キャリア・転職22独自データあり

SES転職後の単価変化を
実態データで公開

小川将司
小川将司代表取締役

SES事業6年・n=60件の転職支援実績を持つ経営者視点で執筆

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この記事でわかること

  • n=60件の実績データで転職後の単価変化を4分類に整理
  • 単価が上がった人の共通条件は3つに絞れる
  • 一時的に下がっても長期で回復するパターンと永続的に下がるパターンの違い
  • 転職すべきでないタイミングの客観的な指標

この記事の対象: SES転職を検討中だが「本当に単価が上がるか」を確認したいエンジニア

転職エージェントのウェブサイトには「転職後に年収アップした事例」が並んでいる。しかしそれは全体の何割なのか、下がったケースは何件あったのか——その数字は一切出てこない。

Heydayでは2024年から2026年にかけて、エンジニアの転職相談・支援を60件以上行ってきた。そのデータを経営者として正直に公開する。上がったケース、変わらなかったケース、一時的に下がった後に回復したケース、下がったまま後悔しているケース——全て実態の数字として示す。

転職後に単価が上がるかどうかは、運ではなく「条件」で決まる。その条件を事前に把握しているかどうかが、結果を分ける。


n=60件の転職後単価変化データ(全体像)

Heydayが2024年〜2026年Q1に転職支援・相談対応を行ったエンジニア60件のデータを、転職後の単価変化で4分類に整理した。転職後の状況は、3〜6ヶ月後のフォローアップ・再相談・転職後報告をベースに確認している。

分類件数割合概要
転職後6ヶ月以内に単価アップ約26件約43%転職直後〜6ヶ月以内に月単価が上昇
単価は変わらないが条件が改善約18件約30%単価変化は小さいが商流・還元率・働き方が改善
一時的に下がった後に回復約10件約17%転職後3〜12ヶ月で単価が一時低下し、その後回復
下がったまま(後悔)約6件約10%転職後も単価が回復せず、後悔を表明しているケース

重要な補足として、この分類は「月単価」の変化を基準にしている。給与の手取りベースで見ると、単価が同じでも還元率の改善によって手取りが上がったケースが含まれている点に注意してほしい。

小川(Heyday代表)から: この数字を公開するのは簡単な判断ではなかった。転職後に単価が下がったケースや後悔しているケースを出すのは、「Heydayに頼んでも失敗することがある」と認めることになる。しかし、転職業界全体が成功事例しか出さない現状で、失敗データを含む正直な数字を出すことが、本当の意味での「SES透明性」だと判断した。この数字を見て転職を考え直す人がいても構わない。それよりも、不正確な期待値で転職して後悔することの方が本人にとって損失が大きい。


単価が上がった人(約40〜45%)の共通条件3つ

n=60件の中で転職後6ヶ月以内に単価が上昇したケース(約26件)を分析すると、共通する条件が3つに収束する。スキルの高さではなく、「構造的な優位性」を持っていたかどうかが分岐点だった。

条件1: 転職前の準備期間が2〜3ヶ月以上

単価が上がったケースの85%以上で、転職活動の開始から決定まで2ヶ月以上の期間を取っていた。準備期間が短いケース(1ヶ月未満)では、単価が上がった割合が大きく下がる傾向がある。

準備期間を2ヶ月以上確保していたことで、以下が実現できていた。

  • 自分の市場単価レンジを複数エージェント・求人情報で横断確認できた
  • 複数社から同時に提案をもらい、条件を比較できた
  • 「今すぐ決めなければ」という焦りなく交渉できた

SES業界の転職で単価を下げやすいのは、「今すぐ出たい」「現場が嫌だ」という感情主導で動くケースだ。感情的な焦りがある状態では、提示された条件を精査せずに受け入れてしまう。準備期間を確保することで、複数の選択肢を比較する余裕が生まれる。

単価が上がったケースの具体例:Javaエンジニア・経験4年・転職前単価65万円。準備期間2.5ヶ月で4社と面談し、商流改善(三次請け→エンド直)を条件として転職。転職後の単価は82万円、月+17万。

条件2: スキルの「旬」を正確に把握していた

スキルの市場価値には「旬」がある。同じ経験年数・同じ言語でも、2026年時点での市場での引き合いが強いスキルを持っているかどうかで、単価の交渉力が変わる。

単価が上がったケースの多くは、自分のスキルセットの中で「現在市場が高く評価しているもの」を正確に把握し、それを前面に出して転職活動を行っていた。

2026年現在、SES市場で単価上昇圧力が強いスキル群:

  • クラウドネイティブ(AWS・Azure・GCP)×IaC(Terraform・Pulumi)の組み合わせ
  • 生成AI案件の設計・実装(LLMオーケストレーション・RAG構築)
  • SAP・ServiceNow・Salesforce等のERPスペシャリスト(希少性が高い)

反対に「スキルはあるが旬ではなかった」ために単価が上がりにくかった例もある。例えば特定の社内向け独自フレームワークの経験が多く、汎用性のある技術スタックへの転換が遅れていたケースだ。

自分のスキルの「今の市場評価」を確認するには、Heydayの市場単価診断ツールが参考になる。スキルセット・経験年数・クラウド経験を入力すると、現在の市場単価レンジが確認できる。

条件3: 転職先の商流が浅かった(直接取引 or 2次請けまで)

単価が上がったケースで最も明確な要因として出てくるのが「商流の改善」だ。

SES業界の構造として、同じスキル・同じ経験年数のエンジニアでも、参画する案件の商流(エンド企業から何次請けの会社か)によって月単価が10〜25万円変わることがある。これはHeydayの実案件データからも一貫して確認できる。

商流の深さ同スキルセットの単価差(目安)
エンド直 / 元請けベースライン(最高水準)
2次請けベラインより5〜10万低い傾向
3次請けベースラインより10〜20万低い傾向
4次請け以下ベースラインより20〜30万低い傾向

三次請けから直請け企業への転職のみで、スキルは同等のまま月単価が20万上昇したケースがHeydayのデータに複数ある。「転職で単価が上がる」と言われる現象の多くは、スキルアップではなくこの商流改善によるものだ。

転職先を決める前に「その会社の主要案件はエンド直か、何次請けか」を確認することが、最も確実な単価アップの方法になる。SES企業の選び方と商流の見分け方でも詳しく解説している。


単価は変わらなかったが条件が改善した人(約30%)

60件中約18件(約30%)は、転職後の月単価の変化は小さかった(±5万円以内)が、それ以外の条件が改善したケースだ。このグループを「失敗」と分類するのは正確ではない。

条件改善の内訳は以下の傾向があった:

  • 還元率の改善: 同じ単価でも会社のマージン率が下がり、手取りが月3〜8万円増えたケース
  • リモート移行: 現場常駐からリモートワーク可能な案件への移行で、通勤コスト・時間の削減
  • 商流改善(単価は変わらないが案件品質が上昇): スキルアップ環境の改善、上流工程への参画
  • 会社の透明性改善: マージン率非開示・説明なしから、単価・還元率をオープンにする会社へ

このグループで注目すべきは、「単価という数字」より「働き方や将来性」を優先して転職した人が多いことだ。単価が同じでも、スキルが積める現場・透明性の高い会社への転職は、2〜3年後の単価上昇につながっているケースが多い。

「単価を今すぐ上げることより、1〜2年後に上がる環境に移ることが重要だと考える人は、結果的に正しい判断をしていることが多い。Heydayの過去実績を見ても、転職時に単価が横ばいでも、良い環境に移った人の方が2年後の単価が高い傾向がある。」(小川・Heyday代表)

このグループへの判断として伝えたいのは、「転職後の単価が変わらなかった=転職失敗」ではないということだ。何を改善したくて転職したかによって、評価基準は変わる。


一時的に下がった後に回復した人(約15〜20%)

60件中約10件(約17%)は、転職直後に単価が一時的に下がったが、その後回復したケースだ。

なぜ転職直後に単価が一時的に下がるのか

一時的な単価低下が起きる原因はいくつかある。

原因1: 新会社での実績がゼロからのスタート

転職先で最初に参画する案件は、「未知の人材」として評価されるため、前職の実績が直接反映されにくい。特に、前の会社と異なる技術スタックへ移行した場合、「即戦力として評価される実績」がない状態で案件探しが始まる。このため、最初の案件は市場単価より低めで始まるケースがある。

原因2: 転職タイミングと案件市場のミスマッチ

SES案件の需要には波がある。転職した時期が案件需要の低いタイミングと重なると、希望条件での案件が見つかりにくい。特定の技術スタックへの需要が一時的に低迷している時期に転職したエンジニアは、最初の案件で妥協を強いられることがある。

原因3: スキル転換を目的とした意図的な単価低下

新しいスキル領域(例:インフラからAI案件への転向、SIerからクラウドネイティブへの移行)を積むために、意図的に単価を下げて案件に入ったケースもある。このパターンは「一時的に下がった後に回復」というより「将来の投資として下げた」と表現する方が正確だ。

どう回復するか

一時的に下がった後に回復したケースの共通点は、「回復までのシナリオを転職前から持っていた」ことだ。

具体的には、転職先の会社と「6ヶ月後・1年後の単価見直し条件」を転職前に確認していた人が多い。「最初の案件は学習コストがあるので低めで受ける。3ヶ月後にXXを達成したら単価を上げてほしい」というような合意を転職前にしておくことで、回復への道筋が明確になる。

SES転職のタイミング見極め方でも解説しているが、転職直後の単価より「6ヶ月後・1年後の単価」を判断基準にすることが重要だ。


下がったまま後悔している人(約5〜10%)が陥ったパターン

60件中約6件(約10%)は、転職後も単価が回復せず、転職を後悔しているケースだ。

このケースを正直に分析する。後悔の原因は「転職先を選び間違えた」だけではない。5つのパターンに分類できる。

パターン1: 商流が変わらないまま会社だけ変えた

最も多い失敗パターン。「今の会社に不満があるから別の会社に行く」という発想で転職した結果、新しい会社も同程度の商流の深さで、単価の改善が見られなかったケース。

「転職したら単価が上がる」という期待は、商流が改善される場合に成立する。商流が変わらなければ、同じスキルセットで別の会社に移っても単価への影響は限定的だ。

パターン2: 市場単価を把握しないまま提示条件を受け入れた

自分のスキルセットの市場単価を事前に確認せずに転職活動を行い、提示された条件をそのまま受け入れたケース。後から「自分のスキルだとあの水準が適正だった」と気づいても、入社済みの状況では単価を上げるための交渉力が低い。

このパターンは、既存記事「SES転職後に後悔した23人のデータ」でも詳しく分析している。

パターン3: 単価が高い案件に飛びついてスキル成長が止まった

転職直後の単価は上がったが、その後の単価が停滞または下落したケース。短期的に高単価の案件に入れたが、その案件では汎用性の高いスキルが積めなかった。1〜2年後に案件が終了した際、次の案件で同等の単価を維持できなかった。

「今の単価」だけでなく「この案件で何のスキルが積めるか」を転職時に確認しないと、中期的な単価の停滞につながる。

パターン4: 転職後の会社でマージン率が悪化した

転職後、最初の案件は条件が良かったが、2件目以降の案件でマージン率が高くなった、あるいは当初の条件説明と実態が異なっていたケース。転職前に確認した「還元率の水準」が転職後に変動するリスクを想定していなかった。

転職時に「還元率は固定か変動か」「案件ごとに変わる場合の条件は何か」を確認しておくことで防げる後悔だ。

パターン5: 転職のタイミングが悪く、スキル市場の下落と重なった

特定スキルへの市場需要が下落した時期に転職したケース。例えば、あるフレームワーク・言語への需要が企業側で下がっているタイミングで転職した場合、転職前には通っていた単価水準が通りにくくなっていた。

スキルの「旬」は数年単位で変化する。転職前に「今のスキルセットへの市場需要が今後どう変化するか」を確認することが、このリスクを軽減する。


転職後に単価アップを確実にする5つの条件チェックリスト

上記の分析をもとに、転職前に確認すべき5つの条件をチェックリスト化した。この5点が揃っているかどうかを、転職先の決定前に確認してほしい。

チェック1: 自分のスキルセットの市場単価レンジを数字で把握しているか

「自分の単価がいくらくらいが適正か」を、感覚ではなく複数の情報源で確認できているかどうか。

確認方法:

判断基準: 提示された単価が自分の把握している相場レンジ内に入っているかどうか。

チェック2: 転職先の主要案件の商流が把握できているか

転職先の会社が主にエンド直・2次請けか、3次請け以下かを確認できているかどうか。

確認方法:

  • 「主に参画している案件はエンド直案件が多いですか、下請けが多いですか」と直接聞く
  • 「最初に参画予定の案件の商流(何次請けか)を教えてもらえますか」と具体的に確認する
  • 提示されている案件例の発注元(エンド企業名)が実際の企業か確認する

判断基準: エンド直または2次請けが主体の会社を選ぶ。「ほとんどが3次以下」の場合は単価改善の期待値が低い。

チェック3: 還元率(単価に対する給与の割合)を確認したか

転職後の手取りを決める「還元率」を、転職先に確認しているかどうか。

確認方法:

  • 「御社の還元率はどのくらいですか」と直接質問する
  • 「案件単価が70万の場合、給与はどのくらいになりますか」と具体例で確認する
  • 答えを避ける会社は還元率が低い可能性が高いため、判断材料にする

判断基準: 還元率65%以上が目安。70%以上は業界水準より良い。60%以下は慎重に。

チェック4: 転職後の単価見直し条件が合意できているか

入社後に単価を上げるための条件(タイミング・評価基準)を、転職前に確認・合意できているかどうか。

確認方法:

  • 「最初の案件は単価Xで始める場合、次の案件・次回の単価交渉はどのタイミングで可能ですか」
  • 「スキルアップした場合の還元率や給与の見直しルールはありますか」

判断基準: 「実績を積んだら交渉できる」が明言されており、具体的なタイミングが確認できること。

チェック5: 転職理由が「逃げ」だけではなく「得たいもの」が明確か

現状への不満から逃げるだけでなく、転職後に何を得たいかが言語化できているかどうか。

確認の問いかけ:

  • 転職先で具体的に何のスキルを積みたいか言えるか
  • 転職後の単価を具体的にいくらにしたいか言えるか
  • なぜその会社でそれが実現できると思うか根拠を説明できるか

判断基準: 「今の会社が嫌」だけでなく「次の会社でXを得る」が言語化できている状態。


SES転職で単価を下げないために今すぐできること

転職を検討し始めた段階から、単価を上げるための準備は始められる。「転職しよう」と決めてから動き始めるのでは遅い。

今の自分の市場単価を把握する(1日でできる)

転職活動の前提として、自分のスキルセットが現在の市場でどう評価されているかを把握する。これを知らないまま転職活動に入ると、提示された条件が適正かどうかの判断軸が持てない。

最も手軽な方法はHeydayの市場単価診断ツールを使うことだ。言語・経験年数・クラウド経験・上流工程経験を入力すると、現在の市場単価レンジと、単価を上げるために伸ばすべきスキルの目安が確認できる。転職前に自分のポジションを把握するための出発点として活用してほしい。

転職活動に入る前に商流別の案件単価を確認する

Heydayの案件例ページでは、実際に参画した案件の技術スタック・単価レンジ・商流の情報を公開している。「自分のスキルセットでエンド直案件に入った場合、単価はどのレンジになるか」の参考データとして確認できる。

転職相談をする前に自分の転職理由を言語化する

転職相談を持ちかける前に、以下の3点を言語化しておく。

  1. なぜ今の会社・状況から転職するのか(逃げたい理由を正直に)
  2. 転職後に具体的に何を得たいか(単価・スキル・働き方)
  3. それを実現するために今できていること・できていないこと

この3点を言語化できていると、エージェント・会社との面談で的外れな提案が減り、自分に合った選択肢が出やすくなる。キャリア相談で相談する際も、このフォーマットで伝えると整理しやすい。



FAQ

Q1. SES転職後に単価が上がる確率はどのくらいですか?

Heydayが2024〜2026年Q1に支援したn=60件のデータでは、転職後6ヶ月以内に月単価が上昇したケースは約43%(約26件)。単価は変わらないが条件が改善したケースを含めると約73%で何らかの改善があった。単価が下がったままのケースは約10%(約6件)だった。ただし、これはHeydayへ転職相談に来た層のデータであり、SES転職全体を代表する数字ではない点に注意してほしい。

Q2. SES転職で単価が上がりやすいスキルセットは何ですか?

2026年現在、単価上昇圧力が強いのはクラウドネイティブ(AWS・Azure・GCP)×IaC、生成AI案件の設計・実装経験、SAP・ServiceNow・Salesforce等のERPスペシャリストだ。反対に、独自フレームワーク依存度が高く、汎用スキルへの転換が遅れているケースは単価交渉力が弱くなりやすい。自分のスキルの市場評価は診断ツールで確認できる。

Q3. 転職後に単価が一時的に下がってしまった場合、どう対処すればよいですか?

まず「なぜ下がったか」を分類する。商流・還元率の問題なのか、スキルの市場評価の問題なのかで対応が変わる。商流・還元率の問題であれば、次の案件更新時に改善交渉するか、転職を再検討するかが選択肢になる。スキルの市場評価の問題であれば、現場で積めるスキルを意識的に選び、3〜6ヶ月後の再交渉を目指す。いずれの場合もキャリア相談から現状を整理する相談が可能だ。

Q4. SES転職の準備期間はどのくらい取るべきですか?

Heydayのデータでは、単価が上がったケースの85%以上で準備期間が2ヶ月以上あった。最低でも2ヶ月、できれば3ヶ月の準備期間を確保することを勧める。準備期間に行うことは「自分の市場単価の把握」「複数社との面談」「商流・還元率の比較」の3点だ。転職タイミングの見極め方も合わせて確認してほしい。

Q5. SES転職後の単価交渉はいつ行うのが最適ですか?

転職直後は「初回案件の実績がない」状態なため、交渉力が低い。最初の案件終了〜更新のタイミング(入社後3〜6ヶ月後)が初回交渉の適切な時期だ。ただし、転職前に「3〜6ヶ月後に単価見直しの交渉ができる」ことを確認できている会社への転職が前提になる。転職前にこの条件を合意していない場合、交渉のタイミングが不明確になりやすい。SES年収交渉ガイドでも詳しく解説している。

Q6. 転職して単価は上がったのに手取りが増えないのはなぜですか?

単価が上がっても還元率が下がると、手取りは増えない。例:単価65万円・還元率75%の会社(手取り48.75万)から、単価75万円・還元率60%の会社(手取り45万)へ転職した場合、単価は10万上がるが手取りは3.75万減る。転職時は「月単価」だけでなく「手取りシミュレーション(単価×還元率)」で比較することが重要だ。

Q7. SES転職で失敗しないために最も重要なことは何ですか?

最も重要なことは「市場単価を把握した状態で転職活動を始めること」だ。自分のスキルセットで何が適正単価か知っているだけで、提示条件の評価基準が持てる。次に重要なのが「商流の確認」。同じスキルで商流が変わるだけで月10〜20万の差が出る。この2点を押さえた転職活動と、感覚で動く転職活動では結果が大きく変わる。

Q8. SES転職はどのタイミングで後悔しやすいですか?

後悔が多いのは「今すぐ出たい」という感情主導で動いたケースだ。現場や上司への不満が頂点に達した状態で転職活動を始めると、準備期間が短くなり、複数社を比較する余裕がなくなる。転職を考え始めた段階(感情が頂点に達する前)から情報収集を始めることで、冷静な判断ができる状態を保てる。SES転職で後悔した23人のデータも参照してほしい。

Q9. 商流が深い会社から浅い会社への転職は難しいですか?

スキルセットがエンド直・2次請け案件で要求される水準を満たしていれば、転職自体は難しくない。むしろ「三次以下の現場で積んだ経験をどう評価されるか」の整理が必要になる。実務で何の技術を使い、どのフェーズを担当していたかを具体的に説明できる状態を作ることで、商流の壁を越えやすくなる。

Q10. SES転職を検討しているが、まず何から始めるべきですか?

まず現在の自分の市場単価を把握することから始める。Heydayの市場単価診断ツールでスキルセット別の市場単価レンジを確認し、「今の自分のポジションが相場と比べてどうか」を数字で把握する。その結果をもとに「転職で単価を上げる余地があるか」「そのためにどの条件を改善すべきか」を整理する。情報不足のまま転職エージェントに登録するよりも、自分のポジションを把握した状態で動く方が、交渉力が上がる。


まとめ:転職後の単価変化は条件で決まる

Heydayのn=60件のデータで見ると、転職後に単価が上がったケースが約43%、条件改善を含めると約73%で何らかの改善があった。一方、約10%は単価が下がったままで後悔している。

「転職すれば単価が上がる」は半分正しく、半分間違いだ。単価が上がるケースに共通するのはスキルの高さではなく、「商流の改善」「市場単価の事前把握」「十分な準備期間」の3条件だ。この3条件が揃っているかどうかが、転職後の結果を分ける。

転職を検討しているなら、まず今の自分の市場単価を把握することから始めてほしい。数字で自分のポジションを把握した状態で動く転職と、感覚で動く転職では、結果が変わる。

転職前に具体的な案件の単価レンジを確認したい場合は案件例ページを、キャリアの相談をしたい場合はキャリア相談から連絡してほしい。

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この記事の著者

小川将司
小川将司

Heyday株式会社 代表取締役

SES事業6年・n=60件の転職支援実績を持つ経営者視点で執筆

Heyday株式会社 代表取締役。エンジニア・PM/PdMを経験後、SES事業を創業。複数クライアント現場でAI導入コンサルティングを担当。「ITをもっとフェアに」を掲げ、マージン構造の開示に取り組む。

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