単価・収入27独自データあり

インフラエンジニアの
SES単価

小川将司
小川将司代表取締役

Heyday株式会社代表・小川将司が実案件データをもとに解説

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この記事でわかること

  • インフラエンジニアの単価は『担当業務』で決まる。ネットワーク運用40〜55万・サーバー構築50〜70万・クラウド設計80〜100万・セキュリティ/IaC90〜120万の4階層構造
  • 運用保守の単価は55〜60万円で頭打ちになる。設計・構築フェーズへの移行が単価のターニングポイント
  • オンプレ→クラウドの転向で単価が月15〜30万円上がる。ネットワーク基礎を持つ人のクラウド参入は特に高単価化しやすい

この記事の対象: 現役のインフラエンジニア(ネットワーク/サーバー/クラウド)で、自分の単価が適正か知りたい人。運用保守からの脱出と単価アップの道筋を具体的に把握したい人

インフラエンジニアのSES単価は40〜120万円。担当業務で4階層に分かれる——ネットワーク運用40〜55万、サーバー構築50〜70万、クラウド設計80〜100万、セキュリティ/IaC90〜120万。同じ「インフラエンジニア」でも、運用に閉じる人と設計に踏み込んだ人で月額60万円以上の差がつく。これがHeyday 2026Q1の実案件データから見える現実だ。

「経験10年あるのに単価が55万円から動かない」「AWS SAAを取ったが単価交渉できない」——こうした相談の裏側には、ほぼ例外なく『担当業務フェーズが運用に閉じている』という構造がある。資格や経験年数より先に、いま自分がどのフェーズの業務を担当しているかが単価を決めている。

私はHeyday株式会社の代表として6年間SES事業を経営し、ネットワーク・サーバー・クラウド移行の案件を毎月扱ってきた。この記事では業務フェーズ・経験年数・資格・移行ルート別の単価を、Heyday一次データと共に整理する。運用保守エンジニアの「単価の天井」問題と、クラウドへの転向で単価が実際にどう変わるかは、SERPの上位記事ではほとんど触れられていない。この記事の独自価値はそこにある。


インフラエンジニアのSES単価は「担当業務」で決まる

インフラエンジニアの単価は、保有している言語・資格よりも先に「今どのフェーズの業務を担当しているか」で大きく決まる。これがフロントエンド・バックエンドエンジニアの単価構造との最大の違いだ。

業務フェーズ別の単価レンジを整理すると、4つの階層になる。

業務フェーズ単価レンジ(月額)主な仕事内容
ネットワーク運用・保守40〜55万円監視、障害対応、設定変更、ベンダー調整
サーバー構築・運用50〜70万円Linux/Windowsサーバー構築、ミドルウェア管理、運用設計
クラウド設計・構築80〜100万円AWS/Azure/GCPの設計・構築、IaC、移行プロジェクト
セキュリティ・IaC専門90〜120万円セキュリティ設計、Terraform/CloudFormation、SRE

この単価差が「同じインフラエンジニア」のなかで生まれている事実こそが、キャリア戦略を考えるうえで最も重要な情報だ。

ネットワーク運用・保守:40〜55万円の壁と上限理由

ネットワーク運用・保守は、インフラエンジニアの入り口として最も多くの人が経験するフェーズだ。Cisco・Juniper等のネットワーク機器の監視、障害対応、設定変更、ベンダー調整が主な業務になる。

単価レンジは40〜55万円で、経験10年を超えても55〜60万円で頭打ちになるケースが多い。理由は3つある。

  1. 代替可能性が高い — 監視・運用業務はマニュアル化されやすく、未経験者でも数ヶ月の研修で対応できる業務が多い。市場で「希少性のあるスキル」として扱われにくい
  2. 24時間365日のシフト構造 — 深夜・休日対応を組み込むため、単価よりも「稼働できる時間帯の調整」が交渉のメインになりがち
  3. 設計工程に関わる機会が少ない — 既存ネットワークの保守が中心のため、新規設計・構築の経験を積む機会が構造的に乏しい

CCNAやCCNPを持っていても、運用保守業務に閉じている限りは55万円前後がほぼ天井になる。これは私自身がHeydayで案件を扱うなかで、繰り返し見てきた構造的な現実だ。

サーバー構築・運用:50〜70万円

Linux/Windowsサーバーの構築・運用は、ネットワーク運用より一段階上の単価レンジになる。具体的にはApache/Nginx・MySQL/PostgreSQL・Active Directory・WSUS等のミドルウェア管理を含む業務だ。

単価レンジは50〜70万円。スキル次第では設計工程に踏み込めるため、運用保守と違って「上が見える」ポジションだ。

経験年数単価レンジ(月額)主な担当業務
1〜3年50〜60万円サーバー構築、ミドルウェア設定、運用手順書作成
3〜5年60〜70万円運用設計、パフォーマンスチューニング、障害分析
5年以上65〜80万円インフラ全体設計、移行プロジェクトのリード

Linuxの深い知識(カーネル・systemd・SELinux等)と、シェルスクリプト・Ansible等の自動化スキルがあると、単価帯の上限に到達しやすい。「サーバーを動かしている」から「サーバー基盤を設計できる」への転換が、70万円の壁を越える条件になる。

クラウド設計・構築(AWS/Azure/GCP):80〜100万円

AWS・Azure・GCPの設計・構築フェーズに入ると、単価は一気に80〜100万円帯に上がる。これが「クラウドに転向すれば単価が上がる」という業界通説の根拠だ。

具体的には以下のような業務だ。

  • AWS: VPC設計、ECS/EKS構築、RDS設計、IAM設計、CloudFormation/Terraformでのインフラ管理
  • Azure: Azure VNet設計、AKS構築、Azure SQL設計、Microsoft Entra ID(旧Azure AD)統合
  • GCP: VPC設計、GKE構築、BigQuery基盤、Cloud Run/Cloud Functions

単価が一気に上がる理由は明確で、**「設計・構築できる人が市場に絶対的に不足している」**からだ。クラウド利用企業数は増加しているが、深く設計できるエンジニアは追いついていない。需給のミスマッチが単価に直結している。

クラウド別の細かい単価差は次の記事で扱っているので併読してほしい。

セキュリティ・IaC:90〜120万円

インフラ系のなかで最も単価が高いのが、セキュリティとIaC(Infrastructure as Code)の専門領域だ。

単価レンジは90〜120万円。具体的には以下のような業務だ。

  • セキュリティ設計: ゼロトラスト設計、IAMポリシー設計、SOC2/ISO27001対応、SIEM運用
  • IaC専門: Terraform/CloudFormation/Pulumiでの大規模インフラ管理、CI/CDパイプライン設計
  • SRE: SLO/SLI設計、可観測性プラットフォーム構築、インシデント対応プロセス設計

この単価帯に到達するには、クラウド設計の実務経験5年以上に加えて、業界横断のセキュリティ要件や、組織レベルでのIaC運用経験が必要になる。資格としては、AWS Security Specialty、CISSP、Terraform Associate等が単価交渉の補強材料になる。


Heyday実案件データで見るインフラ職種別単価マトリクス(2026Q1)

Heydayが2026年1〜3月に取り扱ったインフラ系案件のデータを、業務フェーズ×スキル×経験年数で整理した。エンド直または1次請けの案件のみを対象にしている。

経験年数×業務フェーズの単価表

経験年数ネットワーク運用サーバー構築クラウド設計セキュリティ/IaC
1〜3年40〜50万円50〜60万円60〜75万円
3〜5年45〜55万円60〜70万円75〜90万円80〜95万円
5〜8年50〜60万円65〜80万円85〜100万円90〜110万円
8年以上55〜65万円70〜85万円95〜110万円100〜120万円

出典:Heyday 2026年Q1 インフラ系案件データ(エンド直・1次請けのSES正社員案件、リモート可・みなし残業なし条件)

この表で注目してほしいのは、経験年数を重ねても担当業務がネットワーク運用に閉じている限り、単価は60〜65万円が天井になっているという事実だ。同じ8年以上でも、クラウド設計に移れば95〜110万円。35〜45万円の差がつく。

「クラウド専任」と「オンプレ+クラウド兼任」の単価差

Heydayの案件データでは、クラウド専任エンジニアと「オンプレ+クラウド兼任」エンジニアで単価に明確な差が出ている。

  • クラウド専任(経験3〜5年): 月額75〜90万円
  • オンプレ+クラウド兼任(経験3〜5年): 月額70〜85万円
  • マルチクラウド対応(AWS+Azure or AWS+GCP): 月額85〜100万円

「兼任」が単価を下げているのではなく、専任のほうがクラウドの深掘りが進みやすいぶん高単価帯にハマりやすい、というのが実態だ。マルチクラウド対応者は希少性が高く、単価のプレミアムがつく。


運用保守の単価が55〜60万で止まる3つの構造的理由

ここからは、現役エンジニアが最も悩んでいる「運用保守の単価の天井」問題に正面から向き合う。

運用保守の単価上限が55〜60万円に張り付く理由

ネットワーク運用・サーバー運用に長く携わってきたエンジニアから、「経験年数を重ねているのに単価が上がらない」という相談を受けることが多い。SES営業として実際に案件を見てきた立場から言うと、これには3つの構造的な理由がある。

理由1: 運用業務の単価設計が「人月の単純計算」に閉じている

運用業務は工数ベースで単価が決まる傾向が強い。「8時間×20日稼働で月50万円」という積み上げ型の計算式が業界標準になっており、経験年数による上振れ余地が小さい。クライアント側も「運用に高単価は払えない」という意思決定構造になっている。

理由2: 設計工程の経験を「持っていない」と評価されない

経験10年あっても、運用にしか携わってこなかったエンジニアは、次の案件面談で「設計経験は?」と聞かれて答えられない。これだけで単価帯が55〜60万円のレンジに張り付く。逆に言えば、設計経験を1案件でも作れれば、次の単価交渉のフェーズが変わる

理由3: 自動化・IaC化の波に飲まれる前提で価格設計されている

監視・運用は徐々にクラウドネイティブツール(CloudWatch・Datadog・Prometheus等)とIaCで自動化されており、人手による運用業務の市場価値が下がる前提で単価が組まれている。これは構造的な逆風だ。

設計・構築フェーズへの移行が単価ターニングポイント

運用保守エンジニアが単価を上げるための最短ルートは、「現場で設計・構築フェーズに踏み込む」ことだ。「次の案件で設計を担当したい」と希望を出しても、設計経験ゼロの状態では受け入れられない。今の現場で設計の入り口に踏み込む必要がある。

具体的なアクションは3つある。

  1. 現場の運用設計書・構築手順書をレビュー対象として読む — 「なぜこの構成になっているか」を理解するだけで設計思考が身につく。レビュー時に質問できれば、設計に関わったと言える実績になる
  2. 小規模な構築タスクに手を挙げる — 監視ツールの追加、新規サーバーの構築、Ansibleプレイブックの新規作成など、小さくても「設計→構築」のサイクルを回した経験を作る
  3. 障害分析の資料を自分で書く — 障害の根本原因分析・再発防止策の設計は、立派な「設計経験」として次の案件面談で語れる

「Heydayで担当したエンジニアのなかで、運用保守歴8年から設計フェーズに踏み込んで単価を55万円から72万円に上げた事例がある。最初のきっかけは、現場のCloudWatchアラート設計の見直しを自分から提案したことだった。設計経験ゼロから1の実績を作るのに、必要な期間は3〜6ヶ月だ」(小川将司)

「設計をやらせてもらえない現場にいる」と感じている人は、その現場では単価が上がらない。現場を変える判断もキャリア戦略の一部だ。


オンプレ→クラウド転向で月15〜30万円上がった3パターン

「オンプレからクラウドに転向すれば単価が上がる」という話は、業界内でよく聞かれる。実際にHeydayの案件データで検証してみる。

オンプレ→AWS移行で単価が変わった3パターン

Heydayで実際に担当したエンジニアの単価変化を3パターン紹介する。本人特定を避けるため、業種と経験年数のみ記載している。

パターン1: 金融系オンプレ運用5年 → AWS設計に転向(単価58万→82万)

金融系のオンプレサーバー運用を5年経験したエンジニアが、AWS SAA取得後に小規模なクラウド移行プロジェクトに入った。最初の案件は「既存オンプレ環境のAWS移行アシスタント」というポジションで、単価は60万円スタート。半年後の更新時に「VPC設計とECS構築を主導」という実績で82万円に交渉成功した。

パターン2: 通信業ネットワーク運用7年 → AWS+Network専門に転向(単価54万→88万)

ネットワーク運用一筋7年のエンジニアが、AWS Advanced Networkingの実務経験を積んだ。Direct Connect・Transit Gateway・PrivateLink等の設計に踏み込めるネットワーク出身エンジニアは市場で希少性が高く、単価が54万円から88万円まで一気に上がった。

パターン3: SIerサーバー構築4年 → AWS+IaC専任に転向(単価65万→92万)

SIerでサーバー構築4年の経験を持つエンジニアが、Terraformでのインフラ管理を実務で1年経験した後、AWS+IaC専任ポジションに転向。65万円から92万円までの単価変化があった。

ネットワーク経験がある人のクラウド参入が高単価な理由

3パターンのうち、特にパターン2の「ネットワーク経験者のクラウド参入」は単価上昇幅が大きい。これには明確な理由がある。

クラウド設計者の多くはアプリケーション開発出身者で、ネットワーク基礎(OSI参照モデル・BGP・サブネット設計・ルーティング)が弱いケースが多い。一方、AWS・Azure・GCPの大規模設計では、Direct Connect/ExpressRoute/Cloud Interconnect等のオンプレ接続設計が必須になる。

「クラウドのVPC設計だけでなく、オンプレ側のネットワーク設計も語れる」エンジニアは市場でほぼ唯一無二のポジションになる。これがネットワーク経験者のクラウド参入が高単価化する構造的な理由だ。

クラウド移行を成功させる最短ルート

オンプレからクラウドに移行したい人向けの最短ルートを整理する。

  1. 資格を1つ取得する(3ヶ月) — AWS SAA、Azure AZ-104、GCP ACEのいずれか1つ。学習時間100〜150時間。これは「クラウドの体系的知識を持っている」ことの証明になる
  2. 小規模なクラウド移行プロジェクトに入る(6ヶ月) — SES営業に「クラウド移行プロジェクトに入りたい」と明示する。アシスタントポジションでも構わない。実務経験1案件があるかないかで、次の単価が大きく変わる
  3. 更新タイミングで単価交渉(その後) — クラウド設計の経験を1案件積んだら、次の更新で「クラウド設計経験者」として単価交渉する

このルートで、半年〜1年で単価が15〜30万円上がる事例が複数ある。


インフラ系資格の単価加算効果比較【CCNA/LinuC/AWS SAA/AZ-104/GCP ACE】

インフラ系資格は、単価交渉の補強材料として効く場面と効かない場面が明確に分かれる。Heydayの案件データから、各資格の単価加算効果を整理する。

各資格の単価加算目安

資格名領域学習時間(目安)単価加算効果コスパ評価
CCNAネットワーク基礎100〜150時間+2〜5万円(運用→設計移行時)
CCNPネットワーク上級200〜300時間+5〜10万円(実務経験ありで)
LinuC レベル2Linux運用150〜200時間+2〜5万円
AWS SAAAWS設計(Associate)100〜150時間+5〜10万円
AWS SAPAWS設計(Professional)200〜300時間+10〜15万円
AZ-104Azure管理100〜150時間+5〜8万円
GCP ACEGCP管理80〜120時間+3〜7万円
Terraform AssociateIaC50〜80時間+3〜8万円(実務必須)
AWS Security Specialtyクラウドセキュリティ150〜200時間+8〜15万円

CCNA・AWS SAA・Terraform Associateの3つが、コスパで突出している

CCNAは「運用から設計に上がる」局面で説得力を持つ。AWS SAAは100〜150時間の学習で5〜10万円の単価上乗せ効果があり、年収換算で60〜120万円。Terraform Associateは実務経験と組み合わせると、IaC専門として高単価帯(90〜100万円)に届く。

「資格だけでは上がらない」3パターン

ただし、資格を取っただけでは単価が上がらないケースが多い。Heydayで実際に観察した「資格だけでは上がらない」3パターンを共有する。

パターン1: 資格はあるが、対応する実務経験ゼロ

AWS SAAを取得したが、現場でAWSを触る機会がない状態では、面談で「設計経験は?」と聞かれて答えられない。資格は実務経験を補強する材料であり、代替するものではない。

パターン2: 運用業務に閉じた現場で資格取得

ネットワーク運用の現場でCCNPを取っても、運用業務の単価レンジ(40〜55万円)から抜けるのは難しい。資格よりも先に、設計経験を作るための「現場の選び直し」が必要だ。

パターン3: 資格と現場のスキルが噛み合わない

GCP ACEを取得したが、現場はAWS環境という状況では、GCP単価加算効果は次の案件まで持ち越しになる。資格選択時には「次の3〜6ヶ月で実務に入れる現場」を意識して選ぶ必要がある。


2026年はインフラ需要が50.9%に拡大|AI時代の追い風構造

ここまでインフラエンジニアの単価構造を整理してきたが、2026年は単価上昇のチャンスが構造的に増えていることに触れておきたい。

Claude Code・AIツール台頭でインフラ案件が50.9%に増加

Heydayが分析したエンジニアファクトリーの案件データ6813件では、コーディング案件が24.8%から13.5%に減少する一方、インフラ・クラウド案件が37.5%から50.9%に増加している。詳細は以下の記事で扱っている。

SESのコーディング案件がほぼ半減|Claude Code/Codex台頭でインフラ需要が50.9%に増加

これは何を意味しているか。生成AIツールがコード生成を肩代わりしつつあるなか、インフラ・クラウド・セキュリティといった「AIが代替しにくい領域」に案件が集中しているということだ。

具体的には以下のような領域に需要が偏っている。

  • クラウド移行プロジェクト: AI開発の本格化で計算リソースの再設計が必要、移行案件が増加
  • セキュリティ設計: AI活用に伴うセキュリティ要件の高度化(プロンプトインジェクション対策・ログ監査)
  • MLOps・AI基盤: SageMaker・Bedrock・Vertex AIなどのAI基盤運用エンジニアへの需要急増
  • SRE・可観測性: 複雑化するシステムの監視・SLO設計

SRE・セキュリティへの拡張可能性

インフラエンジニアが2026年以降に単価を上げる方向性として、SREとセキュリティへの拡張が最も効果的だ。

  • SRE(Site Reliability Engineering): 単価100〜130万円帯。SLO/SLI設計、Datadog/New Relic等の可観測性プラットフォーム運用、インシデント管理
  • クラウドセキュリティ: 単価100〜130万円帯。AWS Security Specialty、CISSP保有者は希少性が高い
  • AI基盤エンジニア: 単価110〜140万円帯。SageMaker・Bedrock・Vertex AIの基盤設計

「インフラエンジニア」という職種名で括られていても、5年後の単価レンジは選んだ方向性で大きく変わる。運用保守に閉じるか、設計→クラウド→SRE/セキュリティのキャリアパスを描けるかで、生涯年収が数千万円単位で変わる現実がある。


インフラエンジニアのSES単価を上げる3つのアクション

ここまでの内容を踏まえて、今のインフラエンジニアが単価を上げるための具体的なアクションを3つに絞って整理する。

アクション1: 自分の現在の単価と商流を確認する(即日)

まず、自分の案件の契約単価(SES企業の受注単価)を確認することから始めてほしい。さらに、何次請けの案件か(エンド直・1次・2次・3次以降)も確認する。

商流が深い場合、スキルを変えなくても商流の浅い企業に移るだけで月15〜25万円上がることがある。Heydayの事例でも、3次請けで55万円だったエンジニアが、エンド直案件に移って72万円になったケースがある。

詳細は以下の記事で扱っている。

SES単価の上げ方完全ガイド

アクション2: 設計・構築フェーズの実績を1つ作る(3〜6ヶ月)

運用保守にいる人は、現場で「設計フェーズに踏み込んだ実績」を1つ作ることが最優先だ。具体的には以下のいずれか。

  • 監視ツールの新規設定設計
  • 障害の根本原因分析と再発防止策の設計
  • 小規模な構築プロジェクトの担当
  • AnsibleプレイブックやTerraformコードの新規作成

実績がゼロか1かで、次の案件面談での評価が大きく変わる。「設計やったことあります」と言える状態を3〜6ヶ月で作ってほしい。

アクション3: クラウド資格を1つ取得し、対応する案件に入る(6〜12ヶ月)

クラウドに転向したい人は、AWS SAA・Azure AZ-104・GCP ACEのいずれか1つを取得する。学習時間は100〜150時間。投資対効果は最も高い。

資格取得後は、SES営業に「次の案件はクラウド移行プロジェクトに入りたい」と明示する。アシスタントポジションでも実務経験1案件があるかないかで、次の単価が大きく変わる。

自分のスキルがインフラエンジニアとして市場でいくらに評価されるか、まず診断ツールで確認してから次の案件選びに臨んでほしい。


Heydayでは契約単価・マージン・商流をすべて開示しています

「自分のインフラスキルが市場でいくらに評価されるのか分からない」「運用保守から設計フェーズに移りたいが、どうすればいいか分からない」という方の相談を受け付けている。 Heydayでは稼働前に契約単価を本人に開示し、マージン構造についても質問があればすべて回答している。

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よくある質問(FAQ)

Q. インフラエンジニアとネットワークエンジニアで単価は違いますか?

結論:担当業務によって変わる。「ネットワークエンジニア」と呼ばれる人の多くは、ネットワーク運用・保守の領域に閉じており、単価レンジは40〜55万円になりやすい。一方、ネットワーク設計(特にAWS Direct Connect・Azure ExpressRoute等のクラウド接続設計)まで踏み込めるネットワークエンジニアは、80〜100万円帯に届く。

「インフラエンジニア」のほうが業務範囲が広い分、単価のレンジも広い(40〜120万円)。ネットワーク経験者がクラウド領域に踏み込むと、最も単価上昇幅が大きいキャリアパスになる。

Q. 運用保守しかやったことがないが単価は上がりますか?

結論:運用に閉じている限り55〜60万円で頭打ち。設計経験を1案件作れば65〜75万円帯に届く。これがHeydayが300人以上のエンジニアと関わってきた中で見てきた構造的な現実だ。

ただし、運用保守にいながら設計・構築フェーズの実績を1つ作ることで、次の案件単価が変わる。具体的には、監視ツールの新規設定設計、障害分析、小規模な構築タスクの担当、Ansibleプレイブックの新規作成など。3〜6ヶ月で「設計やったことあります」と言える状態を作れれば、次の案件で65〜75万円帯に入る可能性がある。

Q. オンプレとクラウドを両方やると単価は上がりますか?

結論:上がる。経験3〜5年で70〜85万円、マルチクラウド対応者は85〜100万円帯。Heydayの案件データでは「オンプレ+クラウド兼任」エンジニアの単価は経験3〜5年で70〜85万円、専任の75〜90万円に近い水準になる。さらに「マルチクラウド対応(AWS+Azure or AWS+GCP)」になると85〜100万円帯まで上がる。

特にネットワーク経験を持ったままクラウドに参入するパターンは単価上昇幅が最大化する。Direct Connect・Transit Gateway等のオンプレ接続設計を語れるネットワーク出身者は、クラウド業界でほぼ唯一無二のポジションになる。

Q. CCNA取得で単価はいくら上がりますか?

結論:単独で2〜5万円。設計経験との組み合わせで運用→設計移行のトリガーになる。学習時間100〜150時間に対して効果が限定的に見えるかもしれないが、「運用業務から設計業務に移行する」局面では強力な説得材料になる。

「CCNA取得済み・実務でルーティング設計を1案件担当」という組み合わせが揃うと、ネットワーク運用(40〜55万円)からネットワーク設計(55〜70万円)への移行が現実的になる。CCNAは資格単独ではなく、設計経験との組み合わせで効果が出ると考えてほしい。

Q. SES正社員とフリーランスでインフラ単価はどう違いますか?

結論:単価70万円以上ならフリーランスが有利、60万円以下なら正社員のほうが手取り総額で勝つ。月額単価ベースでは、フリーランスのほうが単価の上限は高くなる。月額単価70万円以上が見込めるインフラエンジニア(経験5年以上・クラウド設計経験あり)は、フリーランス転向で月額80〜100万円まで上がるケースがある。

ただし、フリーランスは社会保険の自己負担(月5〜7万円)、確定申告の管理コスト、案件の空白期間リスクが発生する。月額単価60万円以下のインフラエンジニア(運用保守中心)は、SES正社員のほうが手取り総額が上になることが多い。

詳細は以下の記事で扱っている。

「フリーランスのほうが稼げる」は本当か|実質手取り比較

SES単価の上げ方完全ガイド


まとめ

インフラエンジニアの単価構造を整理した。

  • 単価は「担当業務」で4階層に分かれる: ネットワーク運用40〜55万・サーバー構築50〜70万・クラウド設計80〜100万・セキュリティ/IaC90〜120万
  • 運用保守の単価は55〜60万円が天井: 経験年数を重ねても、業務が運用に閉じている限り上限がある
  • 設計・構築フェーズへの移行が単価ターニングポイント: 1案件でも設計経験を作ることが、次の単価交渉のフェーズを変える
  • ネットワーク経験者のクラウド参入が最も高単価化しやすい: オンプレ接続設計を語れる人材は市場で希少性が高い
  • 2026年はインフラ需要の追い風: Claude Code台頭でコーディング案件が減り、インフラ案件が50.9%に増加

自分のインフラスキルが市場でどう評価されるか、まず診断ツールで確認してほしい。3問答えるだけで、あなたの言語・経験年数・保有スキルに基づいた市場単価レンジを算出できる。


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まとめ

インフラエンジニアの単価は『担当業務×スキル×経験年数』の組み合わせで決まる。今ネットワーク運用にいる人も、サーバー保守にいる人も、設計・構築フェーズかクラウドへの移行で単価は確実に変わる。診断ツールで自分のスキルが市場でいくらに評価されるか確認してから、次の案件選びに臨んでほしい。

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この記事の著者

小川将司
小川将司

Heyday株式会社 代表取締役

Heyday株式会社代表・小川将司が実案件データをもとに解説

Heyday株式会社 代表取締役。エンジニア・PM/PdMを経験後、SES事業を創業。複数クライアント現場でAI導入コンサルティングを担当。「ITをもっとフェアに」を掲げ、マージン構造の開示に取り組む。

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