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SES転職体験談まとめ|実際に転職した5人の単価・年収・後悔データを公開【2026年版】

篠田営業担当

Heyday株式会社・営業担当篠田が転職支援した実案件データをもとに構成

この記事でわかること

  • Heydayが支援した転職ケースの約70%で月単価が上昇(2024〜2025年、n=23名)
  • 単価が上がった平均幅:月10〜18万円(商流改善が最大要因)
  • 転職後に後悔するケースの共通点:単価だけで決めた・スキルスタックを考慮しなかった
  • 転職で単価が上がりやすい条件:直請け案件への移動・経験3年以上・AWS/クラウド経験あり

この記事の対象: SESからの転職を検討しているが、実際の単価・年収変化が分からず決断できないエンジニア

この記事にはHeydayの独自データが含まれています

「SESから転職した人って、本当に単価が上がったのか」——この問いに、Heydayの支援実績データで正面から答えたいと思い、この記事を書いた。

私はHeyday株式会社の営業担当・篠田です。2024〜2025年にかけて、Heydayで23名のエンジニアの転職支援に直接関わった。転職先が決まった後も、半年〜1年後のフォローアップを続けている。

そのデータを集計すると、約70%にあたる16名で転職後に月単価が上昇した。単価が上がった幅の平均は月10〜18万円。最大は月30万円のアップだった。

ただし、正直に書く。残りの30%——7名は、単価が変わらなかった、あるいは下がった。全員の単価が上がったわけではない。それも含めてこの記事に書く。

なぜ全員が上がらないのか。上がった人と上がらなかった人の間に何があったのか。それを透明にした方が、読んでいる人に役立つと思っているから書く。

ここでは、私が支援した5名の体験談と実数値を公開する。転職を成功させた条件と、後悔した事例の共通点も合わせて整理した。転職するかどうか迷っている方が、判断の材料として使える記事にしたい。


この記事で紹介する体験談の前提

掲載しているデータは、Heydayが2024〜2025年に支援した転職案件の中から、本人の同意を得た上で匿名化して掲載している。単価と収入の数値は「推定」や「業界水準の目安」ではない。実際の契約単価、または内定時に提示された固定給をもとにしている。

記事を書くにあたって、良い話だけを選ばないことを意識した。転職して後悔した事例、1回目の転職で失敗してやり直した事例も含む。Heydayとしての宣伝効果よりも、読んでいる人が現実に即した判断をできることを優先した。

また、SES転職の結果は個人のスキル・経験・タイミングによって大きく異なる。ここに書いている数値が全員に再現されるわけではない。あくまで参考データとして読んでほしい。

5つの体験談を通じて、「どういう条件が揃ったときに単価が上がりやすいか」「どういうパターンで後悔が起きるか」を具体的に把握してもらえれば、この記事の役割は果たせる。


体験談1:6年目Javaエンジニア K.T(32歳)

SES歴6年のJavaエンジニアが転職を決め、転職後に月の手取りが10万円以上変わった事例だ。K.Tさんのケースは、数字だけでなく転職に至る経緯が他のケースと異なる。

K.Tさんは転職を「決意」したわけではなかった。6年間のSES生活の中で、「どこも同じだろう」という諦めが積み重なり、ある日たまたま目にした記事で「自分の単価」を診断したことが最初のきっかけになった。診断ツールで出た数字が、当時の自分の手取りより15万円ほど高かった。その差に驚いた、というのが正直なところだったという。

K.Tさんが取材でくり返し使った言葉が「救われた」だった。これは収入の話だけではない。転職後に初めて、自分の契約単価を会社から開示された。案件を「自分で選べる」という状況が初めて生まれた。6年間「どこも同じだろう」と思い込んでいた世界の外に出たときの言葉だ。

「別に前の会社がブラックだったわけじゃない。みんな普通にいい人だったし、違法なことがあったわけでもない。ただ、情報がなかった。自分の価値が分からないまま、自分で選べないまま、なんとなく6年が過ぎた」

その「なんとなく過ぎた6年」が変わったのは、情報が開示されたことだった。単価の数字が見える。案件を選べる。疑問を聞ける。それだけのことで、毎日の仕事の意味が変わったとK.Tさんは話していた。

詳細な体験談は「SES転職体験談|6年目Javaエンジニアが「辞めてよかった」と思う理由」で読めます。


体験談2:AWSエンジニア 28歳 S.M(SES3年→直請け転職)

転職前の状況

SES歴3年。AWS実務2年、Java・Python経験あり。所属していたのは二次請けを中心に扱う会社で、クライアントに対して自分の単価がいくらで契約されているかは非開示だった。

面談でS.Mさんに最初に聞いたのは、「現在の月単価はいくらか知っていますか?」という質問だった。「知らないです。聞いたことがないし、聞いていい雰囲気でもなかった」という答えが返ってきた。

転職の動機は「給料が低い」というより「なんとなく停滞している感覚」だったという。AWSの案件に入りたいと何度か伝えていたが、会社側からは「今は別の案件でお願いしたい」という回答が続いていた。自分のキャリアが会社の都合で決まっていく感覚が蓄積して、転職を考え始めた。

項目転職前
月単価(会社受け取り)52万円
手取り月収29万円
案件形態二次請け中心
案件選択会社が決定

転職活動の経緯

面談でHeydayが最初に行ったのは、S.Mさんのスキルスタックを整理した上で、市場単価のレンジを提示することだった。Java3年・AWS実務2年・クラウド設計経験ありという条件では、直請けSES企業であれば60〜70万円のレンジが現実的だという話をした。

当時のS.Mさんは、自分の市場価値を「おそらく50万円前後」と感じていたため、この数字はサプライズだったと話していた。

転職活動にかかった期間は1.5ヶ月。直請け案件を多く持つ中小SES企業に転職した。会社規模は前職より小さかったが、月単価がそのまま本人に開示される運営体制で、案件は候補から本人が選べるという条件だった。

転職後の変化

項目転職後
月単価68万円
手取り月収38万円
案件形態直請け
案件選択3案件候補から本人が選択

手取りで月9万円の増加。月単価は16万円アップした。

S.Mさんが最も評価した変化

単価が上がったこと以外に、S.Mさんが最も印象に残っていると話したのは「案件の選択権が生まれたこと」だ。前職では、次の案件は営業側が決定していた。転職後は、3案件の候補から自分で選べるようになった。

「単価が毎回開示されるようになった。それだけで、自分が何をしているかの意味が変わった気がする。前の会社では数字が見えないから、自分が市場でどう評価されているのか分からなかった」

後悔はないという。「もっと早く動いていればよかったとは思う。でもあの時点では、自分の市場価値を知らなかったから決断できなかった。診断ツールで数字を見たことが、最初の一押しになった」と話していた。

転職のタイミングについては「SES転職タイミングはいつがベスト?」も参考になる。


体験談3:フロントエンドエンジニア 34歳 N.R(SES→フリーランス転向)

転職前の状況

SES歴5年。React・TypeScript・Vue経験あり。在籍していたのは三次請け案件が中心の会社で、単価の非開示は入社時から当然のものとして扱われていた。

N.Rさんが抱えていた違和感は、キャリアの先が見えないことだった。5年のSES経験でフロントエンドのスキルはかなり積み上がっていたが、それが収入や案件の質に反映されている実感がなかった。「スキルが上がっても手取りが変わらないなら、何のために勉強しているのか分からなくなってきた」という言葉が印象に残っている。

項目転向前
月単価(会社受け取り)60万円
手取り月収33万円
案件形態三次請け中心
単価の開示なし

フリーランス転向を選んだ理由

N.Rさんが最初に相談に来たとき、正社員での転職も選択肢に含めていた。ただし話を進めていく中で、フリーランス転向の方が現状からの変化が大きくなる可能性が高いという話になった。

理由は2つある。まず、React・TypeScript・Vueの実務5年は、フリーランス市場で引き合いが強いスキルセットだった。次に、N.Rさんがもともと「スキルを活かした仕事をしたい」という方向性を持っていたため、案件の選択権が最も大きくなる形が合っていた。

転向の準備期間は3ヶ月。エージェントの選定・ポートフォリオの整備・案件獲得の見通し立てに時間をかけた。Heydayとしては、フリーランス転向の場合も商流と単価交渉のポイントについてアドバイスを行った。

フリーランス転向後の変化

項目転向後
月単価80万円
手取り(税・経費控除前)58万円
案件の選択自分でコントロール
転向準備期間3ヶ月

税・経費控除前の数字であることに注意が必要だが、月20万円以上の増加だ。

苦労した点

転向後の最初の3ヶ月は、案件が途切れないか不安が続いたという。「1案件目を獲得するまでが一番きつかった。案件が取れなかったらどうしようという気持ちがずっとあった」と話していた。確定申告の準備や社会保険の切り替えも、想定より手間がかかった。

ただしこれらの不安は、最初の案件が決まった時点でかなり薄れたという。「1つ取れれば、次も取れる感覚がつかめた。最初の案件が受注できたことで、自分がフリーランスとしてやっていけるという実感が持てた」

後悔の有無

「後悔はない。むしろ『もっと早くやればよかった』というのが今の本音」だとN.Rさんは話した。

「三次請け構造に5年いたことで、失った収入を計算すると気持ちが複雑になる。でもあの時点では決断できなかっただろうとも思う。スキルに自信がついたタイミングで動いたことは正解だったと思っている」

フリーランスへの転向は「不安定になる」というイメージを持たれることが多い。ただしN.Rさんのケースを見ると、スキルセットと市場の需要が合っていれば、正社員より安定した収入を得られるケースも存在する。


体験談4:テスターから実装エンジニアへ 26歳 Y.K(同業種・会社変更)

転職前の状況

SES歴2年。業務はテスト・QA中心で、実装経験はほとんどなかった。Pythonは独学で勉強中だったが、仕事で使える環境が一切なかった。

Y.Kさんが転職を考えた理由は、「このままテスト業務を続けていても、3年後に自分のスキルがどうなっているか分からない」という不安だった。社内でも実装ができるエンジニアへの転換を希望していたが、「今の案件が続いているうちは難しい」という回答が繰り返された。

項目転職前
月単価38万円
手取り月収22万円
業務内容テスト・QA中心
実装経験ほぼなし

転職活動で重視したこと

Y.Kさんとの面談で話したのは、「今の時点で単価を最大化しようとすると、テスト・QA系の求人を探すことになる。でも3年後を考えると、今は多少単価が下がっても実装経験を積める環境を選んだ方が選択肢が広がる」という点だ。

Y.Kさん自身も同じ考えを持っていた。「給料が上がるより、実装経験が積める環境の方が今は重要」というのが転職の軸だった。

転職先として選んだのは、スキルアップ志向の中小SES企業だ。規模は小さかったが、若手エンジニアを実装案件に意図的にアサインする方針を持っていた。入社前の面談で、「Pythonの実装案件に入れる可能性はあるか」を具体的に確認した上で転職を決めた。

転職後の変化

項目転職後3ヶ月後
月単価48万円48万円(案件変更後)
手取り月収28万円28万円
業務内容一般システム開発Python実装案件

転職から3ヶ月後、独学していたPythonを活かした実装案件に入ることができた。月単価は転職時から変わっていないが、業務の質は転職前と大きく変わった。

Y.Kさんのコメント

「転職して給料も上がりましたが、それより成長実感が全然違う。前の職場では、いつも同じ作業をしている感覚があって、1年後の自分が見えなかった。今は次に何を学ぶかが具体的に決まっていて、それが仕事のモチベーションになっている」

「Pythonの実装案件に入れたとき、報告しようと思って担当者に連絡しました。自分が頑張ったことが実際に案件に反映されたのが初めての経験だったので」

単価を最大化することより、スキルアップできる環境を選んだケースだ。経験2年の段階では、この選択が中長期的に有効になりやすい。現状の月単価より1〜2年後の自分の市場価値を意識した転職は、特に若い段階では重要な視点だ。


体験談5(失敗→再転職事例):PM経験者 36歳 T.H

このケースは、他の4つと異なる。1回目の転職で後悔し、2回目でやり直した事例だ。SES転職の「失敗パターン」として最も学びが多いと思っているので、詳しく書く。

1回目の転職:後悔した話

T.Hさんは36歳でPM経験のあるエンジニア。SES歴8年で、要件定義・設計フェーズの経験もあった。

最初の転職先を選んだ基準は、月単価の数字だった。現職の70万円に対して75万円を提示されたため、「上がるなら問題ない」と判断した。

しかし入社してみると、商流が深い会社だった。クライアント→元請け→一次下請け→T.Hさんの会社というルートで、会社側が中抜きするマージンが分厚かった。結果として手取りはほとんど変わらなかった。

後悔のポイントは2つある。

  1. 還元率が事前に提示されなかった

面談で「還元率は何%ですか?」と聞けなかった。聞いていい質問だという認識がなかったともT.Hさんは言っていた。「聞かなかった自分の問題でもある」と振り返っていた。

  1. 商流の深さを確認しなかった

「何次請けですか?」という質問もしなかった。結果として、単価は上がっても手取りが変わらないという構造に入ってしまった。

「転職したのに何も変わってないじゃないか、という気持ちがずっとあった。会社に不満があるわけではないが、転職の意味が分からなくなった」

項目1回目転職前1回目転職後
月単価70万円75万円
手取り月収42万円42万円(ほぼ変化なし)
商流不明(確認せず)深い
還元率不明不明(入社後も非開示)

Heydayに相談してきた経緯

Heydayに相談してきたのは、1回目の転職から約1年後だった。

「転職エージェントを使ったが、SESの商流について詳しく教えてもらえなかった。単価の数字だけ見て転職したのが失敗だったと、今は分かる」

面談で最初に行ったのは、1回目の失敗を整理することだった。どの部分の確認が不足していたか、次の転職で何を変えればいいかを一緒に洗い出した。

2回目の転職:商流と還元率を確認してやり直した

2回目の転職活動では、以下の3点を必ず確認することを転職条件とした。

  1. 商流(何次請けか)を事前に開示してもらう
  2. 還元率または月単価に対する固定給の計算根拠を確認する
  3. 単価が上がる条件(スキルアップ時・更新時)を確認する

この条件を満たす転職先が見つかるまでに時間はかかったが、2ヶ月後に適切な先が見つかった。

項目2回目転職後
月単価90万円
手取り月収53万円
商流直請け
還元率事前に開示(面談で確認)

手取りで月11万円の増加。単価は1回目転職後の75万円から90万円に上がった。

T.Hさんのメッセージ

「転職回数が増えることを心配していたけど、転職の質を上げることの方が大事だったと今は思う。1回目はただ会社を変えただけだった。2回目は構造を変えた」

「あのとき還元率と商流を確認していれば、1回目の転職でもうまくいっていたかもしれない。でも確認すべきことを知らなかった。知識として持っていたら違った結果になっていたと思う」

T.Hさんのケースは、SES転職して後悔した人の共通点の記事でも典型例として紹介している。転職を検討している方は合わせて読んでほしい。


Heydayデータで見る「単価が上がった人の条件」

ここからは個別の体験談を離れて、Heydayが2024〜2025年に支援した23名分のデータを整理する。

支援結果の分布

n=23名(2024〜2025年、Heyday篠田担当)

単価アップ:約70%(16名)
単価変化なし:約17%(4名)
単価ダウン:約13%(3名)

単価が下がった3名のうち、2名はフリーランスから正社員に転向したケースだ。月単価の数字は下がったが、本人の希望(社会保険・安定収入)とのトレードオフで納得した上での選択だった。もう1名は単価よりも通勤時間の改善と環境変化を優先した転職だった。

全員の単価を上げることを目標にしているわけではない、というのが正確な説明だ。転職の目的は人それぞれで、単価以外の要素(成長環境・働き方・安定性)を重視する場合も多い。ただ「単価を上げたいのに上がらなかった」ケースは極力なくしたいと思っている。

単価が上がった人の共通条件(上位3つ)

1. 商流が改善された(三次→二次→直請け)

最も影響が大きかったのはこれだ。同じスキルレベルでも、商流が1段上がると手取りが5〜10万円変わることがある。スキルより構造の問題だとわかる事例が多かった。T.Hさんの2回目の転職や、S.Mさんのケースがこれに当たる。

「スキルが足りないから単価が上がらない」と感じているエンジニアの中に、実際はスキルではなく商流の問題だったというケースが複数あった。現職の商流を確認するだけで見通しが変わることがある。

2. 経験3年以上でAWS・クラウド実務経験あり

単価交渉において最もレバレッジが効いたのがAWSの実務経験だ。特に設計・構築フェーズに入れる経験があると、市場での希少性が上がる。

「AWSは取得者が増えているが、設計・構築の実務経験者は依然として需要が高い」というのが現場感覚だ。資格だけでなく「どの規模の案件でどのフェーズに入ったか」が単価に反映されやすい。

3. 転職前に自分の市場単価を把握していた

これは心理的な条件でもある。自分の相場を知っていると、内定時に適切な交渉ができる。知らないまま転職すると、提示された数字が良いのか悪いのか判断できない。T.Hさんの1回目の失敗はここが原因でもあった。

市場単価を事前に把握していた16名の転職成功率(単価アップ率)は、把握していなかった7名と比較して明確に高かった。知識として持っているだけで交渉力が変わる。

単価が上がらなかった・下がった人のパターン

1. 同じ商流深度の会社へ移った(会社を変えただけ)

転職したが、三次請けから三次請けへの移動だった。環境が変わっても構造は変わらない。「転職した感」が出るが、単価の根拠は何も変わっていない。

2. 単価交渉をせずに内定受諾した

「提示された数字がそのままの条件」と思い込んで交渉しなかったケース。特に経験3年以上かつクラウド経験のあるエンジニアは、交渉の余地があることが多い。交渉しなかったことで5〜10万円損していた可能性があった事例が、23名中3名いた。

3. スキルスタックの汎用性が低い(特定レガシー言語のみ)

COBOL・特定業務系パッケージなど、汎用性の低いスキルのみの場合、市場での選択肢が限られる。この場合は転職よりスキル拡張が先になることが多かった。「転職より副業でスキルを積む期間を設けた方がいい」とお伝えしたケースもある。

SES未経験の単価・年収相場と3年間の推移も合わせて読むと、経験年数ごとの相場感がつかみやすい。


転職で後悔しないためのチェックリスト

5つの体験談を通じて、共通して出てきた確認事項をまとめる。

転職前に確認すること

1. 自分の現在の市場単価を確認したか

相場を知らないまま転職先を選ぶと、提示条件の良し悪しが判断できない。まず診断ツールや面談で現在値を確認することを勧めている。「どうせ低いだろう」と諦めている人が、実際に確認したら想定より高かったというケースは珍しくない。S.Mさんはその典型だった。

2. 移転先の商流(何次請けか)を確認したか

直請けなのか、二次請けなのか、三次請けなのか。この情報を開示しない会社には注意が必要だ。「何次請けですか?」と聞いてはっきり答えてもらえない場合、その会社との交渉は難しくなる可能性が高い。T.Hさんの1回目の転職がその事例だ。

3. 還元率または固定給の計算根拠を確認したか

月単価70万円の会社に転職しても、還元率が50%なら手取りは変わらない。「還元率は何%ですか?」「月単価70万円の場合、手取りはどのくらいになりますか?」と聞いても答えられない会社とは、条件交渉が難しい。

4. 単価が上がる条件(スキル・商流・交渉)を把握しているか

自分のスキルスタックが市場でどう評価されているかを事前に知っておくと、転職活動のターゲットが明確になる。「自分のスキルでは転職しても無理だろう」と決めつけている人が、面談で市場単価を確認したら十分に交渉余地があったというケースも複数あった。

SES転職で単価が上がった事例では、条件別の具体的な事例をまとめている。自分のスキルセットと照らし合わせながら読むと参考になる。


よくある質問

Q: SES→SES転職でも単価は上がりますか?

上がるケースは多い。ただし「会社を変えるだけ」では構造が変わらないことが多い。重要なのは、移転先の商流・還元率・単価開示の有無を確認することだ。同じSES業態でも、直請け比率が高い会社と三次請け中心の会社では、同じ月単価でも手取りが大きく変わる。S.MさんやT.Hさんの2回目の転職がこれを示している。

「SES→SES転職では単価は変わらない」と言われることがあるが、商流が改善されれば変わる。問題は業態ではなく構造だ。

Q: 経験2年でも転職して単価は上がりますか?

経験2年の場合は、単価より「スキルが伸ばせる環境かどうか」を優先した転職が中長期的に有効なことが多い。体験談4のY.Kさんがその事例だ。単価の絶対値より、3年後の自分のスキルスタックを意識して転職先を選ぶと後悔しにくい。

もちろん現職の単価が極端に低い場合や、商流の問題がある場合は、経験2年でも単価が上がる可能性はある。個別の状況によるため、一概には言えない。

Q: 転職後すぐに単価は上がりますか、それとも時間がかかりますか?

転職時の条件交渉で決まる部分が大きいため、入社時点で変わるケースがほとんどだ。この記事の5名のうち、S.M・N.R・T.Hの3名は転職時点で変わった。

入社後に上がっていくパターンは、スキルアップ環境を選んだ転職(体験談4のような)で、3〜6ヶ月後に案件が変わるタイミングで反映されることが多い。「入社後に自然に上がる」という感覚でいると待ち続けることになるため、いつ・どういう条件で単価が上がるかを入社前に確認しておくことを勧めている。

Q: 転職エージェントを使った方が単価は上がりやすいですか?

エージェントの質と利益構造による。大手の総合転職エージェントは求人紹介数が多いが、SESのマージン構造や単価交渉に詳しくないことがある。T.Hさんの1回目の転職時も、転職エージェントを使っていたが商流の話は出なかったと言っていた。

SES特化で商流・還元率を開示してくれるエージェントや会社を選ぶ方が、条件面では有利になりやすい。「高還元!」という言葉を使っている会社より、具体的な数字を出せる会社を選ぶ基準にしてほしい。

Q: SES→自社開発に転職すると単価はどう変わりますか?

自社開発への転職は、固定給モデルになるケースが多い。月単価という概念がなくなり、年収での比較になる。SES時代に案件単価が高かった人は、自社開発に転職すると収入が下がるケースもある。

一方で、スキルの幅と裁量が広がりやすい点、自社プロダクトに携われる点を評価する人は多い。収入より働き方・成長環境を重視するなら選択肢として有効だが、年収比較は必ず行った上で判断してほしい。特に月単価70万円以上の場合、自社開発への転職で年収が下がるケースは多い。



まとめ

SESからの転職で単価が上がるかどうかは、スキルよりも「商流と会社選び」で決まることが多い。

5人の体験談を通じて見えてきた共通点は、転職のタイミングや目的が明確な人ほど、転職後の後悔が少ないということだ。

  • 直請け案件への移動で構造ごと変えたS.Mさん(手取り+9万円)
  • フリーランスに転向して手取りを大幅に改善したN.Rさん(月単価+20万円)
  • 単価より成長環境を優先して3ヶ月後に目標案件に入れたY.Kさん
  • 1回目の失敗から学び、2回目で商流と還元率を確認したT.Hさん(手取り+11万円)

それぞれに共通しているのは、転職の前に「自分の市場価値」と「移転先の構造」を把握していたことだ。

自分の単価を知らないまま転職先を決めると、同じ構造の別の会社に移るだけになりやすい。T.Hさんの1回目がその典型だった。「月単価が上がった」という事実だけで判断して、商流と還元率を確認しなかった。

転職は「会社を変えること」ではなく「構造を変えること」だと5つの事例は示している。

まず自分の市場価値を把握することが、転職成功の最初の一歩になる。現在の単価がどのレベルにあるかを知るだけで、転職先の条件が適正かどうかの判断軸ができる。


掲載している体験談は、本人の同意を得た上でイニシャル化・一部匿名化しています。数値は取材時点での実数値(推定含まず)をもとにしています。取材は2025〜2026年に実施しました。


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SESからの転職で単価が上がるかどうかは、スキルよりも「商流と会社選び」で決まることが多い。5人の体験から見えてきたのは、転職のタイミングや目的が明確な人ほど、転職後の後悔が少ないという共通点だ。自分の単価を知らないまま転職先を決めると、同じ構造の別の会社に移るだけになりやすい。まず自分の市場価値を把握することが、転職成功の最初の一歩になる。

案件例を見てみる

技術スタック・単価帯・勤務形態がわかる具体的な案件情報

この記事の著者

篠田

Heyday株式会社 営業担当

Heyday株式会社・営業担当篠田が転職支援した実案件データをもとに構成

Heyday株式会社 営業担当。SES業界10年。案件マッチング・単価交渉・面談対策を専門とする。「エンジニアが損をしない選び方」を軸にキャリアサポートを行う。

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