単価・市場データ18

Kotlinエンジニアの
SES単価相場

小川将司
小川将司代表取締役

IT業界12年・SES事業6年・EC/HR/メディア系Kotlin案件を扱う経営者

シェア:B!

この記事でわかること

  • Kotlinの需要はAndroidアプリ開発が最大で、2024年以降Jetpack Composeを採用する新規案件が70〜80%を占める
  • 同じKotlinでも用途で単価が分岐し、XML/View保守55〜70万円、Jetpack Compose設計60〜78万円、KMMは希少性で72〜95万円
  • Java→Kotlin移行のパターン別に単価影響が異なり、Spring Boot同士の移行で+3〜8万円、Compose対応で+5〜12万円の上昇が見込める
  • 単価65万円以上の案件に共通するスキルセットはJetpack Compose・Coroutines/Flow・Clean Architecture・Hilt/Koin・GitHubポートフォリオの5点
  • KMMは案件数が少なく先行習得者がさらに少ないため、希少性で月5〜15万円のプレミアムがつく状態が続いている

この記事の対象: Android開発経験のあるKotlinエンジニア、またはJava経験者でKotlin移行を検討している層

「KotlinはJavaの後継だから、Java経験があれば単価が上がりやすいと聞いた。本当か?」

この質問をエンジニアから受けることがある。

答えはYesだが、どの方向でKotlinを使うかによって単価レンジが大きく変わる。

KotlinはAndroidアプリ開発が最も需要の大きい用途だ。しかし同時に、サーバーサイド(Spring Boot with Kotlin、Ktor)やKotlin Multiplatform Mobile(KMM)でも使われるようになっている。それぞれの用途で市場の評価が違い、単価の天井も異なる。

Heydayでは2024〜2026年にかけてKotlin案件の扱いが増えており、EC・HR・メディア系のクライアントからの依頼が特に多い。その現場データをもとに、Kotlinエンジニアの単価相場を整理する。

あなたの市場単価を診断する →


Kotlinの需要構造:3つの用途

Kotlin案件は大きく3つの領域に分かれる。それぞれ求められるスキルと単価の傾向が異なる。

1. Androidアプリ開発(最大の需要領域)

KotlinはGoogleが2017年にAndroid公式言語として採用したため、現在のAndroidアプリ開発ではKotlinが標準だ。JavaからKotlinへの移行が完了した企業も多く、新規開発はほぼKotlinで行われている。

需要の特徴:

  • 金融・EC・HR・メディア系アプリで安定した需要
  • Jetpack Compose(宣言的UI)の案件が2024年以降急増
  • テスト・CI/CDを含む開発全体を担える人材の不足

2. サーバーサイドKotlin(バックエンドAPI)

Spring BootはJavaとKotlinの両方で動作する。Kotlinの書きやすさ(null安全性・data class・コルーチン等)を採用してバックエンドをKotlinで構築する企業が増えている。

また、KotlinネイティブのWebフレームワーク「Ktor」も中規模のAPIサーバー構築で採用事例が増えている。

需要の特徴:

  • Spring Boot + KotlinはJava案件の延長として扱われることが多い
  • KtorはGo/Rustほど需要は大きくないが、スタートアップや自社開発企業では選ばれている
  • Java移行プロジェクト(JavaコードベースをKotlinに書き直す)案件も存在する

3. Kotlin Multiplatform Mobile(KMM)

KMMはiOSとAndroidのコードを一部共有できるクロスプラットフォーム技術だ。 Flutter・React Nativeと競合する位置にあり、大企業での採用事例が出始めている。

2026年現在、KMM案件はまだ少数派だが、習得しているエンジニアはさらに少ないため、希少性による単価プレミアムがつく。


Kotlinエンジニアの単価相場(経験年数別)

以下はエンド直または1次請け案件における実勢レンジだ。Androidアプリ開発として主に整理している(サーバーサイドは後述)。

経験年数正社員SES(月額)フリーランス(月額)年収換算(SES正社員目安)市場での立ち位置
1年未満32〜42万円45〜58万円384〜504万円Android基礎・Kotlin文法習得段階
1〜3年45〜55万円60〜70万円540〜660万円単体機能の実装・テストが一人でできる
3〜5年55〜65万円70〜85万円660〜780万円アーキテクチャ設計・チームリード
5年以上65〜80万円85〜100万円780〜960万円テックリード・Jetpack Compose対応

前提: 多重下請け構造(3次・4次請け)では、これより15〜25%低くなるケースが多い。フリーランス単価は個人での稼働前提。


用途・技術スタック別の単価差

Kotlinの用途によって、同じ経験年数でも単価レンジが変わる。

用途・技術スタック単価レンジ(経験3〜5年)市場トレンド特徴
Androidアプリ(Jetpack Compose)60〜78万円拡大中宣言的UIへの移行需要が高い
Androidアプリ(View/XML)55〜70万円横ばい保守案件が多い。旧UIの知識も必要
Spring Boot + Kotlin(バックエンド)62〜80万円拡大中Java経験者が移行しやすい
Ktor(バックエンド)65〜85万円拡大中採用企業は少ないが単価プレミアムあり
Kotlin Multiplatform Mobile72〜95万円拡大中希少性が高く単価プレミアム
Java → Kotlin移行プロジェクト60〜80万円安定両言語の知識が必要

Java経験者がKotlinに移行した場合の単価への影響

「JavaエンジニアがKotlinも扱えると単価が上がる」というのは事実だ。

ただし、単価への影響は移行のパターンによって異なる。

パターン1: Spring Boot(Java)→ Spring Boot(Kotlin)

同じSpring Bootでも、Kotlinで書けることで提案できる案件の幅が広がる。 移行後の単価への影響は月3〜8万円程度の上昇が多い。

理由は、Kotlinを採用する企業は比較的新しいシステムを構築していることが多く、案件単価も高めに設定されているためだ。

パターン2: Java(業務系)→ Androidアプリ(Kotlin)

これは単純な移行ではなく、実質的なキャリアチェンジになる。 Android UIの知識・Jetpack Compose・非同期処理(Coroutines)など、学び直しが必要なスキルが多い。

移行に6〜12ヶ月かかることが多く、その間は単価が一時的に下がることもある。 ただし移行完了後は月5〜10万円の単価上昇が見込める。

パターン3: Java + Android(XML UI)→ Kotlin + Jetpack Compose

同じAndroid開発者としての移行で、最もスムーズなルートだ。 JetpackComposeへの対応は需要が急増しており、移行後1〜3ヶ月で単価に反映されやすい。 影響は月5〜12万円の上昇が多い。


Jetpack Composeの登場が単価に与えた影響

Jetpack Composeは2021年に正式リリースされたAndroid向けの宣言的UIフレームワークで、従来のXML/ViewシステムからReact/Swiftに近い書き方に変わった。

2026年現在、新規Android開発案件のうち70〜80%がJetpack Composeを採用しており、ComposeができるKotlinエンジニアの需要が高い。

スキル単価への影響(経験3〜5年基準)
XML/View のみ標準(55〜65万円)
Jetpack Compose(基礎)+3〜6万円
Jetpack Compose(設計・アーキテクチャ)+6〜12万円
Compose + Hilt(DI)+ Coroutines + Flow+8〜15万円

Composeとあわせてアーキテクチャ設計(Clean Architecture / MVI / MVVM)への理解があると、テックリード案件として評価されやすくなる。


KMMの登場と市場への影響

Kotlin Multiplatform Mobile(KMM)は、iOSとAndroidのビジネスロジックを共有できる仕組みだ。

2026年現在、KMMは以下のような企業で採用が進んでいる:

  • 自社開発企業でコストを抑えてiOS/Androidを両対応したいスタートアップ
  • Kotlin既存資産を活用したいAndroid中心の開発チーム
  • 大企業の一部のアプリ(Netflix、Philipsなど海外事例)

ただし案件数はまだ少なく、React NativeやFlutterと比べると普及は限定的だ。

KMMエンジニアの単価への影響:

  • KMM経験があるエンジニアは市場にほぼいないため、希少性で月5〜15万円プレミアムがつく
  • iOSの知識も求められるケースがあり、Swiftの基礎知識があるとさらに評価が上がる
  • 2026〜2028年にかけてKMM採用企業が増えると予測されており、先行習得のコスパは高い

クラウド・バックエンドスキルとの組み合わせによる単価上昇

KotlinはAndroid専用ではなく、サーバーサイドでも使えることを前述した。 クラウドスキルとの組み合わせで単価が上昇する効果を整理する。

スキルの組み合わせ月額への影響備考
Kotlin + AWS(EC2/S3/RDS)+5〜10万円バックエンドKotlin案件での評価が高い
Kotlin + GCP(Firebase含む)+5〜12万円Androidとの親和性が高く、モバイル+バックエンド両方できる
Kotlin + Docker/Kubernetes+6〜14万円コンテナ化されたKotlinバックエンド案件で評価
Kotlin + Spring Boot + AWS+8〜18万円エンタープライズ案件での高評価

AndroidエンジニアとしてのKotlinと、バックエンドとしてのKotlinの両方を扱えると、フルスタックに近い評価を受ける案件もある。

あなたの市場単価を診断する →


Heydayが保有するKotlin案件の特徴

Heydayでは2024〜2026年にかけてKotlin案件の保有数が増えており、傾向として以下の特徴が見られる。

業種の偏り

  • ECサービス(モバイルアプリ開発・バックエンドAPI)
  • HR/採用テック(スマホアプリ+バックエンド一体型開発)
  • メディア・コンテンツ配信(Androidアプリ・推薦API)

金融・公共系はJavaが主流で、Kotlin案件はスタートアップ〜中堅の自社開発企業に集中している。

求められるスキルセット

単価65万円以上の案件に共通して求められているのは:

  1. Jetpack Compose での実装経験
  2. Coroutines / Flow による非同期処理
  3. Clean Architecture / MVVMの理解
  4. Hilt または Koin を使ったDI経験
  5. GitHubにコードが公開されているか(ポートフォリオとして)

「Kotlinが書ける」だけではなく、アーキテクチャを設計できるエンジニアへの需要が高い。


単価を上げる具体的なアクション

アクション1: Jetpack Composeへの移行

XML/Viewしか経験がない場合、まずJetpack Composeで個人プロジェクトを作りGitHubに公開する。 Compose + MVVM + Hilt の組み合わせで実装したサンプルアプリがあると、面談評価が大きく変わる。

アクション2: Coroutines / Flowの深化

Kotlinの非同期処理としてCoroutinesとFlowは必須スキルだ。 RxJavaからCoroutines/Flowへの移行経験があると、単価交渉で強いカードになる。 移行事例をブログやGitHubで公開しておくと面談で話しやすくなる。

アクション3: KMMの先行学習

KMM案件はまだ少ないが、先行して習得しておくことで2〜3年後に差がつく。 既存のAndroid Kotlin資産をKMMに移行するハンズオンプロジェクトを作成し、iOSへの展開まで試しておくと市場価値が上がる。

アクション4: サーバーサイドへの拡張

Android専任エンジニアがKtorやSpring Bootのバックエンドも担当できると、提案できる案件の幅が広がる。 フルスタック指向のスタートアップではモバイル+バックエンド両方できるエンジニアが重宝される。

アクション5: 商流の見直し

単価が想定より低い場合、技術スキルの問題ではなく商流の問題の可能性がある。 3次・4次請けでは技術力に関わらず単価の上限が決まってしまうことが多い。 エンド直・1次請けの案件を持つSES企業への移動で、スキルアップなしに月5〜12万円改善するケースがある。

Kotlinエンジニアの単価を上げたい方へ

Heydayでは契約単価・マージン・商流をすべてエンジニアに開示している。「自分のKotlin案件の単価が市場と比べて適正なのか確認したい」という相談も受け付けている。

案件例を見てみる →

キャリア相談をする →


実際にHeydayに移った人の声

この記事の内容を、実際に経験した人の話で確かめてほしい。


まとめ

KotlinエンジニアのSES単価は、用途と組み合わせスキルで大きく変わる。

単価の構成式: 単価 = 経験年数 × 用途の専門性(Android/バックエンド) × アーキテクチャ設計力 × Jetpack Compose対応 × 商流の浅さ

Android中心で考えるなら、Jetpack Composeとアーキテクチャ(Clean Architecture / MVVM)の習得が単価を上げる最短ルートだ。 バックエンドも扱えるなら、クラウドスキルとの組み合わせで上限が上がる。

Java経験者のKotlin移行は、確かに単価上昇に繋がる。ただし移行するだけでは不十分で、Kotlin特有のAPI・コルーチン・最新アーキテクチャへのキャッチアップが必要だ。

自分の現在の市場価値が具体的な数字でわかる診断ツールを用意している。 スキルを入力すると2〜3分で単価レンジが出るので、まず自分の現在地を確認してほしい。

あなたの市場単価を診断する →


関連記事

Heydayでは契約単価を全エンジニアに開示しています

「自分のKotlin案件の単価が適正かどうかわからない」という状態は、SES業界では珍しくない。 Heydayでは稼働前に契約単価を本人に必ず開示し、商流・マージンについても質問に答えている。

案件例を見てみる →

キャリア相談をする →

よくある質問

Q. KotlinエンジニアのSES単価はJavaと比べてどのくらい違いますか?

A. 用途によって異なる。Androidアプリ開発(Kotlin)は同経験年数のJava(Spring Boot)と比べて月3〜10万円高い傾向がある。特にJetpack Compose+アーキテクチャ設計ができるエンジニアは、Javaのみの経験者との差が月10〜15万円開くこともある。ただし現状の商流(何次請けか)の方が単価への影響が大きい場合も多い。

Q. Android開発のKotlinエンジニアが単価を上げるには何が最も効果的ですか?

A. Jetpack Composeとアーキテクチャ(Clean Architecture / MVVM)の習得が最も効果的だ。2026年現在、ComposeができるエンジニアはXML/Viewのみのエンジニアより月5〜12万円高い単価で案件が決まる傾向がある。Hilt(DI)+Coroutines+Flowの組み合わせまで扱えると、テックリード案件への扉が開く。

Q. KotlinはAndroid以外でも使えますか?SES案件はありますか?

A. サーバーサイド(Spring Boot with Kotlin、Ktor)での案件もある。Spring Boot+Kotlinは特にEC・HR・スタートアップ系での採用が増えており、Java移行プロジェクトとして依頼されるケースもある。Android専任に限らず、バックエンドまで扱えると案件選択肢が広がる。

Q. KotlinエンジニアがSES企業を選ぶ際に重要なポイントは何ですか?

A. 保有しているKotlin案件が「新規開発か保守か」「Jetpack Composeを使っているか」を確認することが重要だ。レガシーAndroid(XML/View)の保守案件ばかりでは技術力の向上が止まり、単価交渉力も落ちる。Heydayでは案件の技術スタックを事前に確認して提案している。

Q. フリーランスKotlinエンジニアの単価はSES正社員と比べてどのくらい違いますか?

A. 経験3〜5年でSES正社員が月55〜65万円のところ、フリーランスなら70〜85万円のレンジになることが多い。月20〜25万円の差があるが、社会保険の自己負担・確定申告コストを差し引くと実質的な手取り増は月10〜20万円程度になる。稼働の安定性とのバランスで選択することが重要だ。


このトピックの全体像を読む

単価の相場・マージン構造・還元率・上げ方を一気通貫で解説したピラーガイドはこちら。

SES単価の相場一覧|言語・フレームワーク別の最新単価表【2026年版】 →

まとめ

KotlinエンジニアのSES単価は用途と組み合わせスキルで大きく変わる。Android中心ならJetpack Compose+アーキテクチャ設計、バックエンドも扱えるならクラウドスキルとの組み合わせで上限が上がる。Java経験者の移行は単価上昇につながるが、Kotlin特有のAPI・コルーチン・最新アーキテクチャへのキャッチアップが前提になる。

案件例を見てみる

技術スタック・単価帯・勤務形態がわかる具体的な案件情報

この記事の著者

小川将司
小川将司

Heyday株式会社 代表取締役

IT業界12年・SES事業6年・EC/HR/メディア系Kotlin案件を扱う経営者

Heyday株式会社 代表取締役。エンジニア・PM/PdMを経験後、SES事業を創業。複数クライアント現場でAI導入コンサルティングを担当。「ITをもっとフェアに」を掲げ、マージン構造の開示に取り組む。

シェア:B!

次に読む