← 透明性メディア
キャリア・働き方

SES転職を考えている人に、
SES経営者として正直に言うこと

小川将司
小川将司代表取締役

Heyday株式会社代表・小川将司が現役SES経営者の視点で執筆

この記事でわかること

  • 転職を勧めるのはエージェントの利益。SES経営者が正直に「転職しない方がいいケース」を公開する
  • SES転職が向いている人の3条件・向いていない人の3条件
  • Heydayの実案件データから見る転職後の単価変化の実態
  • 転職先タイプ別(SIer/自社開発/フリーランス)のリアルな難易度と後悔パターン

この記事の対象: SES転職を検討しているが、エージェントの情報を鵜呑みにしたくないエンジニア

この記事にはHeydayの独自データが含まれています

SES転職について調べると、どこも同じことを言っている。「SES転職は難しくない」「おすすめ転職先7選」「まずは相談を」——そしてページの最後には「無料で転職支援を受ける」というボタンがある。

当然だ。書いているのは全員、転職エージェントか転職メディアだ。彼らにとっての利益は、あなたが転職することで発生する。転職しない人、転職を思いとどまった人には、報酬が入らない。

私はHeyday株式会社の代表として、SES事業を6年以上運営してきた。SES企業の側にいる人間として、正直に言う。

SES転職を考えているすべての人が、転職すべきなわけではない。

この記事では、2024年から2026年にかけてHeydayに転職相談をしてくれたエンジニア130件超のデータをもとに、「転職すべき人」と「転職しない方がいい人」の分岐点を書く。転職エージェントには絶対に書けないポジションから、SES転職の実態を正直に語る。


SES転職の相談を受けて気づいた「よくある誤解」3つ

130件以上の転職相談を受けてきた中で、多くのエンジニアが誤った前提のまま転職を検討していることに気づいた。まずその誤解を整理する。

誤解1:「SES転職は難しい」

これは間違いではないが、正確でもない。転職の難易度は「どこに転職するか」によって全く異なる。同業の別SES企業への転職は難易度が低い。大手SIerへの転職は、要件定義の経験がなければ難しい。自社開発企業への転職は、ポートフォリオと実務スキルが問われる。

「SES転職は難しい」という一言で括るのは意味がない。自分がどこを目指すかによって、難易度もやるべき準備も全く変わる。

誤解2:「転職すれば単価が上がる」

これも半分正しく、半分間違いだ。Heydayへの転職相談130件超のうち、転職後に単価または年収が実際に上昇したケースは約62%。残りの38%は横ばいか、むしろ下がっている。

特にSES→SIer正社員の転職では、約3分の1が転職後に月収が下がる。転職エージェントは「年収アップ」の成功事例を前面に出すが、下がったケースには触れない。Heydayの案件データでも、正社員の上流案件は月45〜78万円が中心で、SES在籍中にフリーランスとして月80万円超の案件に参画していたエンジニアが転職すると手取りが下がるケースがある。

誤解3:「今の職場が嫌なら転職した方がいい」

不満があることと、転職すべきであることは別問題だ。不満の原因が「会社のマージン率が高すぎる」「スキルが積めない現場に固定されている」であれば、転職が解決策になり得る。しかし不満の原因が「今の案件の人間関係」や「担当者のフォローが薄い」であれば、会社内での現場変更で解決できる可能性がある。

転職は手段であって目的ではない。この前提を持てているエンジニアが、転職後に後悔しにくい。


転職すべき人の条件——これに当てはまるなら動いた方がいい

Heydayへの転職相談で「転職してよかった」と後から報告をくれたエンジニアには、共通するパターンがある。以下の条件に複数当てはまる場合、転職は有効な選択肢だ。

条件1:会社のマージン率が50%を超えている

SES業界の平均的なマージン率(会社が案件単価から取る割合)は30〜40%前後と言われている。これを大幅に上回る50%超の会社では、スキルが上がって案件単価が増えても、給与への反映率が著しく低い。

Heydayへの相談でよくあるケース:月80万円の案件に参画しているが、月給が40万円以下。マージン率50%。転職で同じスキルを持ちながら還元率70%の会社に移ると、月給が56万円になる。転職せずにいると、毎月16万円分の損失が続く。

確認方法: 自分の案件単価と月給を比較してマージン率を計算する。「(単価 - 給与)÷ 単価」で出る。50%を超えていれば、同スキルで条件の良い会社への転職を検討する価値がある。

まず自分のスキルが市場でどのくらいの単価になるかを把握しておくことが重要だ。SES単価の相場を先に確認してほしい。

条件2:スキルが3年以上停滞している

SES業界では、特定の現場に長期固定されることで技術のアップデートが止まるケースがある。2〜3年前のレガシー技術のみを使い続けていて、現場変更の見通しがない状態が続いているなら、転職を検討すべきシグナルだ。

130件の転職相談の中で、「スキルが積めない」を主な転職理由に挙げた人は約38%(50件程度)に上る。そのうち実際に転職して「スキル環境が改善した」と報告したケースは約70%だった。

ただし、スキル停滞の解決策は転職だけではない。今の会社に「次の案件は技術スタックXの現場を希望する」と伝えることで解決するケースも一定数ある。会社に相談して動いてもらえなかった場合に、転職という選択肢を本格的に検討する順序が正しい。

条件3:会社が非透明で単価開示を拒否する

面談で「自分の案件単価を教えてほしい」と聞いて、会社が拒否するか曖昧な返答しかしない場合は、構造的に問題がある。

案件単価は契約上の情報であり、すべての会社が開示する義務を負っているわけではないが、透明性の高い会社は聞けば答える。拒否される場合、それ自体がその会社の姿勢を示している。

SES企業の選び方では、会社選びの数字基準を具体的に解説している。転職先選びの参考にしてほしい。

参考:転職後に単価が上昇したHeydayの実案件データ

Heydayで転職相談後に案件を紹介したエンジニア(n=82件、2024〜2026年)の転職前後の単価変化を整理する。

転職前の状況転職後の単価変化割合
マージン率50%超・スキル市場価値高+10〜25万円/月の上昇約35%
マージン率40〜50%・現場固定+5〜15万円/月の上昇約27%
マージン率30〜40%・条件おおむね適正横ばい〜+5万円/月約25%
フリーランスから正社員SES化単価低下(安定性とのトレード)約13%

この数字が示すのは、「転職すれば必ず上がる」のではなく、「現状の条件次第で結果が変わる」という事実だ。


転職しない方がいい人の条件——SES経営者が正直に言う

ここからが、転職エージェントには書けない内容だ。

しない方がいいケース1:単価が市場水準以上で、マージン率も適正

現在の案件単価が自分のスキルセット・経験年数から見て市場水準以上にある。かつ還元率(単価に対する給与の割合)が60〜70%以上ある。この状態で転職するリターンは小さい。

Heydayへの転職相談の中で、「実は今の条件が市場水準より良かった」と気づいて転職を思いとどまったケースが約20件ある。その多くは「となりの芝生」的な感覚で転職を考えていたが、数字で整理すると現状が合理的だと判明した。

判断の手順:

  1. 自分のスキルと経験年数から市場単価レンジを調べる(単価相場の確認
  2. 現在の案件単価がそのレンジ内かどうかを確認する
  3. 還元率(給与 ÷ 案件単価)が60%以上かどうかを確認する

この3点が揃っていれば、転職より「今の会社でのキャリア設計」を優先した方がいい場合が多い。

しない方がいいケース2:現在の不満が「人間関係」や「個人的な相性」由来

転職を考えている理由が「今の現場の特定の人間と合わない」「担当営業の対応が気に食わない」という個人的な摩擦に起因する場合、転職は解決策にならないことが多い。

人間関係の問題は、転職先でも再現する可能性がある。SES業界の構造上、常駐先のメンバーや社内担当者との関係は必ずどこかで発生する。「この人間関係から逃げたい」という動機だけで転職すると、次の現場でも似たような問題に直面したときに、また転職したくなるサイクルに入りやすい。

解決策は、今の会社で「現場変更」を要求することだ。SESの会社に「現場を変えたい」と申し出ることは正当な要求で、聞いてくれる会社は一定数ある。会社が全く動いてくれない場合に初めて、転職という選択肢が浮上する。

しない方がいいケース3:30代後半以降・専門スキルが特定技術に特化

35歳以上で、かつ専門スキルが特定の技術領域に深く特化している場合、転職市場での評価は一般的に下がりにくい。ただし、転職先の選択肢が著しく狭くなる。

「SIerに転職してキャリアアップしたい」という動機でも、35歳以降の場合は管理職・PM候補としての評価になることが多く、実装スキルへの評価は相対的に下がる。大手SIerは30代後半の応募者に対して、マネジメント経験を問うケースが増える。

このタイミングで転職よりも現実的な選択肢は2つある。現在のSES環境でフリーランスに転換して単価を上げる、または同じスキルセットのまま還元率の高い別SES企業に移動する。どちらも転職エージェントは積極的に勧めないが、数字上は合理的な場合がある。

しない方がいいケース4:「なんとなく転職した方がいい気がする」

理由を言語化できていない状態での転職は、後悔につながりやすい。Heydayの転職相談でも、「転職した方がいいですよね?」という言葉から入る相談の約40%は、丁寧に話を聞くと「今は転職しなくていい」という結論になっている。

転職するなら「転職して〇〇を得たい」という具体的な目的があること。この言語化ができていない段階では、転職活動を始めるより先にやるべきことがある。


SES転職先の選択肢と難易度——SIer・自社開発・フリーランス・別SES

SES転職の選択肢は4つに大別できる。それぞれの難易度と、よくある後悔パターンを整理する。

選択肢1:SIer転職(難易度:中〜高)

SES→SIer転職の最大の誤解は「キャリアアップ」という定義だ。SIerは上流工程(要件定義・基本設計・PMO)を担当するため、実装経験しかないエンジニアには書類段階で壁がある。

転職できる条件:

  • 上流工程(要件定義・基本設計)の経験が最低1件、具体的に語れる状態にある
  • ステークホルダーとの調整・合意形成のエピソードがある
  • SIerの特定の部門で何をしたいかが明確に言語化できている

よくある後悔パターン: 野沢(Heyday営業サポート)が支援したSIer転職70件のうち、約34%が転職後に月収が下がった。SES在籍中にフリーランスまたは高還元率の会社で月70万円超の案件に参画していたエンジニアが、大手SIer正社員の月40〜55万円のレンジに入ると実質的な収入ダウンになる。

詳細はSES→SIer転職のリアルに一次データ付きで解説している。

選択肢2:自社開発企業への転職(難易度:高)

SESエンジニアが最も「転職したい」と言う先だが、最も難易度が高い。自社開発企業は特定の技術スタックへの深い理解とポートフォリオを求める。SES常駐の場合、自由に成果物を公開できないケースが多く、ポートフォリオが作りにくい構造がある。

転職できる条件:

  • 転職先の技術スタックに直接対応する実務経験がある
  • GitHubでのポートフォリオが確認できる状態にある
  • 「なぜSESではなく自社開発か」に説得力のある答えがある

よくある後悔パターン: 転職できても、「SESの方が単価が高かった」というケースがある。Heydayで扱う自社開発寄りの案件(フリーランス)は月65〜120万円のレンジだが、正社員として自社開発企業に入ると月40〜60万円になることが多い。「自社開発=高収入」は、フリーランスには当てはまっても、正社員では当てはまらない場合がある。

選択肢3:フリーランス転換(難易度:低〜中)

SESエンジニアがSES企業を離れてフリーランスになる選択肢。SES系フリーランスの場合、常駐先は変わらず、間に入るエージェントが変わるケースが多い。マージン率を大幅に下げられるため、同じスキルで手取りが増える。

Heydayで扱うフリーランス案件の単価は、同等スキルの正社員案件より月15〜30万円程度高い水準になることが多い。

向いている人:

  • 現在の案件に満足しているが、手取りを増やしたい
  • スキルが市場から見て明確に需要がある
  • 会社の福利厚生・保険よりも手取り額を優先できる

向いていない人:

  • 次の案件獲得を自分でコントロールする自信がない
  • 税務・保険の手続きを自己管理したくない
  • 収入の安定性を最優先にしている

選択肢4:別SES企業への移転(難易度:低)

同業他社への移転は最も現実的で難易度が低い。目的は「マージン率の改善」か「現場の選択肢の拡充」になる。

転職が有効なケース:

  • 現在の会社のマージン率が50%超
  • 案件の選択肢が少なく、スキルアップできる現場への移動を断られ続けている
  • 会社のフォローアップ体制が機能していない

注意点は、転職先のSES企業を選ぶ際に「マージン率・案件の質・フォロー体制」を事前に確認できるかどうかだ。確認できない会社は選ばない方がいい。SES企業の選び方の数字基準を参考にしてほしい。


転職のタイミング——Heydayで見た「成功した人が動いた時期」

転職の内容と同じくらい重要なのが、タイミングだ。Heydayの転職相談で「転職してよかった」と報告があったケースと「タイミングが悪かった」と後悔があったケースを分析すると、明確なパターンがある。

成功したタイミングの共通点

案件終了の2〜3ヶ月前に動き始めた

SES業界では、案件の契約更新サイクルが3〜6ヶ月単位のことが多い。案件終了が見えた段階で転職活動を開始し、新しい案件への参画と入社タイミングを合わせた人が最もスムーズに転職を完了している。

案件途中での離脱は、転職先への印象を悪くするリスクがあるだけでなく、現職への信頼損失にもなる。SES業界は意外に狭く、評判は回る。

スキルが「伸び盛り」の段階で動いた

転職タイミングとして理想なのは、現在の技術が「一通りできる」状態になった直後だ。まだ半端な状態で転職すると、次の現場での評価が低くなる。逆に何年も同じ技術に留まりすぎると、転職市場での新鮮さが薄れる。

経験年数別の推奨タイミング:

  • 3〜5年目:現在の技術を一通りこなせるようになった段階。スキルの証明ができる。
  • 6〜8年目:専門性が確立してきた段階。転職市場での評価が最も高い時期。
  • 10年以上:管理職・PM経験がなければ、自分の市場価値を定量的に把握してから動く。

失敗したタイミングのパターン

「もう限界」という感情的な状態で動いた

現場のプレッシャーや人間関係で精神的に限界に達した状態での転職活動は、判断力が下がりやすい。提示された条件の確認が甘くなり、「とにかく早く出たい」という気持ちが先行して条件の悪い会社を選んでしまうケースがある。

できれば、感情が落ち着いている状態で転職活動を進めることが望ましい。精神的に追い詰められている場合は、まず担当者に「現場を変えたい」と伝えることから始める方が、結果として転職より早く状況が改善することがある。

詳細なタイミング分析はSES転職タイミングで解説している。


SES転職で単価はどう変わるか(実案件データ)

転職後の単価変化を、Heydayが現在取り扱っている実案件データをもとに整理する。

転職先別の単価水準(Heyday実案件)

SES系(正社員・別SES企業への転職)

Heydayで扱う案件の正社員単価レンジは以下のとおり。

経験年数実装主体(下流)設計〜実装(中上流)要件定義〜(上流)
1〜3年30〜40万円/月35〜45万円/月
3〜5年40〜55万円/月45〜60万円/月50〜65万円/月
5〜8年50〜65万円/月55〜70万円/月60〜78万円/月
8年以上55〜70万円/月60〜78万円/月65〜85万円/月

フリーランス案件

同等のスキルセットでフリーランス案件を取ると、正社員より月15〜30万円高い水準になる。

経験年数実装主体中上流上流
3〜5年50〜65万円/月60〜80万円/月70〜90万円/月
5〜8年65〜85万円/月75〜100万円/月85〜115万円/月
8年以上75〜95万円/月85〜110万円/月95〜120万円/月

転職で単価が「上がる人」「下がる人」の分岐点

単価が上がる転職と下がる転職の分岐は、以下の判断軸で整理できる。

単価が上がる可能性が高いケース:

  • 現在のマージン率が50%超で、市場単価相応のスキルがある
  • フリーランス転換で中間マージンを削減できる
  • 上流工程への移行でスキルの希少性が上がる

単価が下がる可能性が高いケース:

  • SES→SIer正社員転職(安定性とのトレードオフ)
  • 自社開発正社員への転職(高単価フリーから)
  • スキルが市場から見て成熟期に入り、更新が止まっている

転職前に自分の市場単価を正確に把握することが、最初の必須ステップだ。感覚や「エージェントが言った数字」ではなく、実際の案件データで確認してほしい。


よくある質問(FAQ)

Q. SES転職は難しいですか?

転職先による。別SES企業への転職は難易度が低い。SIerへの転職は上流工程経験がなければ書類段階で難しい。自社開発企業への転職はポートフォリオと技術スタックの一致が必要。「SES転職」という一言で難易度を語ることはできない。自分がどこを目指しているかを明確にした上で判断してほしい。

Q. SES転職で後悔しないためには何が最重要ですか?

転職前に自分の市場単価を把握することだ。これがないと、提示された条件が適正かどうかを判断する軸がない。スキルセットと経験年数から市場単価レンジを確認し、それを基準に転職先を比較する。この1点を押さえるだけで、単価関連の後悔(全体の後悔の最多パターン)をほぼ防げる。

Q. SES転職で「転職しない方がいい」のはどんな人ですか?

主に4パターン:(1)現在の単価と還元率が市場水準以上の人、(2)不満の原因が人間関係・個人的な相性由来で現場変更で解決できる人、(3)35歳以上で専門スキルが特化しており転職市場の選択肢が限られる人、(4)転職の理由が言語化できていない人。エージェントはこれを言わないが、転職しない方が合理的なケースは一定数ある。

Q. SES転職のベストなタイミングはいつですか?

案件終了の2〜3ヶ月前が理想のスタート時期だ。現在の技術を「一通りこなせる」状態になった直後が市場評価が高い。感情的に限界の状態では判断力が下がるため、できれば平常心で活動できる状態で始めることが望ましい。詳細な条件はSES転職のタイミングを参照してほしい。

Q. SES→自社開発への転職は可能ですか?

可能だが、難易度は高い。ポートフォリオ(GitHubやプロダクトの公開実績)と、転職先の技術スタックへの実務経験が問われる。SES常駐中は成果物を公開しにくい構造があるため、個人プロジェクトやOSSへの貢献を積み重ねながら準備する必要がある。転職エージェントが「すぐ転職できます」と言う場合でも、実態として書類通過率は高くない。

Q. SES→SIer転職で年収は上がりますか?

必ずしも上がらない。Heydayが支援した転職相談(野沢担当・n=70件)では、約34%が転職後に月収が下がった。SES在籍中にフリーランスや高還元率の会社で月70万円超の案件に参画していた場合、大手SIerの正社員給与(月40〜55万円が多い)に入ると実質的なダウンになる。「SIer=年収アップ」は正しくないケースが3割以上ある。

Q. 30代でSES転職は遅いですか?

遅くない。ただし30代前半と後半では転職先の選択肢が変わる。30代前半は「即戦力の実装者」として評価される。30代後半はSIerなどでは管理職候補としての評価軸になり、マネジメント経験がないと評価が下がりやすい。30代でのSES転職は、目指す先によって難易度と準備が異なる。30代のSES転職で詳しく解説している。

Q. SES転職はどのエージェントを使えばいいですか?

エージェントは複数社を比較することが前提だ。1社のみを使うと比較基準がなくなり、提示された条件の良し悪しを判断できなくなる。エージェントを選ぶ際の確認ポイント:「年収が下がるケースはありますか」という質問に正直に答えるか。「全員上がります」と断言するエージェントは現実を歪めている可能性がある。また、転職を急がせてくるエージェントは避ける。

Q. マージン率が50%を超えているかどうか、どうやって調べますか?

自分の案件単価を会社に確認する(「私が参画している案件の月単価を教えてもらえますか」)。教えてもらえたら、自分の月給と比較して計算できる。教えてもらえない場合は、それ自体が不透明な会社のサインだ。転職を検討する材料の一つになる。

Q. 転職後に後悔した場合、また転職できますか?

できる。ただし短期(6ヶ月未満)での再転職は履歴書上のリスクがある。まず1年は現場変更や社内交渉で解決を試みることを勧める。それでも解決しない場合は、再転職という選択肢を検討する。SES転職で後悔したケースの実態では、60件以上の相談実績から後悔パターンを詳しく解説している。

Q. 転職すべきか判断できない場合、どうすればいいですか?

まず自分の市場単価と現在の還元率を数字で確認する。これをやらずに「転職すべきか」を考えても判断軸がない。次に、転職の目的を「〇〇を得るために転職する」という形で言語化できるかを確認する。言語化できなければ、転職活動より前に整理すべきことがある。キャリア相談では、転職すべきかどうかの相談にも対応している。

Q. フリーランス転換とSES転職はどちらがおすすめですか?

スキルが市場から見て明確に需要があり、案件獲得を自分でコントロールできる自信があるなら、フリーランス転換の方が単価上昇の効果が大きい。Heydayの案件データでも、同等スキルのフリーランス案件は正社員案件より月15〜30万円高い。ただし安定性・保険・税務の自己管理が必要になる点を踏まえた上で判断してほしい。案件例を見てみるでフリーランス案件の単価感を確認できる。


まとめ——「転職するかどうか」より先に知るべきこと

SES転職について、エージェントが書かないことを書いてきた。

転職エージェントは転職が成立した時に報酬が発生する。だから「転職すべき人」については詳しく書くが、「転職しない方がいい人」については書かない。これは彼らを責める話ではなく、構造上そうなっている、という話だ。

私がHeydayを経営していて感じるのは、転職の成否を決める最大の要因は「転職先の選択」ではなく「転職するかどうかの判断」だということだ。転職を検討している130件以上の相談の中で、実際に転職した方が合理的だったケースは約70%だったが、残り30%は転職しない方が良かったか、もしくは今すぐ転職するより先にやるべきことがあった。

「転職すべきかどうか」を判断するために必要な情報は、エージェントからではなく、数字から得てほしい。

  1. 自分の市場単価を把握する
  2. 現在の還元率を計算する
  3. 転職の目的を言語化する

この3点がクリアになって初めて、転職するかどうか・どこに転職するかを判断できる。転職活動は、この準備が整ってから始めても遅くない。

まず自分のスキルが市場でどのくらいの単価になるかを確認することから始めてほしい。あなたの市場単価を診断する →

転職後の案件・単価の感覚を掴むにはHeydayの案件例が参考になる。実際に参画しているエンジニアの単価レンジを、スキル別・業界別で確認できる。

転職すべきかどうかを相談したい場合はキャリア相談から。「転職しない方がいい」という結論になっても正直にお伝えする。

関連記事(このハブ記事のスポーク):

案件例を見てみる

技術スタック・単価帯・勤務形態がわかる具体的な案件情報

小川将司

この記事の著者

小川将司

Heyday株式会社 代表取締役

Heyday株式会社代表・小川将司が現役SES経営者の視点で執筆

Heyday株式会社 代表取締役。エンジニア・PM/PdMを経験後、SES事業を創業。複数クライアント現場でAI導入コンサルティングを担当。「ITをもっとフェアに」を掲げ、マージン構造の開示に取り組む。

シェア:XB!

次に読む