「毎年少しずつ上がってはいるけど、もっと稼げる気がする。」
SESエンジニアからキャリア相談を受けると、この言葉を頻繁に聞く。結論から言えば、その直感は正しい。SESエンジニアの年収は、スキルや努力ではなく「構造」で決まる。 同じ言語・同じ経験年数でも、所属する企業の商流・還元率・給与設計が違えば、年収は200万円以上変わる。
SES事業を6年間経営し、100名以上のエンジニアのキャリアに関わってきた。この記事では、Heyday 2026Q1(1〜3月)の実案件データをもとに、年収が構造でどう決まるのかを具体的な数字で解説する。
この記事を読めば、以下が分かる。
- 言語別・経験年数別の実年収レンジ — 単価×12ヶ月×還元率で算出した実年収
- 商流別の年収差 — 1次請けと3次請けで年間200万円以上の差が生まれる構造
- 還元率別の手取り比較 — 同じ単価でも還元率で年収が100万円変わる現実
- 年収を上げる3つの構造的アプローチ — 努力の方向を間違えないための具体策
SESの年収を決める3つの構造要因
1. 給与設計:単価連動型か固定給型か
SES企業のエンジニアへの給与設計は、大きく2種類に分かれる。
固定給型(ランク制)
入社時のスキル・経験に応じてランクが決まり、そのランクに対応した固定給が設定される。ランクアップには年次・社内評価・資格取得などの条件がある。
この設計の問題は明確だ。市場でのエンジニア価値(単価)が上がっても、ランクアップの条件を満たさない限り給与は上がらない。企業側がその差分をマージンとして取る構造になる。
Heydayの実例で説明する。入社時の単価が55万円でランクが「B」とされ、月給が35万円だったエンジニアが3年後に単価75万円の案件に入れるスキルを身につけた。しかし「B」ランクのままなら、月給は36万円(昇給率1〜2%)程度にしかならない。単価は20万円上がったのに、給与は1万円しか上がっていない。 差額の19万円は企業の利益になっている。
単価連動型
エンジニアの契約単価に連動して給与が変動する設計だ。単価が上がれば給与も上がる。この設計では、スキルアップが直接収入に反映される。
経営者の見解: Heydayでは単価連動型の設計を採用している。エンジニアに単価を開示し、単価が上がった分は還元率に基づいて給与に反映する。固定給型の企業にいる方は、まず自分の単価を確認してほしい。単価を教えてもらえない企業は、構造的に問題がある可能性が高い。
2. 商流:何次請けで稼働しているか
商流の深さは、年収に最も大きな影響を与える構造要因だ。同じスキルのエンジニアが同じ業務をしていても、商流の深さだけで年収が200万円以上変わる。
Heyday 2026Q1の実案件データ(エンド単価100万円のケース)で示す。
| 商流 | SES企業の受取額 | エンジニア額面(還元率75%) | 年収(額面×12) | 1次との年収差 |
|---|
| 1次請け(エンド直) | 100万円 | 75.0万円 | 900万円 | ― |
| 2次請け(1社挟み) | 88万円 | 66.0万円 | 792万円 | ▲108万円 |
| 3次請け(2社挟み) | 79万円 | 59.4万円 | 713万円 | ▲187万円 |
| 4次請け(3社挟み) | 71万円 | 53.5万円 | 642万円 | ▲258万円 |
同じスキル、同じ案件なのに、1次請けと4次請けで年収差は258万円。 商流が1段階深くなるごとに、月額10〜15万円が中間マージンとして消える。これがSES業界の構造的な問題だ。
出典: Heyday 2026Q1実案件データ。中間企業のマージンはそれぞれ10〜12%で計算。
3. マージン設計:上がった単価は誰の利益になるか
スキルアップして単価が上がったとき、その増加分がどう配分されるかは企業のマージン設計で決まる。
マージン率を固定している企業(例:常に単価の25%をマージンとする)では、単価が上がるほどエンジニアの取り分も増える。一方、給与を固定して「余剰をマージンに」という設計の企業では、単価上昇の恩恵を企業が享受する。
SES経営者の立場から言えば、後者のパターンの企業ほど、エンジニアに単価を教えない傾向がある。単価を知られると「自分の単価が上がったのになぜ給与が変わらないのか」という疑問が生まれるからだ。
言語別・経験年数別の実年収シミュレーション
「自分の年収は適正なのか?」を判断するには、言語×経験年数の組み合わせで年収の水準を知る必要がある。以下は、Heyday 2026Q1の実案件データと業界相場をもとに、単価×還元率75%×12ヶ月で算出した実年収のシミュレーションだ。
主要言語の年収レンジ(還元率75%、エンド直〜1次請けの場合)
| 言語 | 経験1〜3年 | 経験3〜5年 | 経験5〜10年 | 経験10年以上 |
|---|
| Java | 405〜540万円 | 495〜675万円 | 585〜810万円 | 720〜1,080万円 |
| Python | 450〜585万円 | 540〜720万円 | 630〜900万円 | 810〜1,170万円 |
| Go | 495〜630万円 | 585〜765万円 | 675〜990万円 | 855〜1,260万円 |
| PHP | 360〜495万円 | 450〜585万円 | 522〜702万円 | 630〜855万円 |
| TypeScript/React | 405〜540万円 | 495〜675万円 | 585〜810万円 | 720〜1,080万円 |
| C# | 405〜522万円 | 495〜648万円 | 585〜792万円 | 720〜1,035万円 |
算出根拠: 各言語の単価レンジ(SES単価の相場一覧掲載のHeyday 2026Q1データ)×還元率75%×12ヶ月。賞与は含まず。
この表の読み方のポイント:
- 自分の年収がレンジの下限を下回っている場合 → 還元率が低い、または商流が深い可能性が高い
- レンジの中央に位置している場合 → 標準的。スキルアップか商流改善で上限に近づける
- レンジの上限に近い場合 → 現構造での年収上限に近い。次の年収帯に行くには言語変更か上流工程の経験が必要
Heyday 2026Q1実データとの比較
Heydayが2026年1〜3月に成約した案件(エンド直・1次のみ、経験3〜5年)のデータで、年収に換算するとどうなるか。
| 言語 | Heyday平均成約単価 | 業界相場(中央値) | Heyday年収(還元率75%) | 業界平均年収(還元率70%) | 年収差 |
|---|
| Java | 72万円 | 65万円 | 648万円 | 546万円 | +102万円 |
| Python(AI/ML) | 83万円 | 72万円 | 747万円 | 605万円 | +142万円 |
| Go | 78万円 | 70万円 | 702万円 | 588万円 | +114万円 |
| TypeScript/React | 72万円 | 63万円 | 648万円 | 529万円 | +119万円 |
| PHP(Laravel) | 65万円 | 58万円 | 585万円 | 487万円 | +98万円 |
出典: Heyday 2026Q1実案件成約データ(エンド直・1次請けのみ)。Heydayの年収は還元率75%×12ヶ月で算出。業界平均年収は還元率70%(業界平均水準)×12ヶ月で算出。
同じ「Java経験3〜5年」でも、Heydayと業界平均で年収差は102万円。 この差が生まれる理由は3つある。
- 商流の浅さ — エンド直・1次のみで案件を受注するため、中間マージンが発生しない
- 還元率の差 — 業界平均70%に対してHeydayは75%。同じ単価でも手取りが月3〜4万円多い
- 単価交渉の実施 — 契約更新時に必ず単価交渉を行い、「なんとなく更新」を排除している
経験年数別の年収モデル(1年目〜10年以上)
SESエンジニアのキャリアを年収の推移で見ると、構造によって大きく2つのパターンに分かれる。
パターンA: 単価連動型 × 浅い商流(年収が着実に伸びるケース)
| 経験年数 | 想定単価 | 年収(還元率75%) | 前年比 |
|---|
| 1年目 | 35〜45万円 | 315〜405万円 | ― |
| 2年目 | 45〜55万円 | 405〜495万円 | +90万円 |
| 3年目 | 55〜65万円 | 495〜585万円 | +90万円 |
| 5年目 | 65〜80万円 | 585〜720万円 | +135万円(2年分) |
| 7年目 | 75〜95万円 | 675〜855万円 | +135万円(2年分) |
| 10年目以上 | 85〜120万円 | 765〜1,080万円 | ― |
パターンB: 固定給型 × 深い商流(年収が頭打ちになるケース)
| 経験年数 | 想定単価 | 年収(固定給型・3次請け) | 前年比 |
|---|
| 1年目 | 35〜45万円 | 300〜350万円 | ― |
| 2年目 | 40〜50万円 | 310〜370万円 | +10〜20万円 |
| 3年目 | 45〜55万円 | 320〜390万円 | +10〜20万円 |
| 5年目 | 55〜65万円 | 350〜420万円 | +30万円(2年分) |
| 7年目 | 60〜70万円 | 370〜440万円 | +20万円(2年分) |
| 10年目以上 | 65〜80万円 | 400〜480万円 | ― |
10年目で比較すると、パターンAとパターンBの年収差は最大600万円。 同じ10年間働いてスキルも積み上がっているのに、所属企業の構造が違うだけでこれだけの差が生まれる。
経営者の見解: 「年収は構造で決まる。努力の方向を間違えると報われない」——これはIT業界12年、SES事業を6年経営してきた中で、最も強く実感していることだ。スキルアップは重要だが、その前提として「スキルが年収に反映される構造」にいるかどうかを確認してほしい。固定給型で3次請けの企業にいる限り、どれだけスキルを磨いても年収の天井は低いままだ。
商流別の年収差シミュレーション:1次請け vs 3次請けで年間200万円以上の差
商流の影響を、具体的な単価帯ごとにシミュレーションする。
単価60万円帯(経験3〜5年のJava/PHP)
| 商流 | SES企業の受取額 | エンジニア年収(還元率75%) | 1次との差 |
|---|
| 1次請け | 60万円 | 540万円 | ― |
| 2次請け | 53万円 | 477万円 | ▲63万円 |
| 3次請け | 47万円 | 423万円 | ▲117万円 |
単価80万円帯(経験5〜10年のGo/Python)
| 商流 | SES企業の受取額 | エンジニア年収(還元率75%) | 1次との差 |
|---|
| 1次請け | 80万円 | 720万円 | ― |
| 2次請け | 70万円 | 630万円 | ▲90万円 |
| 3次請け | 63万円 | 567万円 | ▲153万円 |
単価100万円帯(経験10年以上・アーキテクト/PM)
| 商流 | SES企業の受取額 | エンジニア年収(還元率75%) | 1次との差 |
|---|
| 1次請け | 100万円 | 900万円 | ― |
| 2次請け | 88万円 | 792万円 | ▲108万円 |
| 3次請け | 79万円 | 711万円 | ▲189万円 |
出典: Heyday 2026Q1実案件データに基づく中間マージン率(各層10〜12%)で算出。
単価100万円帯では、1次請けと3次請けの年収差は189万円。 単価が高いほど中間マージンの絶対額が大きくなるため、商流の影響がより顕著になる。
還元率別の手取り比較表
同じ単価でも、SES企業の還元率によって手取りは大きく変わる。以下は、主要な単価帯×還元率で手取りを比較した表だ。
月額手取りと年収の比較(賞与なし)
| 契約単価 | 還元率65% | 還元率70% | 還元率75% | 還元率80% | 65%と80%の年収差 |
|---|
| 50万円 | 月26万円 / 年390万円 | 月28万円 / 年420万円 | 月30万円 / 年450万円 | 月32万円 / 年480万円 | 90万円 |
| 60万円 | 月31万円 / 年468万円 | 月34万円 / 年504万円 | 月36万円 / 年540万円 | 月38万円 / 年576万円 | 108万円 |
| 70万円 | 月36万円 / 年546万円 | 月39万円 / 年588万円 | 月42万円 / 年630万円 | 月45万円 / 年672万円 | 126万円 |
| 80万円 | 月42万円 / 年624万円 | 月45万円 / 年672万円 | 月48万円 / 年720万円 | 月51万円 / 年768万円 | 144万円 |
| 100万円 | 月52万円 / 年780万円 | 月56万円 / 年840万円 | 月60万円 / 年900万円 | 月64万円 / 年960万円 | 180万円 |
算出方法: 額面 = 契約単価 × 還元率。手取り = 額面 × 0.80(社会保険料・税金の概算控除率)。年収 = 額面 × 12ヶ月。
単価80万円の場合、還元率65%と80%で年収差は144万円。 5年間積み重ねると720万円の差になる。還元率の確認は、転職や案件選択において単価と同等かそれ以上に重要な指標だ。
出典: 手取り概算は税金・社会保険料の一般的な控除率に基づく。個人の扶養状況・居住地域により変動あり。
SESエンジニアが年収を上げる3つの構造
年収を上げる方法を「構造」で整理すると、以下の3つに集約される。
構造1: 商流を浅くする
即効性: 最も高い。スキルを一切変えずに年収が上がる。
3次請けから1次請けに移るだけで、月額15〜25万円、年収にして180〜300万円の改善が見込める。これはスキルを変える必要がない。所属する企業を変えるか、案件の商流を営業担当に確認して浅い案件への移動を交渉するだけだ。
Heydayではエンド直・1次のみで案件を受注する方針を取っている。業界全体で見ると、3次請け以降の案件が4〜5割を占めると言われている。自分の案件が何次請けかを把握していないエンジニアは少なくないが、それは年収に直結する最重要情報だ。
構造2: 還元率が高い企業に移る
還元率65%→75%で年収は72〜120万円アップする。
還元率が65%の企業から75%の企業に移るだけで、単価60万円なら年72万円、単価100万円なら年120万円の改善になる。還元率は「企業の体質」であり、交渉で変えられる幅は限られている。
確認すべきポイント:
- 還元率の計算方法(額面のみか、社会保険料込みか)
- 受注単価基準かエンド単価基準か(「還元率80%」でも計算方法で実質が変わる)
- 固定給と変動給の比率(待機期間中の保証水準)
詳しく読む: SES還元率の正しい計算方法と「見せかけの高還元」を見抜く技術
構造3: スキルアップで単価そのものを上げる
時間はかかるが、年収の天井を引き上げる唯一の方法。
言語スキルに加えて、以下の「スキルプレミアム」を積み上げることで、単価に5〜20万円の上乗せが期待できる。
| スキル | 月額上乗せ | 年収換算の効果 | 備考 |
|---|
| AWS(SAA取得+実務) | +8〜15万円 | +72〜135万円 | 投資対効果が最も高い |
| GCP(Professional+実務) | +7〜12万円 | +63〜108万円 | データ基盤・BigQuery案件で評価 |
| 基本設計経験 | +7〜12万円 | +63〜108万円 | 「設計もできる実装者」は最も希少 |
| 要件定義経験 | +10〜15万円 | +90〜135万円 | ビジネス側と話せる技術者として評価 |
| PM/PL経験 | +15〜20万円 | +135〜180万円 | 技術×マネジメントの掛け合わせ |
| LLMアプリ開発経験 | +8〜20万円 | +72〜180万円 | 2026年も希少性が持続 |
出典: Heyday 2026Q1の実案件単価データにおけるスキルプレミアム実績。
最もコスパが高いのはAWS SAA取得だ。 学習時間100〜150時間、試験費用約1.5万円で、月+5〜10万円の単価上乗せが期待できる。投資回収期間は1ヶ月以内。ただし資格のみでは単価は上がらない。取得後にクラウド設計案件に入り、実務経験として積むことが前提だ。
フリーランスとの年収比較
SES正社員とフリーランスで、同じスキル・同じ単価帯でどれだけ手取りが変わるかをシミュレーションする。
単価70万円の場合
| 項目 | SES正社員(還元率75%) | フリーランス(エージェント手数料15%) |
|---|
| 月額受取 | 52.5万円(額面) | 59.5万円(売上) |
| 社会保険料 | 会社が半額負担 | 全額自己負担(約月6万円) |
| 実質月収 | 約42万円(手取り) | 約43万円(手取り) |
| 年収 | 630万円(額面) | 714万円(売上) |
| 実質年収(税・保険後) | 約504万円 | 約516万円 |
単価90万円の場合
| 項目 | SES正社員(還元率75%) | フリーランス(エージェント手数料15%) |
|---|
| 月額受取 | 67.5万円(額面) | 76.5万円(売上) |
| 社会保険料 | 会社が半額負担 | 全額自己負担(約月7万円) |
| 実質月収 | 約54万円(手取り) | 約57万円(手取り) |
| 年収 | 810万円(額面) | 918万円(売上) |
| 実質年収(税・保険後) | 約648万円 | 約684万円 |
単価70万円台ではほぼ差がなく、80万円以上からフリーランスの優位が明確になる。 ただし、フリーランスには以下のリスクがある。
- 案件の切れ目で収入がゼロになる(待機保証がない)
- 確定申告・経費管理の手間とコスト
- 有給休暇・健康診断などの福利厚生がない
- 住宅ローン・社会的信用の面で不利になる場合がある
経営者の見解: 経験5年以上・単価80万円以上が安定して見込めるスキルがあるなら、フリーランスへの移行は経済合理性がある。ただし「月の手取りが数万円上がる」程度の差であれば、安定性やキャリア支援の面でSES正社員のメリットも大きい。自分のリスク許容度で判断すべきだ。
詳しく読む: 「フリーランスのほうが稼げる」は本当か|実質手取り比較
年収が伸びない5つの典型パターン
パターン1:スキルは上がっているのに単価を知らない
最も多いパターンだ。自分の単価を知らないまま働いていると、単価交渉ができない。「今いくらで売られているか」を知ることが年収向上の第一歩だ。
確認方法:営業担当に「私の今の契約単価を教えてください」と聞く。これで教えてもらえない企業は、透明性に問題がある。
パターン2:同じ現場に3年以上いる
同じ現場で長く働くことはクライアントへの貢献として価値がある。しかしSES構造においては年収が上がりにくい。
同じ現場での単価更新は小幅になりやすい。さらに異なる技術スタック・業界への越境経験が積みにくく、市場単価の上昇が遅くなる。Heydayの事例では、同じ案件に3年以上いたJavaエンジニアが、案件変更後に月額12万円の単価アップを実現したケースがある。
パターン3:固定給型企業でランクアップ基準が不明確
「頑張れば上がります」という言葉の多くは、具体的な基準を持たない。ランクアップの条件が明文化されていない企業では、恣意的な判断が入りやすい。
パターン4:商流が深い(3次請け以降)
前述の通り、商流が3次・4次になると、自分のスキル価値に見合った単価で稼働できていない可能性が高い。商流の深さを確認していない状態は、年収の上限を意図せず低く設定させられているのと同義だ。
パターン5:待機期間中の損失を軽視している
案件と案件の間の待機期間は、給与が変わらなくても「市場での稼働実績」が止まる。待機保証が不十分な企業では実質的な収入ダウンになる。Heydayの稼働率は96%以上(2026Q1実績)で、待機期間の平均は2週間以内だ。
年収を上げる3つの実践アクション
アクション1:単価を知り、交渉する
ステップ1:自分の現在の単価を確認する
営業担当に「私の現在の契約単価はいくらですか」と聞く。答えてもらえない場合は、フリーランスエージェント(レバテック、Midworks等)のサービスで同スキルの単価相場を調べ、自分の推定単価を把握する。
ステップ2:市場相場と比較する
この記事の年収シミュレーション表やSES単価の相場一覧で、自分のスキル・経験年数に対応する市場単価を確認する。相場レンジの中央値を10万円以上下回っている場合は、商流・還元率・交渉不足のいずれかに問題がある。
ステップ3:案件更新前に交渉する
最も有効な交渉タイミングは「案件更新前」だ。交渉時は「自分の貢献実績」と「市場の単価水準」の2点を数字で示す。「頑張っているので上げてください」ではなく、「現在の市場単価は○○万円で、私のスキル構成は△△であるため、○○万円の単価が妥当です」という形が効果的だ。
アクション2:案件を変更して単価を上げる
現在の案件・現場の単価上限に到達している場合、案件変更が最速の年収アップ手段になる。
狙うべき3つのポイント:
- 商流を浅くする — 2次・3次請けの現場から1次・直請けへの移動で、同じスキルでも単価が10〜20万円上がるケースがある
- 技術スタックのアップグレード — 需要の高い技術(Go、Kubernetes、LLMアプリ開発等)のプロジェクトは同じ経験年数でも単価が高い
- 上流工程への参画 — 要件定義・PM経験があるエンジニアは、経験年数が同じでも単価が15〜25万円高い
Heydayの事例: PHPエンジニアが社内提案で小規模プロジェクトの要件定義を担当し、次の案件面談で提示したところ、単価が48万円から62万円に改善。年収換算で168万円の増加だ。
アクション3:会社を変える
スキルが上がっているのに年収が伸びない場合、会社の構造的な問題である可能性が高い。
会社変更が有効なケース:
- 単価を開示してもらえない、または開示後に交渉しても動かない
- 固定給型でランクアップの見通しが立たない
- 商流が2次請け以下で改善の意思が見えない
- 待機保証が不十分で、案件の隙間に収入リスクがある
会社を変える際はSES会社の選び方|後悔しないための7つのチェックポイントで解説している判断基準を参考にしてほしい。
SESで年収1,000万円は可能か
SES正社員で年収1,000万円を達成している人は存在する。ただし、構造的な前提条件がある。
必要条件:
- 月額単価120万円以上の案件に継続的に入れるスキル(アーキテクト・PM・専門コンサルタント等)
- 還元率が高い(70%以上)または単価連動型の給与設計
- 商流がエンド直〜1次請け
- 賞与・各種手当込みでの計算
計算で確認する:
- 単価120万円×還元率75%×12ヶ月 = 1,080万円 → 達成可能
- 単価100万円×還元率80%×12ヶ月 = 960万円 → 賞与込みでギリギリ達成
- 単価100万円×還元率65%×12ヶ月 = 780万円 → 未達
フリーランスであれば月額単価85〜90万円以上で年収1,000万円のラインに到達する(売上ベース。経費・保険を差し引いた実質手取りは800〜850万円程度)。
経営者の見解: SES正社員で年収1,000万円に到達するには、「単価120万円×高還元率×浅い商流」の3条件が揃う必要がある。20代後半から意識的にキャリアを設計し、上流工程やPM経験を積んでいくことが現実的なルートだ。
年収の上限を計算する方法
自分の年収の上限は、次の計算式で近似できる。
年収上限 = 契約単価(月額)× 還元率 × 12ヶ月 ×(1 + 賞与月数/12)
例: 単価70万円、還元率75%、賞与2ヶ月の場合
→ 70万 × 75% = 52.5万円(月額額面)
→ 52.5万 × 14ヶ月 = 735万円
これが現状の構造でアクセスできる年収の上限だ。上限を引き上げるには、以下の2つしか方法がない。
- 単価を上げる — スキルアップ・案件変更・商流改善
- 還元率が高い企業に移る — 企業の構造を変える
どちらを優先すべきかは、現在の単価水準と市場単価のギャップによる。単価が市場水準より大幅に低い場合は単価交渉・会社変更を優先する。単価が市場水準に近いなら、スキルアップで市場水準そのものを引き上げることに集中する。
まとめ:年収は「構造を選ぶ」ことで上がる
SESエンジニアの年収が伸びない原因は、能力不足ではなく構造にある。この記事で解説した主要ポイントをまとめる。
- 給与設計の差: 固定給型では単価が上がっても給与に反映されない。単価連動型を選ぶ
- 商流の差: 1次請けと3次請けで年収は200万円以上変わる。自分の商流を確認する
- 還元率の差: 還元率65%と80%で年収は100〜180万円変わる。還元率と計算方法を確認する
- 言語の差: Go・Pythonは同じ経験年数でもJava・PHPより年収が100万円以上高い
- スキルプレミアム: AWS資格×上流経験で年収は150〜300万円の上乗せが可能
年収を上げるための実践アクションは3つ——単価交渉・案件変更・会社変更だ。そのどれも、「自分の現在の単価」と「市場の単価水準」を知ることから始まる。
知らないまま働き続けることは、年収を構造的に低く固定することに同意していることと同義だ。
Heydayでは契約単価・マージン・商流をすべて開示しています
「自分の単価が適正か分からない」「もっといい条件の案件があるのでは」という方のご相談を受け付けている。
Heydayでは稼働前に契約単価を本人に開示し、マージン構造についても質問があればすべて回答している。
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よくある質問(FAQ)
Q. SESエンジニアの平均年収はどれくらいですか?
経験年数・言語・商流によって大きく異なりますが、SESエンジニア全体の平均年収は400〜500万円程度とされています。ただしこの数字には、商流が深い企業や固定給型の企業も含まれています。エンド直〜1次請けで単価連動型の企業に所属している場合、同じ経験年数でも550〜700万円程度になるケースが多いです(Heyday 2026Q1実績、経験3〜5年のデータ)。
Q. SES企業の給与は基本給と手当でどう分かれているのですか?
SES企業の多くは「基本給+各種手当」の構成を取っています。基本給は固定部分で待機期間中も支払われますが、単価連動手当や業績手当は稼働中のみ支払われる変動部分です。基本給が低く手当が高い設計の企業は、待機期間中の収入が大幅に下がります。企業を選ぶ際は「基本給がいくらで、手当がいくら」という内訳を必ず確認してください。
Q. SES企業に賞与はありますか?
SES企業によって大きく異なります。賞与なしの企業から、年2回・月給の2〜4ヶ月分を支給する企業まであります。注意点として、「賞与あり」と記載されていても、業績連動で支給額がゼロになるケースもあります。年収ベースで比較する際は、月給だけでなく「過去3年の賞与支給実績」を確認することが重要です。
Q. SES企業での昇給はどのように決まりますか?
企業の給与設計によって異なります。固定給型(ランク制)の企業では、ランクアップの条件(年次・資格・評価等)を満たさないと昇給が限られます。単価連動型の企業では、案件単価が上がれば自動的に給与も上がります。スキルアップが年収に直結するためには、単価連動型かつ単価を開示している企業を選ぶことが重要です。
Q. SESで年収を上げるために最も効果的な方法は何ですか?
即効性の順に並べると、以下の3つです。1つ目は商流を浅くすること(スキル不変で月額15〜25万円アップの可能性)。2つ目は還元率が高い企業への移籍(年間72〜120万円の改善)。3つ目はスキルアップによる単価引き上げ(AWS SAA取得で月+5〜10万円、上流工程経験で月+10〜15万円)。まず自分の商流と還元率を確認し、構造に問題があるなら1つ目・2つ目を優先するのが合理的です。
自分の市場単価を、まず知る
年収アップのアクションを取る前提として、今の自分のスキル・経験は市場でいくらの単価になるかを把握しておく必要がある。言語・経験年数・クラウド経験・上流経験をもとに、市場単価のレンジを3分で確認できる。
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