単価・市場データ19

Swiftエンジニアの
SES単価相場

小川将司
小川将司代表取締役

IT業界12年・SES事業6年・iOS案件を創業以来継続的に扱う経営者が2026年の市場データで執筆

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この記事でわかること

  • Swift案件は『iOSアプリ開発90%+』『SwiftUI移行案件』『Vapor』の3用途に分かれ、単価の伸びしろが異なる
  • 経験年数別レンジはSES正社員40〜85万円/フリーランス58〜110万円で、8年目以降にアーキテクト帯へ伸びる
  • 単価差を生む4要因はSwiftUI対応・医療/金融/ヘルスケア業種・上流工程経験・Android併用
  • 同じ経験5年でもUIKitのみとSwiftUI+医療系+基本設計で月15〜25万円差がつくためスキル構成が年数より重い

この記事の対象: 単価が数年頭打ちになっているiOS/Swiftエンジニア、SwiftUI移行期にキャリア判断をしたい経験3年以上の層

「iOS案件をずっとやってきたのに、単価がここ2〜3年で全然上がっていない。」

Swiftエンジニアからこういう相談を受けることがある。

実は、iOSエンジニアの市場は供給不足が続いており、構造的に単価が維持されやすい。しかし「どのスキルを持っているか」によって、同じSwift経験5年でも月70万円と月95万円に分かれることが普通に起きる。

差を生む要因は4つだ。

  1. SwiftUIに対応しているか、UIKitのみか
  2. 医療・金融・ヘルスケアといった高単価業種の経験があるか
  3. 上流工程(設計・要件定義)の経験があるか
  4. Androidとの組み合わせ経験があるか

Heydayでは創業以来、iOS案件を継続的に扱っている。この記事では、その現場データをもとに2026年現在のSwiftエンジニアの単価相場を整理する。自分の単価が適正かどうかを判断する基準として使ってほしい。

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Swiftの需要構造:3つの用途

Swift案件は大きく3つの領域に分かれる。それぞれ市場規模と単価の傾向が異なる。

1. iOSアプリ開発(最大の需要領域・90%以上)

Swiftの用途として圧倒的に多いのがiOSアプリ開発だ。2024〜2026年にかけてSwiftUIの採用が急速に進み、新規開発案件の多くがSwiftUIベースになっている。

需要の特徴:

  • 金融・医療・ヘルスケア・EC・HR・メディア系で安定した需要
  • UIKit(旧来のUIフレームワーク)からSwiftUIへの移行案件が増加
  • アーキテクチャ設計(Clean Architecture / MVVM / MVI)ができるエンジニアの不足
  • Apple Watchアプリ・App Clips・WidgetKitへの対応需要も増加

2. SwiftUI(宣言的UIフレームワーク)

SwiftUIはAppleが2019年に発表した宣言的UIフレームワークで、iOS・macOS・watchOS・tvOSを横断して開発できる。

2026年現在、新規iOS開発案件の60〜70%がSwiftUIを採用しており、SwiftUIができるエンジニアへの需要は急増している。UIKitのみのエンジニアは対応できる案件が徐々に絞られてきている。

3. サーバーサイドSwift(Vapor)

VaporはSwiftで書けるWebフレームワークで、iOS開発者がバックエンドも担当できる点が特徴だ。案件数はまだ少ないが、Apple Platform中心のスタートアップや自社開発企業での採用が出てきている。

Vapor案件はiOS+バックエンドの両方を一人のエンジニアが担当するケースが多く、希少性から単価プレミアムがつく傾向がある。


Swiftエンジニアの単価相場(経験年数別)

以下はエンド直または1次請け案件における実勢レンジだ。 多重下請け構造(3次・4次請け)では、これより15〜25%低くなるケースが多い。

経験年数正社員SES(月額)フリーランス(月額)年収換算(SES正社員目安)市場での立ち位置
1年未満32〜42万円48〜60万円384〜504万円iOS基礎・UIKit習得段階
1〜3年40〜52万円58〜70万円480〜624万円単体機能の実装が一人でできる
3〜5年50〜62万円68〜82万円600〜744万円SwiftUI対応・アーキテクチャ設計
5〜8年60〜75万円80〜95万円720〜900万円テックリード・医療・金融系対応
8年以上70〜85万円90〜110万円840〜1,020万円上流工程・アーキテクト案件

重要な前提: 同じ「経験5年」でも、UIKitのみのエンジニアとSwiftUI + 医療系経験 + 基本設計経験を持つエンジニアでは単価が月15〜25万円変わることがある。年数はあくまでひとつの指標に過ぎない。


技術スタック別の単価差(2026年現在)

SwiftにおけるUIフレームワークと技術スタックの違いが単価に直結する。

技術スタック単価レンジ(経験3〜5年)市場トレンド特徴
SwiftUI(設計・アーキテクチャ)65〜82万円急拡大宣言的UIの習得が単価の分水嶺
SwiftUI(基礎実装)58〜70万円拡大中新規案件で需要急増
UIKit(モダンな実装)55〜68万円横ばい保守・リファクタリング案件
UIKit(レガシー)48〜60万円縮小中Objective-C混在案件が中心
Vapor(サーバーサイド)65〜85万円拡大中希少性が高く単価プレミアム
Objective-C(保守専任)45〜62万円縮小中レガシー保守案件。需要は限定的

SwiftUIがなぜ単価の分水嶺になるか

SwiftUIは書き方がUIKitと根本的に異なる。宣言的UIの概念・StateとBinding・Combineによるリアクティブプログラミングなど、UIKitの知識をそのまま転用できない部分が多い。

その学習コストの高さと、新規案件での採用率が急増していることのギャップが、SwiftUIスキルへの需要を押し上げている。2026年現在、UIKitのみのエンジニアはSwiftUI対応案件に入れない状況が増えており、同じSwift経験年数でも評価が分かれている。

Objective-Cレガシー案件の現状

「Objective-Cはもう終わり」と思っているエンジニアが多いが、金融・公共系の大規模iOSアプリではObjective-Cが現役で動いているシステムがある。

Objective-C専任では単価上昇の余地が小さいが、Swift/SwiftUIと組み合わせてレガシーシステムのリファクタリングができるエンジニアは、移行プロジェクト案件で重宝される。移行経験があると月3〜8万円のプレミアムがつくケースがある。


業種別の単価プレミアム

Swiftは特定の業種で単価が高くなる傾向が強い。

業種単価の傾向主な理由
医療・ヘルスケア+10〜20万円HealthKit・ARKit対応・規制(薬機法等)への理解が必要
金融(銀行・証券・決済)+8〜18万円セキュリティ要件・生体認証・暗号化実装の高品質要件
ECプラットフォーム+5〜12万円高トラフィック・決済連携・パフォーマンス最適化
ゲーム(SpriteKit/ARKit)+5〜15万円専門性が高く競合エンジニアが少ない
一般業務・BtoB標準〜+5万円案件数は多いが単価は中程度

医療・ヘルスケア系の単価が高い理由は、HealthKitとの連携・プライバシー規制への対応・承認申請を意識したコード品質など、一般的なiOSアプリには不要な専門知識が求められるからだ。

一度この領域の案件を経験すると、医療系の経験として次の案件でも評価されやすく、単価交渉で優位に立てる。

私が経営するHeydayでの実例を挙げると、SwiftUI + HealthKit連携 + 基本設計経験の組み合わせを持つ経験5年のエンジニアは、同じ経験年数でUIKitのみのエンジニアより月15〜20万円高い単価で案件が決まることが多い。


上流工程・クラウド経験による単価プレミアム

Swiftの基本単価に上乗せされるスキルの効果を示す。

上流工程経験

上流工程の経験月額への影響備考
テスト設計・XCTest+2〜5万円テスタブルなコード設計の評価
詳細設計+3〜8万円設計書作成・レビュー経験
基本設計+6〜12万円アーキテクチャ選定・システム設計力
要件定義+8〜15万円ビジネス要件の理解と整理
PM / テックリード+12〜20万円チーム全体の技術判断を担う

クラウド・バックエンド経験

スキルの組み合わせ月額への影響備考
iOS + Firebase+3〜8万円モバイルバックエンドとして親和性が高い
iOS + AWS(Amplify/API Gateway)+5〜12万円エンタープライズ系iOSで需要がある
iOS + バックエンド(Vapor/Node)+6〜15万円フルスタックに近い評価
iOS + Android(Kotlin基礎)+5〜10万円クロスプラットフォーム対応の幅が広がる

スキルは単独より掛け算で評価される。SwiftUI + 医療系経験 + AWS連携の組み合わせを持つエンジニアは、Androidとのクロス対応も加われば月90〜110万円のフリーランス単価が射程圏内になる。

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iOSエンジニア市場の供給不足と単価維持の構造

「iOSエンジニアは供給不足」という話を聞いたことがあるかもしれない。これは事実だ。

なぜ供給不足が続くのか

1. macOSが必須という参入障壁

iOS開発にはXcodeが必要で、XcodeはmacOSでしか動かない。WindowsやLinuxで開発できるWeb・バックエンドエンジニアと比べて、開発環境の初期投資が高い。これが参入障壁として機能し、エンジニアの絶対数が少ない。

2. Swift + SwiftUIの学習コスト

SwiftはPythonやJavaScriptと比べて文法の独自性が高く、初学者が選びにくい。SwiftUIの習得には宣言的UIの概念理解が必要で、Web系のエンジニアが横から入りにくい。

3. AppleのAI戦略による新需要

2024〜2026年のApple Intelligenceの展開により、機械学習・Core ML・Vision Frameworkを使ったiOSアプリ開発の需要が増えた。AI機能を組み込めるSwiftエンジニアはさらに希少で、単価の天井が上がっている。

この構造的な供給不足により、Swiftエンジニアの単価は他の言語と比べて維持されやすい市場になっている。


SwiftUIへの移行トレンドと単価への影響

SwiftUIは2019年のリリース以来、急速に普及した。2026年現在の状況を整理する。

スキル単価への影響(経験3〜5年基準)
UIKitのみ標準(50〜62万円)
SwiftUI(基礎・View実装)+3〜6万円
SwiftUI(MVVM・Combine)+5〜10万円
SwiftUI(Clean Architecture・設計)+8〜15万円
SwiftUI + UIKit移行経験+5〜12万円(移行プロジェクトで重宝)

SwiftUIへの移行によって単価に+5〜8万円の影響が出るというのは平均値に近い。特に、SwiftUIでのアーキテクチャ設計ができるエンジニアと、ただViewを書けるだけのエンジニアでは評価が大きく違う。

Combine(リアクティブプログラミングフレームワーク)との組み合わせ、async/awaitによる非同期処理の理解が、2026年の高単価SwiftUI案件では標準的に求められている。


Android(Kotlin)との組み合わせ経験の価値

「iOSとAndroid、両方できます」というSwiftエンジニアは市場でどう評価されるか。

結論から言うと、月5〜10万円のプレミアムがつくケースが多い。特に以下の状況で評価が高い。

1. スタートアップでのフルスタック的な動き方

モバイルチームが小さい企業では、iOS専任・Android専任に分けるより、両方扱えるエンジニアをひとり雇う方がコスト効率が良い。この需要に応えられるエンジニアへの評価は高い。

2. Kotlin Multiplatform Mobile(KMM)案件

KMMはiOS/Androidのビジネスロジックを共有する技術で、SwiftとKotlinの両方の知識が必要になる。KMM案件に入れるiOSエンジニアは希少で、単価プレミアムが月8〜15万円つくことがある。

3. 技術選定・比較のできるエンジニア

両プラットフォームを知っていると、「iOSとAndroidで共通化できる部分・できない部分」の判断ができる。これは設計フェーズで評価が高い。


単価を上げる具体的なアクション

アクション1: SwiftUIへの移行

UIKitのみの場合、まずSwiftUIで個人プロジェクトを作りGitHubに公開する。 SwiftUI + MVVM + Combine(またはasync/await)のサンプルアプリがあると、面談評価が大きく変わる。SwiftUIへの移行後3〜6ヶ月で単価に反映されることが多い。

アクション2: 医療・ヘルスケア案件への挑戦

医療系案件は「難しそう」というイメージから避けるエンジニアが多い。しかし技術的な難易度は一般アプリと大きく変わらない。HealthKit・ARKit・Core MLの基礎を身につけ、医療系案件に積極的に挑戦することが、単価を一段引き上げる最短ルートのひとつだ。

アクション3: アーキテクチャ設計の習得

Clean Architecture・MVVM・TCA(The Composable Architecture)などの設計パターンの理解と実装経験が、テックリード案件への扉を開く。 GitHub上にアーキテクチャを意識したコードを公開しておくことが、面談時の評価につながる。

アクション4: 現在の単価と商流を確認する

SES企業に自分の契約単価を確認する。開示拒否するSES企業は要注意だ。 Heydayでは契約単価を必ずエンジニア本人に開示している。 また、何次請けで稼働しているかを確認することも重要だ。3次・4次請けでは技術力に関わらず単価の上限が下がる。商流を浅くするだけで月5〜12万円単価が上がることがある。

アクション5: フリーランス転身のタイミングを見極める

経験5年・SwiftUI対応済み・医療または金融経験ありという条件が揃ったタイミングがフリーランス転身の目安だ。この条件でフリーランスになると、月80〜95万円のレンジが現実的になる。転身前に複数のエージェントで市場価値を確認することが重要だ。

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この記事の内容を、実際に経験した人の話で確かめてほしい。


まとめ

Swiftエンジニアの単価は以下の掛け算で決まる。

単価 = 経験年数 × UIフレームワークの現代性(SwiftUI対応) × 業種の専門性(医療・金融) × 上流工程経験 × 商流の浅さ

いまUIKitのみで「単価が上がらない」と感じているなら、SwiftUIへの移行と業種の見直しが最短ルートになる。逆に、すでにSwiftUI経験があるなら、医療・金融系案件へのシフトかアーキテクチャ設計の深化が次の単価アップに直結する。

自分の現在の市場価値が具体的な数字でわかる診断ツールを用意している。スキルを入力すると2〜3分で単価レンジが出るので、まず自分の現在地を確認してほしい。

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よくある質問

Q. SwiftエンジニアがSwiftUIを習得すると単価はどのくらい変わりますか?

A. UIKitのみからSwiftUIに移行すると、同じ経験年数でも月5〜8万円単価が上がるケースが多い。特に経験3〜5年のエンジニアで、UIKitのみ月52〜62万円のところ、SwiftUI+アーキテクチャ設計経験があれば月65〜78万円に届くことがある。SwiftUI + MVVM + Combineの組み合わせが2026年の標準的なスキルセットになっている。

Q. 医療・ヘルスケア系のiOS案件に入るには何が必要ですか?

A. まずHealthKitの基礎実装経験があることが最低条件だ。加えて、プライバシー規制への意識(個人情報保護・薬機法の基礎知識)と、コードの品質管理(テスト設計・コードレビュー経験)が評価される。技術的な難易度は一般アプリと大きく変わらないため、HealthKitを使ったサンプルプロジェクトを作成してGitHubに公開しておくことが第一歩になる。

Q. SES業界でSwift案件はまだ需要がありますか?

A. 2026年現在も安定した需要がある。iPhoneのユーザーシェアは日本国内で約65〜70%を維持しており、消費者向けアプリのiOS対応は必須だ。AI機能(Core ML・Vision Framework)の組み込み需要も増えており、SwiftUIとAI機能の両方に対応できるエンジニアへの需要は拡大している。Androidと比べてエンジニアの供給が少ないため、Pythonや JavaScriptと比べると単価が維持されやすい市場構造になっている。

Q. Swiftエンジニアがフリーランスになるタイミングの目安は?

A. 経験5年・SwiftUI対応済み・何らかの業種専門性(医療・金融・EC等)があるタイミングが目安だ。この条件でフリーランスに転身すると、月80〜95万円のレンジが現実的になる。フリーランスになる前に、複数のエージェントで市場価値を確認し、エンド直・1次請けの案件を持っているかを確認することが重要だ。

Q. SES会社を変えるだけでSwiftエンジニアの単価は上がりますか?

A. 会社のマージン率と商流の深さ次第で上がることがある。同じスキルでもエンド直・1次請け中心のSES会社に移るだけで月5〜12万円改善するケースはある。移籍を検討する際は、マージン率を開示してくれる透明性の高い会社かどうかを確認することが重要だ。


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まとめ

Swiftエンジニアの単価はiOS市場の供給不足に支えられて構造的に維持されているが、UIKit止まりのまま経験年数を重ねても天井に当たる。SwiftUI・高単価業種・上流経験の掛け合わせを意識して案件を選べば、フリーランス転向後に月90万円超も現実的な射程に入る。

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この記事の著者

小川将司
小川将司

Heyday株式会社 代表取締役

IT業界12年・SES事業6年・iOS案件を創業以来継続的に扱う経営者が2026年の市場データで執筆

Heyday株式会社 代表取締役。エンジニア・PM/PdMを経験後、SES事業を創業。複数クライアント現場でAI導入コンサルティングを担当。「ITをもっとフェアに」を掲げ、マージン構造の開示に取り組む。

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