SESエンジニアの「単価が低い」という問題の根本原因のひとつが「商流の深さ」です。自分の案件が何次請けか知っていますか?この記事では商流の仕組みと、単価を守るための知識を解説します。
商流とは何か
「商流」とは、最終的な発注者(エンドクライアント)からエンジニアまでの契約の連鎖です。
【例: 3次請けの商流】
エンドクライアント(大手メーカー)
↓ 月200万円で発注
一次請け(大手SIer・A社)
↓ 月160万円で外注(A社マージン20%)
二次請け(中堅SES・B社)
↓ 月120万円で外注(B社マージン25%)
三次請け(小規模SES・C社)
↓ 月85万円をエンジニアに支払い(C社マージン29%)
エンジニアの手取り: 85万円
実際の生産価値: 200万円
この例では、エンジニアが生み出している価値200万円に対して、手元に届くのは85万円(42.5%)です。残りの115万円は3社が分配しています。
なぜ商流が深くなるのか
理由1: 大手SIerの外注依存構造
大手SIerは「受注する力」は強いですが、実際に開発できるエンジニアが不足しています。そのため、受注案件を下請けに流す構造が慣行化しています。
理由2: 案件の「転がし」ビジネス
一部のSES会社は、エンジニアを直接確保するのではなく、他社のエンジニアをマージンを乗せて転売するビジネスモデルです。実態としてエンジニアの管理を何もしていないのにマージンだけ取っていく会社もあります。
理由3: エンジニアが商流を把握していない
「自分が何次請けか知らない」エンジニアが多いのが実態です。SES会社は積極的に商流を開示しないため、エンジニア側が意識しないと状況が改善されません。
商流の深さが単価に与える影響
Javaエンジニア(経験5年)の単価で比較します。
| 商流 | エンドクライアント支払 | エンジニア手取り | 手元に残る割合 |
|---|---|---|---|
| 直接 | 80万円 | 58万円 | 72.5% |
| 一次請け | 80万円 | 50万円 | 62.5% |
| 二次請け | 80万円 | 42万円 | 52.5% |
| 三次請け | 80万円 | 34万円 | 42.5% |
商流が1段深くなるごとに、手取りは約8万円減少します。年間では約96万円の差です。