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キャリア・働き方

SESで残業が
少ない案件の見分け方

篠田営業担当

Heyday SES営業・篠田が残業確認の実務を現場から解説

この記事でわかること

  • 「残業少ない」の直接質問が信頼できない3つの理由
  • 面談前に確認すべき5つのポイントと具体的な質問例
  • 入場後に残業が増えた場合のクレーム・交渉の進め方

この記事の対象: ワークライフバランスを重視してSES案件を選びたいエンジニア

「残業は少ない方です」という説明を信じて入場したら、月40時間超だった。

SESのエンジニアから聞く話の中で、これは特に多いパターンだ。Heydayで営業を担当している篠田が、残業が少ない案件を見分けるための実務的な方法を整理する。

結論を先に言う。「残業は少ないですか?」と直接聞いても意味がない。クライアントは悪意なく「少ない方です」と答えることが多いが、その基準が人によって違う。月20時間が「少ない」という現場もあれば、月10時間でも「たまに残業がある」と表現する現場もある。

残業量を正確に把握するには、間接的な質問と構造的な確認が必要だ。

なぜ「残業少ない」は信頼できないのか

面談でSESエンジニアに「残業の多さ」を確認するとき、直接質問が機能しない理由が3つある。

理由1:基準が人によって違う

「残業少ない=月20時間以内」と思っているエンジニアと、「月30時間なら少ない方」と感じているクライアント担当者では、同じ言葉の意味が噛み合わない。数字で確認しないと、感覚のすれ違いが生まれる。

理由2:案件のフェーズが変わる

面談時点が「運用フェーズ」で残業が少なくても、3ヶ月後に「大規模リリース」があれば一時的に増える。フェーズごとの変化を聞かないと、現状の一点だけを見て判断することになる。

理由3:「残業が多い」と言いにくい心理がある

クライアント担当者やSIerの営業担当者は、エンジニアを現場に入れたい側だ。残業が多いと正直に言えば断られる可能性がある。意図的な嘘ではなく、「大変な時期もありますが基本は少ない」という表現に着地しやすい。


残業が少ない案件の構造的な特徴

具体的な確認方法を説明する前に、「そもそも残業が少ない案件とは何か」を整理する。

残業が少なくなりやすい案件の構造:

スコープが固定されている 開発完了後の「運用・保守フェーズ」は、基本的に範囲が決まっている。新機能の追加要望がなければ、突発的な作業量の増加が起きにくい。

リリース日程がない、または頻度が低い リリース直前はどんな現場でも残業が増えやすい。「月1回のリリース」と「年2回のリリース」では、忙しさのペースが全く違う。

クライアント側の業務時間が決まっている 官公庁・教育機関・医療系など、クライアント企業自体が残業をしない文化の場合、SESエンジニアも「定時には終わる」ことが多い。クライアントが帰ったら作業が終わるという構造だ。

チームの人員構成が安定している 人員不足の現場は、一人あたりの負荷が高くなる。入場時に「今のチームは何人か、増員予定か」を確認することで、人員不足由来の残業リスクを把握できる。


面談前に確認すべき5つのポイント

ポイント1:「直近3ヶ月の平均残業時間を数字で教えてください」

「残業は少ないですか?」ではなく、数字で聞く。これが最も重要な確認だ。

「直近3ヶ月」を指定する理由は、繁忙期と閑散期を含む実態を知りたいからだ。「通常は少ないですが、先月は多かった」という回答が来ることもある。その場合は「先月が多かった理由」「今後同様のことが起きる可能性」まで聞く。

数字の目安:

  • 月10時間未満:実質ほぼ残業なし
  • 月10〜20時間:週1〜2時間程度
  • 月20〜40時間:繁忙期を含むと「多い」と感じるエンジニアもいる水準
  • 月40時間超:かなり多い部類

自分の基準を明確にしたうえで、数字を確認することが重要だ。

ポイント2:「このプロジェクトは現在どのフェーズですか?今後フェーズはどう変わりますか?」

残業量はフェーズで大きく変わる。

  • 要件定義・設計フェーズ:比較的落ち着いていることが多い
  • 開発フェーズ中盤:個人差と案件差が大きい
  • リリース直前(結合テスト・UAT):どんな現場でも忙しくなりやすい
  • 運用・保守フェーズ:インシデントがなければ残業が少ない傾向

「今は開発フェーズで、4ヶ月後にリリースを控えている」という状況なら、入場から2〜3ヶ月後に繁忙期が来る可能性がある。事前に知っていれば心構えができる。

ポイント3:「チームの人員構成と、今後の増員予定を教えてください」

人員不足の現場は、一人あたりの作業量が多い。「3人でやっていた仕事を2人でやっている」状態が長期化していると、残業は構造的に発生する。

確認内容:

  • 現在のチーム人数(エンジニア・PM・テスター等の役割別)
  • 欠員はあるか
  • 今後の増員予定

「今は欠員補充のための採用中で、あなたが入場後すぐに増員予定」という状況なら、入場初期は負荷が高いかもしれない。

ポイント4:「入場後に残業が増えた場合の対応フロー(上限・申請など)はどうなっていますか?」

残業の「有無」だけでなく「管理の仕方」を確認する。

  • 残業は事前申請制か・事後申告制か
  • 月の残業上限は設定されているか
  • 36協定の特別条項(月80〜100時間超の残業が起きうる契約)になっていないか

残業管理がルーズな現場は、「残業の文化」が染み付いている場合がある。「みんなやっているから」で残業が増えるケースは、明確な上限設定がないことが多い。

ポイント5:「前任者はどんな理由で案件終了になりましたか?」(可能であれば)

前任者が案件を離脱した理由を聞くことで、現場の実態が見えることがある。「労働条件が合わずに辞めた」という背景があれば、その中に残業問題が含まれているかもしれない。

ただしこの質問は、関係が良好な担当営業に対してのみ有効だ。初回面談でクライアントに直接聞くものではなく、間に入っているSES企業の担当営業に聞く質問だ。


残業が少ない傾向がある業種・案件タイプ

確認ポイントと合わせて、構造的に残業が少ない傾向がある案件タイプを参考情報として整理する。

残業が少ない傾向:

  • 官公庁・地方自治体系(定時文化が強い)
  • 教育機関・医療機関のシステム(クライアント側が残業できない業種)
  • 社内情報システム部門サポート(ヘルプデスク・インフラ監視)
  • 大手事業会社の運用フェーズ(スコープが固定されている)

残業が多くなりやすい傾向:

  • 大手SIer主導のウォーターフォール開発(特にリリース直前)
  • スタートアップの新規事業開発(人員が少なく、ロードマップが変わりやすい)
  • 金融・証券系のシステム(リリース可能日が限られるため、集中的な作業が発生する)

あくまで傾向であり、同じ業種・案件タイプでも現場によって全く異なる。ポイント1〜5の確認と組み合わせて使ってほしい。


入場後に「聞いていた条件と違う」と感じたときの対処

確認を丁寧に行っても、入場後に状況が変わることはある。そのとき最初にやることは、担当営業への早い段階での共有だ。

「最近残業が増えてきているが、事前の情報と違う気がする」という段階で連絡することが重要だ。「もう少し様子を見てから」と先延ばしにするほど、状況が固定化する。

Heydayでは入場後も定期的な状況ヒアリングを行っており、残業増加の傾向が出たときに早めに確認・対応することにしている。


SESの働き方全体を把握したい場合

残業以外にも、リモート・単価・キャリアの作りやすさを含めたSESの働き方の全体像は、SESの働き方ガイドで整理している。

フルリモートを希望している場合は、SESでフルリモートは現実的かも参考にしてほしい。


まとめ

残業が少ない案件を見分けるための5つのポイントを整理する。

  1. 「直近3ヶ月の平均残業時間を数字で教えてください」
  2. 「現在のプロジェクトフェーズと、今後の変化はどうなりますか?」
  3. 「チームの人員構成と増員予定を教えてください」
  4. 「残業管理のフロー(上限・申請制度)はどうなっていますか?」
  5. 前任者の離脱理由を担当営業経由で確認する

「残業は少ないですか?」という質問は、どの案件でも「少ない方です」という答えが返ってくる。数字・フェーズ・構造を確認することで、初めて正確な情報が得られる。

あなたが希望する働き方と、現在のスキルで狙える案件を確認したい場合は、以下の診断を使ってほしい。

具体的な案件の条件について話したい場合は、キャリア相談からご連絡ください。

Heydayでは契約単価・マージン・商流をすべて開示しています

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この記事の著者

篠田

Heyday株式会社 営業担当

Heyday SES営業・篠田が残業確認の実務を現場から解説

Heyday株式会社 営業担当。SES業界10年。案件マッチング・単価交渉・面談対策を専門とする。「エンジニアが損をしない選び方」を軸にキャリアサポートを行う。

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