単価・市場データ23独自データあり

SES単価が上がる資格・上が
らない資格を経営者が正直に教える

小川将司
小川将司代表取締役

SES事業6年・年間数百件の案件単価を交渉してきた経営者が執筆

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この記事でわかること

  • 基本情報技術者(FE)は『必要条件化』が進んでいるが単価への直接影響はほぼゼロ。持っていないと不利、持っていても上がらない
  • AWS SAAは実務経験との組み合わせで+2〜5万円の交渉材料になる。ただし経験ゼロでは紙切れ
  • 即効性が最も高いのはAWS SAP・PMP・情報処理安全確保支援士の3つ

この記事の対象: SES単価を上げるために資格取得を検討しているエンジニア、次に何の資格を取るべきか迷っているエンジニア

「資格を取ったのに単価が上がらなかった」という相談を、毎月のように受ける。

SES事業を6年運営して、年間数百件の案件単価を実際に交渉してきた。資格を取ってきた多くのエンジニアを見てきた立場から言わせてほしい——資格の単価への影響は、資格の種類と経験年数の組み合わせによって、ゼロから+15万円まで文字通りバラバラだ。

Heydayで2026年Q1に扱った案件データを見ると、同じ「経験3年のインフラエンジニア」でも、持っている資格とその使い方で月単価が20万円以上変わっているケースがある。(Heyday 2026Q1データ)

この記事では、世の中に出回っている「資格を取れば単価が上がる」という話の何が本当で、何が誇張なのかを、SES企業の経営者として正直に書く。

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なぜ資格の効果に「嘘」が多いのか

SES案件の単価決定メカニズムを理解する

まず前提として、SES案件の単価がどう決まるかを確認しておく。

SES案件の単価を決める要素を重要度順に並べると、次のようになる(Heydayの案件交渉経験ベース):

  1. 商流の深さ(プライム・2次・3次)
  2. 実務経験の年数と中身
  3. 担当できる工程(要件定義・設計・開発・運用)
  4. 技術スタックの希少性
  5. 資格・認定

資格は5番目だ。1〜4の条件が整った上に乗っかる「上乗せ要因」に過ぎない。

これを知らずに「AWS SAAを取れば単価が上がる」と思って取得しても、現場が3次請けで実務1年未満であれば、単価交渉の席すら設けてもらえない。

「資格=即単価UP」という誤解が広まっている理由

この誤解が広まっているのには構造的な理由がある。

資格スクール・転職エージェント・求人メディアは、「資格を取れば単価が上がる」と書く方が集客できる。正直に「資格より実務経験が先」と書いても、読者は増えない。

また、「AWS SAAを取ったら月5万円上がった」という体験談は本当に存在する。ただそれは、経験3〜5年で実務実績もあり、資格が交渉材料として機能したという条件が揃っていたケースだ。

経験1年未満の人が同じことをしても、同じ結果は出ない。


単価への影響ほぼゼロの資格(でも取るべき理由がある)

基本情報技術者(FE):「ないと-5万円」のリスク

単価を「上げる」効果はほぼゼロだが、「持っていないと下がる」可能性がある資格がFEだ。

Heydayで扱う案件の実態(Heyday 2026Q1データ):

  • 金融・官公庁系の案件で「基本情報技術者以上」を必須条件にしているものが増えている
  • 未経験〜3年目のエンジニアで、FEなしの場合に案件紹介を断られるケースがある
  • 一方、「FE保有→+〇万円」という単価加算が発生した事例はほぼない

つまりFEは「持っていて当たり前」になりつつある。業界用語でいう「必要条件化」だ。

持っていないと入れない案件がある。持っていても単価は上がらない。このアンバランスが、FEの今の実態だ。

いつ取るべきか: IT業界未経験〜1年以内に取得するのが最も費用対効果が高い。経験5年以上の人が今更取っても、評価には影響しない。

ITパスポート:単価影響はゼロ

ITパスポートを評価する案件は、Heydayの取引先ではほぼ存在しない。

「持っていて害はない」が「単価に貢献する資格ではない」というのが正直なところだ。業務上の基礎知識を整理する目的で勉強することには意味があるが、キャリア資産としての価値は低い。

CCNA:インフラ系の「一昔前の基礎資格」

CCNAはシスコ社のネットワーク認定資格で、かつてはインフラエンジニアの登竜門として評価されていた。

現在のSES市場での評価は、以下のように変化している:

  • オンプレミス中心のインフラ案件では今も評価される
  • クラウドシフトが進んだ案件では「CCNAより AWS Networking Specialty(ANS)の方が評価される」
  • CCNA取得よりもAWS SAAの取得を優先した方が、現時点では単価への影響が大きい(推定)

古い設備・オンプレミスのネットワーク案件を専門にする予定なら取る価値はあるが、そうでなければ優先度は低い。


単価+2〜5万円の資格(費用対効果が高い)

AWS SAA(Solutions Architect - Associate):「実務経験があれば」が条件

AWS SAAはSES市場で最も認知度が高いクラウド資格だ。

Heydayで扱うAWS案件の実態を踏まえた評価(Heyday 2026Q1データ):

経験年数SAAありSAAなし
1〜2年55〜65万円53〜62万円+2万円程度(誤差範囲)
3〜5年65〜80万円62〜75万円+2〜5万円
5年以上75〜90万円73〜87万円ほぼ変わらない(SAAより経験が評価される段階)

SAAで単価が最も動きやすいのは経験3〜5年の層だ。このタイミングでSAAを持っていると、案件面談で「クラウドの設計思想を理解している」という根拠として機能する。

注意点: 2026年時点でSAAの取得者数は急増しており、以前ほどの希少性がない。SAA取得だけで大きな単価UPを期待するのは現実的ではない。

代表・小川より

SAAを取った直後に「単価が上がるはず」という前提で転職活動をするエンジニアを何人も見てきた。資格スクールや転職エージェントがその期待値を作ってしまっているケースが多い。

実際には、SAAは「インフラ設計の基礎知識がある」という証明にはなるが、「設計・構築の実績がある」という証明にはならない。採用担当は後者を求めている。資格の取得と並行して、今いる現場でAWSを積極的に使う機会を作ることが、より大切だ。

応用情報技術者:「間口が広がる」効果

応用情報技術者は、単価を直接上げるというより「案件の選択肢が増える」効果がある資格だ。

金融・官公庁・大企業のエンタープライズ系SES案件では、「応用情報技術者以上」を条件にするものが一定数ある。この条件をクリアすることで、参入できる案件の幅が広がる。

単価への影響(Heyday 2026Q1 推定):

  • 応用情報技術者を持っているだけで単価が上がる効果:+1〜3万円(限定的)
  • 応用情報技術者を持つことで入れる案件の単価帯が上がる効果:+5〜15万円(間接的)

つまり「資格が単価を上げる」というより「資格が上の案件への入口を開く」という構造だ。

いつ取るべきか: 経験3〜5年のタイミング。それ以前は実務経験の蓄積を優先した方が費用対効果が高い。

AZ-104(Azure Administrator):Azure案件限定の威力

AZ-104はMicrosoft Azureの管理者向け認定資格だ。

Azure案件に限定した場合の評価は高い。Microsoft 365・Dynamics 365・Entra ID(旧Azure AD)との連携を求める大企業・エンタープライズ系の案件で、AZ-104保有者への需要が高い。

単価への影響(推定):

  • Azure案件でAZ-104保有:+3〜8万円の上乗せ要因になるケースがある
  • 非Azure案件ではほぼ評価されない

AWS SAAと異なり、取得者数が少ないため希少性が保たれている。Azureに特化したキャリアを考えるなら、SES市場での費用対効果は高い資格だ。


単価+5〜15万円の資格(取る価値が高い)

このカテゴリに入る資格は3つある。AWS SAP、情報処理安全確保支援士(RISS)、PMPだ。共通点は「希少性が保たれている」「上位工程への参入切符になる」という点だ。

AWS SAP(Solutions Architect - Professional):希少性が価値を保つ

SAPはSAAの上位資格で、難易度が大幅に上がる。マルチアカウント設計、組織レベルのセキュリティ、Well-Architectedフレームワークの深い理解が求められる。

単価への影響(Heyday 2026Q1データ):

  • 経験3〜5年 + SAP:月額75〜85万円(SAAのみ比で+5〜10万円)
  • 経験5年以上 + SAP:月額85〜100万円(大規模マルチアカウント案件のPL・アーキテクトポジション)

SAAが「必要条件化」しつつあるのに対し、SAPは「取得者が少ないから希少性が保たれている」。難しいから差別化になる、という構造だ。

いつ取るべきか: 経験3〜5年、AWS実務経験が2年以上になってから。それ以前に取っても、実務で活用できる環境がなければ価値が薄れる。

情報処理安全確保支援士(RISS):セキュリティ案件で需要爆発

情報処理安全確保支援士(通称:セキスペ・RISS)は、IPAが認定するセキュリティ専門家の国家資格だ。

2024〜2026年にかけて、サイバーセキュリティへの社会的関心が急上昇し、セキュリティエンジニアへの需要が構造的に増えている。Heydayに来る案件の問い合わせでも、「セキスペ保有者優遇」という条件が増えている(Heyday 2026Q1データ)。

単価への影響(推定):

  • セキュリティ専門案件:月額70〜95万円(実務経験3年以上前提)
  • 金融・官公庁のセキュリティ要件が高い案件:RISSを持つだけで案件入りの優先度が上がる
  • セキュリティ設計・ポリシー策定の上流工程:月額85〜110万円も視野に入る

維持コストに注意: RISSは有効な状態を維持するために3年ごとの更新講習(費用が発生)が必要だ。取得後のランニングコストも含めて検討すること。

いつ取るべきか: 経験5年以上、セキュリティ領域に特化するキャリアを選択したタイミング。セキュリティに特化する意思がないなら、取得コストに見合わない可能性がある。

PMP(Project Management Professional):PM/PMO案件への参入切符

PMPはPMI(米国プロジェクトマネジメント協会)が認定する国際資格で、プロジェクトマネジメントの専門性を証明する。

SES市場において、PM・PMO案件は技術案件と比べて以下の特徴がある:

  • 単価帯が高め(月額65〜90万円が中心)
  • 技術スキルより調整力・コミュニケーション能力が重視される
  • PMPを持つことで「プロジェクト管理の国際標準を理解している」という証明になる

単価への影響(Heyday 2026Q1データ):

  • PMO案件でPMP保有:月額70〜90万円(未保有より+5〜15万円の案件が選択肢に入る)
  • 大規模プロジェクトのPM:PMP保有が必須条件になっているものがある

PMPは受験要件が厳しい(35時間のプロジェクトマネジメント教育、5,000時間のPM業務経験など)。このため取得者数が少なく、希少性が保たれている。

いつ取るべきか: 経験5年以上、PM・PMO方向でキャリアを作りたいと決めたタイミング。技術専門職としてのキャリアを続けるなら、PMPより技術系資格の優先度が高い。

代表・小川より

RISSとPMPは、取得すれば確かに案件の幅が広がるが、「その方向にキャリアを作る覚悟」が前提だ。

RISSを取ってセキュリティ専門に移行するのか、PMPを取ってPM方向に進むのか——どちらの場合も、資格取得前にキャリアの方向性を決めることが重要だ。「なんとなく価値が高そう」で取っても、その方向の案件を積極的に取らなければ、単価への影響は限定的になる。

Heydayでは「次のキャリアをどこに向けるか」の相談から受けている。資格の取得タイミングも含めて、キャリア設計の相談をしてほしい。

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資格より効果が高いもの【経営者の本音】

ここが、レバテックや他のメディアが書かない部分だ。

Heydayで年間数百件の単価交渉をしてきた経験から言うと、以下の要素は資格よりも確実に単価に効く。

1. 上流工程の経験(要件定義・設計)

「基本設計・詳細設計の経験あり」というだけで、同じ経験年数でも月10〜20万円単価が変わるケースがある(Heyday 2026Q1データ)。

上流工程の経験は、エンジニアの市場評価に最も強く影響する要素のひとつだ。理由は、上流工程ができる人材の絶対数が少なく、多くの案件でニーズがあるから。

資格を取る時間があるなら、今いる現場で「要件定義のドキュメントを書かせてほしい」と手を挙げる方が、中長期で見て単価上昇の効果が大きいことが多い。

2. 商流の改善(3次→2次→プライム)

商流は単価の構造的な制限になる。

例えば、月額75万円の案件でも、商流が「元請→1次→2次(Heyday)→エンジニア」という4層構造だと、エンジニアへの単価は55万円になる。

同じスキルで商流が「元請→1次(Heyday)→エンジニア」という構造になれば、単価は65〜70万円になる。この差は資格では埋められない。

商流改善のために今すぐできること:

  • 今いるSES会社がプライムや1次請けの案件を持っているかを確認する
  • プライム比率が高い会社に移ることを検討する
  • Heydayのような商流を開示している会社を選ぶ

SES商流・マージンの実態を解説した記事 →

3. クラウド実務経験(資格より実績)

「AWS SAAを持っている」より「ECS/Fargateで本番環境を構築した実績がある」の方が、案件面談での評価が高い。

Heydayで担当した案件でも、「資格なし・実務経験3年・クラウド設計実績あり」と「SAA保有・実務経験3年・クラウドは基本運用のみ」を比較すると、前者の方が高単価案件に入りやすいことが多かった(Heyday 2026Q1データ)。

4. 具体的な実績の言語化

「AWSを使っていました」ではなく「ECSクラスター上のマイクロサービスをTerraformで管理し、デプロイ時間を50%短縮した」という形で語れる実績があること。

これが最も強い単価交渉材料になる。資格は、実績を補強する証明書に過ぎない。


Heydayが見てきた実例:資格取得後の単価変化

事例A:AWS SAA取得で月50万→55万円(経験3年・インフラエンジニア)

Aさん(30代・インフラエンジニア・経験3年)は、AWS案件の運用経験が2年あった状態でSAAを取得した。

取得後の単価交渉では、「AWSの設計思想を体系的に理解している」という根拠としてSAAを提示。これが案件面談での評価を後押しし、次の案件で月額55万円(前案件比+5万円)での契約が成立した。

Heydayの観察ポイント:Aさんは「SAA取得」だけでなく「現場でEC2・RDS・VPCの設計補助の実績がある」という経験と組み合わせた。資格単体ではなく、実績+資格のセットが機能したケースだ。(Heyday 2026Q1データ)

事例B:PMP取得でPMO案件に参入、月65万→80万円(経験7年)

Bさん(40代・SE・経験7年)は、開発PL経験が3年あった状態でPMPを取得。PMO案件への参入を目指した。

PMP取得後、大手SIerの子会社からの案件(PMO支援)にアサイン。月額80万円での契約が成立した。前案件(開発PLとして65万円)から+15万円の改善。

Heydayの観察ポイント:Bさんはすでに「PL経験3年」という実務実績があり、PMPはその実績を国際標準で証明する手段として機能した。資格が先ではなく、経験が先だった。(Heyday 2026Q1データ)

事例C:FEを取得しても単価変化なし(経験1年・20代エンジニア)

Cさん(20代・開発エンジニア・経験1年)は、スキルアップのためにFEを取得した。

取得前後で、担当する案件や単価に変化はなかった。FEの保有が案件の必要条件になるほどの規模の案件にも、この時点ではアサインされていなかった。

Heydayのコメント:FEの取得自体は意味がある。ただし「単価が上がるため」に取っても、経験1年の段階では効果は出にくい。FEは「次の段階への土台」と捉える方が実態に近い。(Heyday 2026Q1データ)


キャリアステージ別・次に取るべき資格ロードマップ

経験1〜3年:土台を固める段階

この段階での優先順位:

  1. FEを持っていないなら取得する(コスト低・必要条件化への対応)
  2. AWS CLF → SAA の順で取得(クラウドへの理解を証明する)
  3. 資格より実務:今の現場でどれだけ経験の幅を広げられるかが重要

避けるべき: SAP・PMP・RISSは経験が伴わないと費用対効果が低い。

経験3〜5年:差別化を狙う段階

この段階での優先順位:

  1. AWS SAA(未取得なら)→ キャリアの方向性に応じて下記を選択
  2. インフラ・クラウド方向: AWS SAP または AZ-104(Azure特化なら)
  3. セキュリティ方向: 情報処理安全確保支援士(RISS)
  4. PM・マネジメント方向: 応用情報技術者 → PMP(経験5年以降)

この段階から「どの方向に特化するか」を決めることが、資格投資の費用対効果を最大化する。

経験5年以上:上位工程への参入

この段階での優先順位:

  1. クラウド・インフラ方向: AWS SAP(未取得なら)
  2. セキュリティ方向: RISS(未取得なら)
  3. PM・PMO方向: PMP(未取得なら)
  4. 資格より商流改善・上流工程参入を優先する

経験5年以上になると、資格より「どの商流に入るか」「どの工程を担当できるか」の方が単価への影響が大きくなる。資格は補完的な役割になる段階だ。


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よくある質問(FAQ)

Q1. 資格だけで単価は上がりますか?

A. 資格だけで単価が上がることは、ほぼない。

SES案件の単価を決めるのは、実務経験・担当工程・商流・技術スタックの希少性の順番で、資格はその後だ。資格は実務経験を「証明する手段」として機能するが、実務経験のない資格は単価交渉の材料にならない。

「資格を取ったのに単価が上がらなかった」という相談の大半は、この構造を知らずに資格だけを取ってしまったケースだ。

Q2. 未経験でAWS SAAを取ることに意味はありますか?

A. 単価への直接影響はほぼゼロだが、「入門レベルのAWS案件への入口を開く」という意味では価値がある。

ただし、SAA取得と並行して「個人でVPC・EC2・RDSを使った環境を構築する」「AWS無料枠でポートフォリオを作る」という実績を作らないと、案件面談で評価されにくい。資格+実績のセットで価値が出る。

Q3. 基本情報技術者(FE)は取った方がいいですか?

A. IT業界1〜3年目であれば、取っておいた方が安全だ。

理由は「ないと入れない案件が一定数ある」から。単価上昇の効果は期待しない方がいいが、案件の選択肢を狭めないためのリスクヘッジとして取得する価値はある。

5年以上のベテランが今から取っても、キャリア上の効果はほぼない。

Q4. 複数の資格を取るのと実務経験を積むのはどちらが優先ですか?

A. 実務経験が圧倒的に優先される。

例えば、SAA・応用情報・FEを全部持っているが実務経験が2年のエンジニアと、実務経験5年で資格なしのエンジニアを比べると、SES市場では後者の方が高単価案件に入りやすいことが多い。(推定)

資格取得の時間を、今いる現場で上流工程に関わる機会を作ることに使う方が、多くの場合で費用対効果が高い。

Q5. 資格手当のある会社を選ぶべきですか?

A. 資格手当の有無よりも、商流・案件の質・マージン率を優先して会社を選ぶ方が、収入への影響が大きい。

例えば、資格手当が月1万円ある会社でも、マージン率が高くて商流が3次請けであれば、資格手当なしで商流が良い会社より収入が低くなることがある。

資格手当は「あった方がいい」ものだが、それを理由に会社を選ぶのは本末転倒だ。

SES企業の選び方を解説した記事 →

Q6. AWS SAPとAWS SAAはどちらを先に取るべきですか?

A. 必ずSAAが先だ。

SAPはSAAの知識を前提とした上位資格で、SAAなしでの受験は現実的ではない。SAA取得→実務で経験を積む→SAP取得という順番が唯一の正解だ。

目安として、SAAは経験2〜3年で取得、SAPは経験4〜5年で目指すのが現実的なラインだ。

Q7. 情報処理安全確保支援士の維持費はいくらかかりますか?

A. 3年ごとの更新講習が必要で、オンライン講習(毎年・無料)と集合講習(3年ごと・約2万円)の2種類がある。

資格の維持に年間1〜2万円程度のコストがかかることを考慮した上で、セキュリティ方向にキャリアを特化する覚悟がある人だけが取得する資格だ。「なんとなく価値が高そう」という理由では、コストに見合わない可能性がある。

Q8. PMP取得に必要な条件は何ですか?

A. 主な受験要件は以下の通りだ:

  • 4年制大学卒業以上:36ヶ月以上のプロジェクトマネジメント経験
  • 高校卒業・短大卒業:60ヶ月以上のプロジェクトマネジメント経験
  • 35時間以上のプロジェクトマネジメント教育の修了

実務経験の要件が厳しいため、取得者数が少なく、資格の希少性が保たれている。経験5年以上でPM・PMO方向に進む人向けの資格だ。

Q9. 資格取得にかかる費用と時間の目安を教えてください。

A. 主要資格の目安:

資格受験料学習時間目安年間単価効果(推定)
FE約7,500円50〜150時間直接効果はほぼなし
AWS SAA約15,000円100〜200時間+24〜60万円/年(実務経験3年以上前提)
AWS SAP約30,000円200〜400時間+60〜120万円/年(経験3年以上前提)
応用情報約7,500円200〜400時間間接的な案件拡大効果
RISS約20,000円400〜600時間セキュリティ案件で+60万円/年以上も(推定)
PMP約55,000円(PMI会員の場合)100〜150時間(実務要件別)PMO案件で+60〜180万円/年(推定)

Q10. Heydayでは資格を評価してもらえますか?

A. 資格は評価するが、それが単価決定の主要因にはならない。

Heydayでは契約単価を全エンジニアに開示しており、実務経験・担当工程・商流も含めた総合的な条件から単価を提示している。「資格があるから単価を上げてほしい」という単純な話ではなく、「資格と実務経験を組み合わせて、どんな案件に入れるか」という視点で一緒に考えている。

自分の市場単価がどの程度か、まず診断ツールで確認してみてほしい。

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まとめ

資格と単価の関係を整理した。

影響ほぼゼロ(でも必要条件): FE・ITパスポート +2〜5万円の効果: AWS SAA(経験3年以上前提)・応用情報(間接効果)・AZ-104(Azure限定) +5〜15万円の効果: AWS SAP・情報処理安全確保支援士・PMP

そして、どの資格よりも効果が高いものがある:

  • 上流工程(要件定義・設計)の経験
  • 商流の改善(3次→2次→プライム)
  • 具体的な実績の言語化

資格は「実務経験を証明する手段」だ。実務が先で、資格が後。この順番が崩れると、資格取得のコストと時間が無駄になる。

自分の今の市場単価がどの程度で、どのスキル・資格が最も効果的かを知りたい場合は、Heydayの診断ツールを使ってほしい。実務経験・スキルセット・希望働き方を入力すると、単価レンジとキャリアアドバイスが出てくる。

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この記事の著者

小川将司
小川将司

Heyday株式会社 代表取締役

SES事業6年・年間数百件の案件単価を交渉してきた経営者が執筆

Heyday株式会社 代表取締役。エンジニア・PM/PdMを経験後、SES事業を創業。複数クライアント現場でAI導入コンサルティングを担当。「ITをもっとフェアに」を掲げ、マージン構造の開示に取り組む。

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