安) | うちエンジニアへの還元(還元率75%時) |
|---|
| エンド直(1次請け) | 100万円 | 75万円 |
| 1次下請け(2次) | 85〜90万円 | 64〜68万円 |
| 2次下請け(3次) | 70〜80万円 | 53〜60万円 |
| 3次以下(4次〜) | 55〜70万円 | 41〜53万円 |
エンド単価100万円の案件でも、3次以下になると手取りは月41〜53万円まで落ちる。
Heydayの2026Q1データでは、全案件をエンド直〜1次のみで取り扱っている。同じスキルのエンジニアが3次請けから1次請けに移ると、月額15〜25万円上がる計算だ。
SES単価の相場を確認する際は、「掲示されている単価がエンド単価か受注単価か」「何次請けか」を必ず確認することが重要だ。商流の詳細な仕組みは以下で解説している。
SES単価が決まる構造:マージン・商流・還元率
「単価が高い=手取りが多い」とは限らない。SES業界では、エンドクライアントが支払った金額がエンジニアに届くまでに複数の中間業者を経由し、各段階でマージンが差し引かれる。この構造を理解しないと、自分の単価を正しく評価できない。
お金の流れを構造で見る
エンドクライアント(月額100万円を支払う)
↓ 10〜15万円(元請けSIerのマージン)
元請けSIer(85〜90万円を受け取り、下請けに発注)
↓ 10〜15万円(2次請けのマージン)
2次請けSES企業(70〜80万円を受け取る)
↓ 15〜25万円(SES企業の運営コスト+利益)
エンジニア(月給額面:50〜60万円)
エンドが100万円払っていても、エンジニアに届くのは50〜60万円。各段階に事業者のコストと利益が発生している。この構造を変えるには、商流の浅い企業を選ぶか、エンド直案件の比率が高い企業に移るしかない。
商流別の「エンジニアの所属企業に届く単価」
| 商流 | 所属企業に届く割合(目安) | 100万円案件の場合 |
|---|
| エンド直(1次請け) | 100% | 100万円 |
| 2次請け | 85〜90% | 85〜90万円 |
| 3次請け | 70〜80% | 70〜80万円 |
| 4次請け以降 | 55〜70% | 55〜70万円 |
商流が1段階深くなるごとに、月額10〜15万円が中間マージンとして消える。
還元率の「分母トリック」に注意
SES企業が「還元率75%」と謳っていても、計算の分母が「SES企業に届いた金額(受注単価)」なのか「エンドが払った金額(エンド単価)」なのかで実質的な手取りは大きく変わる。
具体例:
- エンドが支払う金額: 90万円
- 元請けSIerのマージン後: 78万円(元請けが12万円抜く)
- SES企業の還元率75%(受注単価基準): 78万円 x 75% = 58.5万円
- 同じケースをエンド単価基準で計算すると: 58.5万円 / 90万円 = 65%
つまり同じ手取り58.5万円でも、「還元率75%」とも「還元率65%」とも表示できる。「高還元」を掲げる企業に対しては、必ず「分母はエンド単価ですか、受注単価ですか」と確認することが重要だ。
詳しく読む: SESのマージン構造を1円単位で解説
詳しく読む: SES還元率の相場は?IT業界12年・SES事業6年の経営者が実態を全公開
SES中抜き割合の実態:厚労省令和5年度データで見る
「SESは中抜きが多い」という声は多いが、実際の数字はどうか。厚生労働省が公表した「令和5年度労働者派遣事業報告書の集計結果(速報)」によると、全労働者派遣業のマージン率の平均は**36.1%**だった。
厚生労働省令和5年度データ(公式)
| 項目 | 数値 |
|---|
| 派遣料金の平均(1日8時間換算) | 25,337円 |
| 派遣労働者の平均賃金(同) | 16,190円 |
| マージン率(中抜き割合)の平均 | 36.1% |
| エンジニアへの還元率(平均) | 63.9% |
出典:厚生労働省「令和5年度 労働者派遣事業報告書の集計結果(速報)」
つまり、SES業界全体の平均では、クライアントが支払う金額の**約63.9%**がエンジニアに還元されていることになる。
ただし注意点が2つある。第1に、この36.1%には「社会保険料の会社負担分・教育訓練費・採用コスト」等が含まれており、純粋な企業利益は15〜20%程度とされる。第2に、これは派遣業界全体の平均であり、ITエンジニア特化のSES企業は個社ごとに異なる。
多重下請けによる中抜きの累積効果
エンド企業が月100万円を支払う案件が、1次請け→2次請け→3次請けと下りてくると、各段階で10〜20%のマージンが積み上がる。エンド100万円の案件が3次請けのSESエンジニアに届く時点では、所属企業の受注単価が50〜60万円まで圧縮されている計算だ。
Heydayの2026Q1データでは、エンド直または1次請け案件での取り扱いを維持することで、エンジニアへの還元率を業界平均(63.9%)を上回る水準に保っている。
詳しく読む: SESのマージン構造を1円単位で解説
単価が上がらない3パターン|自己診断チェック
「スキルを磨いているのに単価が上がらない」という状態には、3つのパターンがある。自分がどれに該当するかを確認してほしい。
パターン1: 商流が深くて単価の天井が低い
チェックポイント
- 自分の案件が何次請けか知らない
- SES企業が「エンド直案件の比率」を開示していない
- 同じスキルの知人よりも明らかに給与が低い
このパターンは最も多い。経験5年・Java習熟でも、3次請け案件に入り続けていれば単価の天井は60万円台で止まる。スキルは十分だが、構造が単価を抑えている状態だ。
対処法は商流の浅い企業に移籍すること。同じスキルで月15〜25万円上がるケースが実際に多い。
パターン2: 還元率が低く手取りが少ない
チェックポイント
- 所属企業の「還元率」が分母ベースで計算されているか確認したことがない
- 単価の開示を受けたことがない
- 同じ案件で働く他社のエンジニアと給与を比べたことがない
受注単価は適正でも、所属企業のマージンが高ければ手取りは少ない。還元率65%の企業と80%の企業では、単価60万円でも年間108万円の差が出る。
対処法は還元率の確認と交渉。開示を拒否する企業は転籍を検討する価値がある。
パターン3: 交渉していない・交渉が機能していない
チェックポイント
- 契約更新時に自分から交渉を依頼したことがない
- 「言わなくても評価されて上がるもの」と思っている
- 交渉したが「今は難しい」と断られてそのまま
SES業界では「黙っていれば上がる」のは一部の大企業だけだ。契約更新時に市場相場データを持って自分から交渉を依頼しない限り、単価は据え置かれることが多い。
小川将司(Heyday代表): 相談に来るエンジニアの約7割は「一度も単価交渉したことがない」か「断られてあきらめた」状態だ。スキルが十分でも、この3つの構造要因が重なると単価は上がらない。まず自分がどのパターンかを特定することが、改善の第一歩になる。
Heyday 2026Q1 実案件データ:業界相場との比較
まず、Heydayが2026年1〜3月に成約した案件(エンド直・1次のみ、経験3〜5年)のデータを公開する。
| 言語 | Heyday平均成約単価 | 業界相場(中央値) | 差分 |
|---|
| Java | 72万円 | 65万円 | +7万円 |
| Python(AI/ML) | 97〜106万円 | 72万円 | +25〜34万円 |
| Python(一般Web) | 68万円 | 60万円 | +8万円 |
| Go | 78万円 | 70万円 | +8万円 |
| TypeScript/React | 72万円 | 63万円 | +9万円 |
| PHP(Laravel) | 65万円 | 58万円 | +7万円 |
業界平均より平均7〜12万円高い(AI/ML系は+25〜34万円の差)。 この差分が生まれる理由は3つある。
- 商流の浅さ — エンド直・1次のみで案件を受注する方針を徹底しているため、中間マージンが積み上がらない
- 案件の選別 — 低単価・量産型の案件を受けず、スキルに見合った単価の案件にマッチングしている
- 更新時の単価交渉 — 「なんとなく更新」で単価が上がらないケースを排除し、契約更新時に必ず交渉を実施する体制を取っている
SES経営者の立場から言えば、これは特別なことではない。商流を浅く保ち、交渉を怠らなければ、この程度の差は構造的に生まれる。 逆に言えば、今の自分の単価がこのデータを10万円以上下回っている場合、商流かマージンに構造的な問題がある可能性が高い。
言語別・年収別の詳細データは専用記事へ
言語×経験年数別の単価レンジ詳細(フレームワーク別・業種別)と、年収換算の詳細は、それぞれ別の記事にまとめている。本記事は「単価をどう上げるか」に絞って続ける。
相場早見表・言語別の単価一覧はこちら → SES単価 相場早見表|言語・フレームワーク別の最新単価表
年収換算・年代別の年収レンジが知りたい方 → SESエンジニアの年収|言語別・年代別・職種別の実データ
C#エンジニアの単価を詳しく知りたい方 → C#エンジニアのSES単価相場
SES単価と年収の関係:平均408万円の壁を越えるには
SESエンジニアの平均年収は約408万円(Geekly 2024年調査)。全ITエンジニア平均537万円より約130万円低い水準だ。この差がどこから来るかを単価から逆算して示す。
単価から年収への変換計算式
手取り年収(概算) = 月次単価 × 還元率63.9% × 12ヶ月 × 0.82(社保・所得税控除概算)
例:月次単価55万円の場合
→ 55万 × 0.639 × 12 × 0.82 ≒ 年収347万円(手取り)
目標年収別の必要単価(目安)
| 目標年収(手取り) | 必要な月次単価 | 典型的なスキルレベル |
|---|
| 350万円 | 55万円 | Java 3年・下流工程 |
| 450万円 | 71万円 | Java 5年 or AWS経験あり |
| 550万円 | 87万円 | Go/Python・上流工程経験 |
| 650万円 | 103万円 | AI/ML特化・設計工程 |
| 800万円+ | 126万円 | LLM/AI設計・PL経験・エンド直 |
年収408万円の「壁」を越えるには、月次単価64万円以上が目安になる。「経験5年以上 + クラウド資格1つ以上 + 設計工程の経験」で到達可能なゾーンだ。本記事の「単価を上げる5ステップ」が直接この壁を超えるための行動指針になる。
出典:Geekly「SESエンジニアの平均年収はいくら?年収が上がらない理由も解説」(Geekly自社データ・2024年)
SES単価60万円・80万円の手取りシミュレーション
「SES 単価60万 手取り」「SES 単価80万 手取り」は、実際に多くのエンジニアが検索しているキーワードだ。この疑問に正面から答える。
単価60万円の手取りシミュレーション
| 条件 | 月給額面 | 年収(額面) | 手取り目安(月額) |
|---|
| 還元率65% | 39万円 | 468万円 | 約31万円 |
| 還元率70% | 42万円 | 504万円 | 約34万円 |
| 還元率75% | 45万円 | 540万円 | 約36万円 |
| 還元率80% | 48万円 | 576万円 | 約38万円 |
同じ単価60万円でも、還元率の差だけで年間108万円の手取り差が生まれる。
SES経営者としての率直な見解を述べると、単価60万円は経験3〜5年のJavaエンジニアにとって「標準的」な水準だ。ただし、Go経験5年なら「明らかに低い」し、経験1〜2年なら「良い水準」と言える。単価60万円が高いか安いかは、言語・経験年数・商流の3軸で判断する必要がある。
さらに重要なのは、この60万円が「エンド単価」なのか「受注単価(SES企業に届いた金額)」なのかだ。エンドが80万円払っている案件の3次請けで受注単価60万円という状況は珍しくない。まず自分の案件の商流を確認してほしい。
単価80万円の手取りシミュレーション
| 条件 | 月給額面 | 年収(額面) | 手取り目安(月額) |
|---|
| 還元率65% | 52万円 | 624万円 | 約42万円 |
| 還元率70% | 56万円 | 672万円 | 約45万円 |
| 還元率75% | 60万円 | 720万円 | 約48万円 |
| 還元率80% | 64万円 | 768万円 | 約51万円 |
単価80万円で還元率80%なら、年収768万円(額面)。手取りは月約51万円になる。
単価80万円に到達するエンジニアの特徴を、Heydayの事例から整理すると以下の通りだ。
- 経験5年以上 + クラウド(AWS/GCP)の実務経験
- 設計工程(基本設計・要件定義)を担当した実績
- 商流がエンド直または2次まで
- Go・Python(AI/ML)・Scalaなど希少性の高い言語
逆に、10年以上の経験があっても「実装のみ・クラウド未経験・3次請け」の条件が重なると、単価60万円台に留まるケースも存在する。
フリーランスの場合はどうなるか
月額単価70万円以上が見込めるスキルを持っている場合、フリーランスの方が実質的な収入は高くなることが多い。
- 正社員(還元率75%、単価70万円): 月給額面52.5万円 → 年収630万円
- フリーランス(エージェント手数料15%控除後): 月収59.5万円 → 年収714万円
ただし、フリーランスは社会保険を全額自己負担(約月5〜7万円)し、確定申告・節税の管理コストも発生する。年収600万円台では「どちらが有利か」は個人の状況次第だが、800万円以上を目指す場合はフリーランス転向と法人化の検討が現実的になる。
詳しく読む: 「フリーランスのほうが稼げる」は本当か|実質手取り比較
詳しく読む: SESからフリーランスへの転身完全ガイド
あなたの言語・経験年数・スキルで手取りがいくらになるか、診断ツールでシミュレーションできる。
単価を上げる5ステップ(効果が出る順)
単価は「与えられるもの」ではなく、自分でコントロールできる。以下は、効果が出る速さの順に並べた5つのステップだ。
ステップ1: 自分の契約単価を把握する(即日)
最初にやるべきことは、自分の案件の契約単価(エンド単価ではなく、SES企業の受注単価)を確認することだ。
SES企業の中には単価を開示しない企業もある。しかし、自分の市場価値を交渉の材料にするためには、現在の契約単価を知ることが前提だ。単価の開示を求めることは正当な権利であり、開示を拒否する企業は構造的に問題がある。
確認する際は「キャリアプランを立てるために自分の市場単価を知りたい」という文脈で話を切り出すと応じやすい。
ステップ2: 商流を確認し、浅い案件に移る(1〜3ヶ月)
スキルは変わらなくても、3次請けから1次請けに移るだけで月額15〜25万円上がることがある。これは自分のスキルを一切変えずに実現できる最も即効性の高い方法だ。
SES企業を選ぶ際に「エンド直案件の比率」を必ず確認する。Heydayではエンド直・1次のみで案件を受注する方針を取っているが、業界全体では3次請け以降の案件も多い。自分の案件が何次請けかを知らないエンジニアは少なくないが、それは年収に直結する情報だ。
ステップ3: クラウド資格を取得する(3〜6ヶ月)
AWS SAA(ソリューションアーキテクト アソシエイト)は、学習時間100〜150時間で取得可能、単価+5〜10万円の効果が期待できる。投資対効果が最も高いスキル投資だ。
年収換算で60〜120万円の差になる計算で、試験費用(約1.5万円)との比較で投資回収期間は1ヶ月以内。ただし、資格のみで単価が上がるわけではない。資格取得後に実際のクラウド設計案件に入り、実務経験として積み上げることで初めて高単価が維持できる。
詳細は AWS SAA取得でSES単価はいくら上がるか で解説している。
ステップ4: 設計工程に足を踏み入れる(現案件で)
現在の案件で「基本設計を一部担当させてほしい」と手を挙げることが最短ルートだ。設計経験は次の案件の単価交渉で直接使える実績になる。
要件定義・PM経験があるエンジニアは、経験年数が同じでも単価が15〜25万円高い状態が続く。「実装者」から「ビジネス側と話せる技術者」への転換が、単価の天井を引き上げる。
Heydayの事例でも、PHPエンジニアが社内提案で小規模プロジェクトの要件定義を担当し、「要件定義書の作成経験あり」として次の案件面談で提示したところ、単価が48万円から62万円に改善したケースがある。
ステップ5: 契約更新前に単価交渉を行う(半年ごと)
契約更新は通常3〜6ヶ月ごとに発生する。この更新のタイミングが単価交渉の唯一の機会だ。
交渉の材料として有効なのは以下の4つ:
- 現場でのポジション拡大(当初の契約範囲を超えた業務を担っている場合)
- 新しく習得したスキルや資格
- 同スキルセットの市場相場データ(この記事の数字を使ってほしい)
- PMからの評価フィードバック
更新の1〜2ヶ月前から、営業担当を通じて現場評価と市場相場データを提示して交渉を依頼する。「黙っていれば自動的に上がるもの」ではない。
単価交渉の実践ガイド|言い回し・タイミング・断られた後の対処
「交渉したいけど、何と言えばいいか分からない」という声は多い。営業担当への依頼から、断られた後の対処まで具体的に示す。
交渉依頼のタイミングと準備
最適なタイミング: 契約更新の2ヶ月前(更新の意向確認が来た直後)
準備するもの:
- この記事の相場マトリクスで「自分の言語×経験年数」の市場単価レンジを確認する
- 現在の契約単価を把握する(受注単価ベース)
- 現場での担当業務の拡大・成果を箇条書きで整理する
- 目標単価を決める(相場の中央値〜中央値+5万円を目安に)
営業担当への具体的な依頼文
以下を参考に、自分の状況に合わせて調整してほしい。
○○さん、更新のご確認ありがとうございます。今回の更新のタイミングで、単価の見直しについてご相談したいと思っています。
現在の案件では、当初の契約範囲(実装・テスト)に加えて、△△(具体的な業務:例「基本設計の一部補助」「後輩エンジニアのレビュー」など)も担当するようになっています。
今の市場相場(Heydayのデータでは同スキルレベルで○○〜△△万円)と現在の単価の差を考えると、次の更新では○○万円を目標にご交渉いただけないでしょうか。
ご検討よろしくお願いします。
断られた場合の3つの対応
パターンA: 「クライアントが承認しなかった」
→ 「では次の更新(○ヶ月後)で改めて交渉をお願いします。今回の交渉依頼の記録を残していただけますか」と確認する。交渉記録を残しておくことで、次回の交渉の根拠になる。
パターンB: 「会社の方針で単価は上げられない」
→ 単価の上限が会社方針で決まっている可能性がある。「方針はどのような条件が変われば見直されますか」と確認し、条件が改善しないなら転籍を検討する。
パターンC: 「今は案件が少なく難しい」
→ 「単価を上げるために必要なスキルや経験をご共有いただけますか」と条件の明確化を求める。具体的な条件が提示されない場合は、交渉意図のない返答の可能性がある。
詳しく読む: 会社にSES単価を教えてもらえない場合の確認法・交渉術
単価を上げる3つのアプローチ(効果×難易度別)
単価を上げる方法は「スキルを磨く」だけではない。Heydayが100名以上の単価交渉に関わってきた経験から、効果と難易度のバランスが優れた3つのアプローチを整理する。
アプローチ1: 商流を上げる(スキル不変で月+15〜25万円)
同じ言語・同じ経験年数で、3次請けから1次請けに移るだけで月額15〜25万円上がる。スキルを変える必要がない分、3つのアプローチの中で最も即効性が高い。
「なぜ今の会社の案件は何次請けなのか」を確認するところから始める。エンド直案件の比率を公開していない企業には、直接質問することが重要だ。
アプローチ2: 上流工程に関与する(同言語のまま+10〜20万円)
「設計・要件定義を一部担当させてほしい」と現案件で手を挙げるだけで、次の案件の単価交渉で使える実績になる。言語を変えずに単価レンジを上げられる唯一の方法だ。
Heydayの事例では、PHPエンジニアが社内提案で要件定義を担当し「要件定義書の作成経験あり」として次の面談に臨んだところ、単価が48万円から62万円に改善した(実例あり。本記事の実例2で詳述)。
アプローチ3: AI活用実績を言語化する(2026年以降の差別化要素)
Cursor・Claude Code・GitHub Copilotの活用実績を「開発速度○倍」「テスト工数○%削減」として数値化し、案件面談で提示できるようにする。2026年以降の案件選定において、AI活用スキルの有無が単価に影響しはじめている。
Findy 2026年1月調査(n=265)では、AI高活用エンジニアは低活用層より月単価が平均10万円高い。ただし「AIを使っている」と言うだけでは不十分で、「どの業務でどう使い、何が改善されたか」を具体的に示せるかが評価の分かれ目だ。
詳細は AIを使うSESエンジニアは月10万円高単価 で解説している。
Heydayが支援した単価交渉の実例(2026年上半期 n=8件)
単価を上げるには「スキル・商流・タイミング」の3軸を同時に動かすことが重要です。Heydayが2026年上半期に支援した8件の交渉データから、実際に機能したパターンを3つ紹介します。
実例1:AWS SAA取得→案件タイプ変更で月単価+15万円(Javaエンジニア 5年)
変化前: Java 5年/月単価60万円(2次請け保守案件)
変化後: AWS SAA取得後、インフラ移行案件(1次請け)へ。月単価75万円
期間: 資格取得から新案件決定まで約4ヶ月
ポイントは「資格取得そのもの」より「案件タイプを変えた」ことです。保守からマイグレーションに移ることで、スキル証明と商流改善を同時に実現しました。
実例2:Go言語追加→フィンテック案件で月単価+18万円(Pythonエンジニア 3年)
変化前: Python 3年/月単価65万円
変化後: Go言語を3ヶ月独習、決済系フィンテック案件に移行。月単価83万円
Goは国内のSESエンジニアに比べて案件数が多い一方、人材が少ない状態が続いています。「需要過剰×希少言語」の組み合わせは単価上昇の最短ルートになりやすいです。
実例3:商流改善のみで月単価+12万円(スキルアップなし・Javaエンジニア 7年)
変化前: Java 7年/月単価70万円(3次請け経由)
変化後: 商流を1次請けに変更するだけで月単価82万円
スキルは変わっていません。3次請け→1次請けへの移動だけで12万円上がりました。「単価は実力で決まる」という思い込みが最も損をする誤解のひとつです。
代表 小川から: 単価交渉の相談で最もよくある誤解は「もっとスキルを積んでから動こう」という先送りです。今の自分のスキルで商流を変えるだけで月10〜15万上がるケースが実際に多い。まずHeydayの診断ツールで現在地を確認することを勧めます。
会社にSES単価を教えてもらえない場合の対処法
「自分の単価を教えてくれない」という状況はSES業界でよくある。法律上、会社に単価開示の義務はないため、非開示は違法ではない。しかし、自分の市場価値を把握できない状態はエンジニアにとって不利だ。
単価を確認する3つの方法
方法1(直接請求): 営業担当または人事に「キャリア目標を設定するために自分の単価を確認したい」と伝える。「相場を知って市場価値向上に活かしたい」という文脈で聞くと応じやすい。
方法2(逆算): 自分の月給から概算する。月給25万円で還元率63.9%(厚労省令和5年度データ基準)とすると、想定単価 = 25万 ÷ 0.639 ≈ 39万円。
方法3(比較): 本記事の「相場マトリクス」と自分の給与を比較する。月給が相場単価の60%を大きく下回る場合は、転職または単価交渉の余地がある。
詳細な相場データ・教えてもらえない場合の対処はこちら
→ SES単価 相場早見表&単価を教えてもらえない場合の確認法
Heydayで実際に起きた単価改善の事例
事例:Java 3年・Aさんのケース(単価55万→72万)
Heydayに相談に来たとき、AさんのスペックはJava(Spring Boot / MyBatis)3年、前職SES会社での月単価は55万円だった。単価を教えてもらったことが一度もなく、自分が適正価格かどうかも分からない状態だった。
転職前の状況
| 項目 | 数値 |
|---|
| 月単価(推定) | 55万円(3次請け) |
| 還元率(推定) | 65%前後 |
| 月手取り概算 | 約35〜36万円 |
| 案件選択権 | なし(会社が決める) |
「3次請けだったので、エンドがいくら払っているかを知る方法がなかった。」(Aさん談)
Heydayでの変化
移籍後、まず取り組んだのは商流を浅くすることだ。Heydayはエンド直〜1次案件のみを扱う方針のため、同じJavaスキルでも初回の成約単価は65万円まで上がった。
さらに3ヶ月後の更新タイミングで単価交渉を実施。成果物の品質向上と役割の広がりを根拠に交渉したところ、72万円(エンド直)での継続が決まった。
| 項目 | 数値 |
|---|
| 月単価 | 72万円(エンド直) |
| 還元率 | 業界水準より低いHeydayのマージン |
| 月手取り概算 | 約54万円(+18万円/月) |
| 案件選択権 | あり(複数案件から選択) |
何が変わったか
スキルは変わっていない。変わったのは2点だ。どの商流で働くかと、更新タイミングを交渉の機会として使うか——この2点だけ。Aさんが後に語った言葉が印象に残っている。
「単価が低かった理由は、自分のスキルが低いからだと思っていた。実際は商流と情報の非対称性だった。」
Heydayに相談してくるエンジニアの多くが、Aさんと同じ状況にある。自分の市場単価を知ることが、改善の第一歩だ。
SES経営者として6年間関わってきた中で、単価が改善されたパターンを3つ紹介する。共通するのは、単一要因ではなく複数要因の組み合わせで単価が変化した点だ。
事例1: Java 5年 + AWS追加で60万 → 75万円
Javaの設計経験5年を持つエンジニアが、AWSの実務経験(ECS・RDS・CDK)を1年かけて積み、資格(SAA)も取得。次の案件提示時に「クラウドネイティブ移行ができるJavaエンジニア」として商談を行い、単価が60万円から75万円に改善した。
単純なJava案件なら65〜70万円が相場だったが、クラウド移行を主導できるという付加価値が10万円のプレミアムになった。
事例2: PHP 3年 + 要件定義経験で48万 → 62万円
PHPのWeb開発3年のエンジニアが、3次請け商流の案件で月額48万円だった。社内提案で小規模プロジェクトの要件定義を担当した実績を次の案件面談で提示し、単価が62万円に改善した。
言語は変わっていない。上流工程への関与が証明できたことと、商流が2次請けに変わったことの合算で14万円の上昇になった。
事例3: Python 2年 + ML特化で55万 → 80万円
Pythonスクリプト中心の2年経験者が、機械学習・BigQuery・Vertex AIの学習に6ヶ月集中し、自社内の小規模MLパイプライン構築を担当。「MLパイプライン構築経験」として次の案件面談に臨み、単価が55万円から80万円に改善した。
言語は同じPythonだが、「データエンジニア・MLエンジニア」としてのポジションに切り替わることで市場での評価軸が変わった。
SES単価についてよくある質問
Q. SESの単価60万円は高いですか、安いですか?
状況による、というのが正確な回答だ。
- 経験3〜5年のJavaエンジニアなら「標準的」(相場55〜75万円の中央)
- Go経験5年なら「明らかに低い」(相場75〜110万円)
- 経験1〜2年のエンジニアなら「良い水準」
さらに重要なのは還元率だ。単価60万円でも還元率65%の企業なら月給額面39万円、還元率80%なら48万円。年間で108万円の差になる。 単価と還元率をセットで確認することが必須だ。
Q. SESの単価80万円に到達するには何が必要ですか?
Heydayの事例から見ると、単価80万円に到達するエンジニアには共通する条件がある。
- 経験5年以上であること
- クラウド(AWS/GCP/Azure)の実務経験があること
- 設計工程(基本設計・要件定義)を担当した実績があること
- 商流がエンド直〜2次まで
言語による差も大きい。Go・Python(AI/ML)・Scalaなど希少性の高い言語なら経験3〜5年でも80万円に届くケースがあるが、PHPの場合は経験10年以上でも70〜95万円が上限帯になる。
Q. 未経験からSESに入った場合の単価はいくらですか?
未経験での入社直後は、月額30〜45万円が一般的な相場だ。ただし、この時点の単価よりも「どれだけ早く実装案件に入れるか」「1〜2年後に50〜60万円の案件に移れるか」の方が重要だ。
入社後の案件配置が研修・テスト中心に留まり続ける企業は、成長とともに単価が上がりにくい構造になっている場合が多い。入社前に「最初の案件でどの工程を担当するか」を具体的に確認することを勧める。
Q. 単価を上げるために最短で効果のあるスキルは何ですか?
AWS SAA(ソリューションアーキテクト アソシエイト)の取得が、投資対効果の観点で最もコスパが高い。
学習時間100〜150時間、合格後の単価上乗せ効果が月+5〜10万円。年収換算で60〜120万円の差になり、試験費用(約1.5万円)との比較で投資回収期間は1ヶ月以内だ。
ただし資格だけでなく、取得後に実際のクラウド設計案件に入り、実務経験を積むことで初めて高単価が維持できる。
Q. フリーランスとSES正社員、どちらが手取りは多いですか?
月額単価70万円以上が見込めるスキルを持っている場合、フリーランスの方が実質的な収入は高くなることが多い。
- 正社員(還元率75%、単価70万円): 月給額面52.5万円 → 年収630万円
- フリーランス(エージェント手数料15%控除後): 月収59.5万円 → 年収714万円
ただし、フリーランスは社会保険を全額自己負担(月約5〜7万円)し、確定申告の管理コストも発生する。月額単価60万円以下では正社員のほうが有利なケースが多く、80万円超から徐々にフリーランスの優位が明確になる。
Q. 自分の単価が適正かどうかはどう判断すればいいですか?
以下の3ステップで確認してほしい。
- この記事の相場マトリクスで「自分の言語×経験年数」のレンジを確認する
- 現在の契約単価(受注単価)を所属企業に確認する
- 商流(何次請けか)を確認し、中間マージンの影響を差し引いて比較する
相場レンジの中央値を10万円以上下回っている場合は、商流・還元率・交渉不足のいずれかに問題がある可能性が高い。
Q. SES単価は何で決まるのですか?
SES単価は「言語×経験年数×商流×還元率」の4軸で決まる。同じ言語・同じ経験年数でも、商流が1段階深くなるだけで月額10〜15万円が中間マージンとして消える。さらに所属SES企業の還元率が65%か80%かで、エンジニアの手取りは年間100万円以上変わる。
SES経営者の立場から言えば、スキルだけで単価が決まるのは全体の半分程度だ。残り半分は「どの商流で、どの還元率の会社に所属しているか」という構造要因が占めている。なお、言語×経験年数別の具体的な単価レンジ(相場一覧)は、SES単価 相場早見表に集約している。
Q. 単価交渉はいつすべきですか?
契約更新の1〜2ヶ月前がベストタイミングだ。SESの契約更新は通常3〜6ヶ月ごとに発生し、この更新時が単価を変える唯一の交渉機会になる。
具体的には、更新の2ヶ月前に営業担当に「次の更新で単価交渉をしたい」と伝え、以下の材料を準備する。
- 現場での担当範囲の拡大(当初の契約範囲を超えた業務を担当している事実)
- 取得したスキルや資格
- 同スキルセットの市場相場データ(この記事のマトリクスを使ってほしい)
- PMからの評価フィードバック
Heydayでは契約更新時に全員の単価交渉を実施する体制を取っているが、業界全体では「言わなければ上がらない」のが実態だ。
Q. 単価が上がらない場合、どうすればいいですか?
単価が上がらない原因は大きく3つに分かれる。
- 商流が深い — 3次請け以降の案件にいる場合、スキルが上がっても単価の天井が低い。商流の浅い企業への移籍が最も即効性がある
- 所属企業の還元率が低い — 同じ単価でも還元率65%と80%で年間100万円以上の手取り差がある。還元率を開示しない企業に所属している場合、まず開示を求めることから始める
- 交渉していない — 「黙っていれば上がる」のは一部の大企業だけだ。市場相場データを持って、契約更新時に自分から交渉を依頼する必要がある
どの原因にも共通するのは「自分の市場単価を知らないまま動けない」という点だ。まずは相場を把握し、自分の現状と比較するところから始めてほしい。
Q. SESのマージン率(中抜き割合)の業界平均はいくらですか?
厚生労働省「令和5年度労働者派遣事業報告書の集計結果(速報)」によると、全派遣業のマージン率の平均は**36.1%**です(派遣料金平均25,337円、賃金平均16,190円から算出)。裏返すとエンジニアへの還元率の平均は63.9%です。マージンには企業利益のほか、社会保険料の会社負担分・採用費・教育訓練費等が含まれます。この数値を上回るマージン率の会社は、業界平均より取り分が多いと判断できます。
Q. SES年収の平均はいくらですか?
Geekly社の調査(2024年)によると、SESエンジニアの平均年収は約408万円で、全ITエンジニア平均537万円より約130万円低い水準です。年収の上限は単価・還元率・商流の3要素で決まり、単価64万円以上(経験5年以上・クラウド資格あり)から年収450万円超が見えてきます。
Q. AIエンジニアとしてSESで働くと単価はどれくらいになりますか?
Heydayの2026Q1実案件データでは、LLM・RAG・AIエージェント構築案件の単価は経験3〜5年で97〜106万円が成約レンジだ。同じPythonを使っていても一般Web開発(68万円前後)と比べて月30〜40万円の差がある。
ただし「PythonとAPIは触れる」程度では対象外になるケースが多い。LLMのファインチューニング、RAGパイプラインの設計・実装、AIエージェントの評価・改善サイクルを実務で経験していることが要件として求められる。現在Python経験があってAI案件を狙いたい場合は、個人プロジェクトや社内の小規模AI活用から実績を積むことが現実的な道筋だ。
まとめ
SES単価は「言語×経験年数×商流×還元率」の4軸で決まる。この記事で整理した主要ポイントをまとめる。
- AI格差が拡大中(2026年): AI/ML案件の単価は97〜106万円、保守系の68万円と40%差。言語だけでなく「案件タイプ」が単価の天井を決める
- 相場の幅(30〜140万円): 言語・経験年数・商流の深さが最大の変数
- 手取りは還元率で決まる: 同じ単価60万円でも、還元率の差で年間108万円の手取り差
- 商流が最大の即効薬: 3次請けから1次請けに移るだけで月額15〜25万円上がる可能性
- クラウド資格が最高ROI投資: AWS SAA取得で月+5〜10万円、投資回収1ヶ月以内
- 交渉しなければ上がらない: 契約更新時に市場相場データを持って交渉を実施する
- 単価が上がらない3パターン: 商流が深い・還元率が低い・交渉不足。どれかを必ず特定する
相場を知らないまま働き続けることが、最も大きな機会損失だ。 診断ツールに言語・経験年数・保有スキルを入力すれば、あなた個人の市場単価レンジを算出できる。3問答えるだけ、メールアドレスの入力も不要だ。
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単価相場を数字で把握する
AI活用と単価の関係
マージン・商流の構造を理解する
単価・収入を上げる戦略
資格と単価の関係
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