← 透明性メディア
キャリア・働き方2026年4月13日 更新)

SESで
フルリモートは現実的か

野沢営業アシスタント

Heydayの案件マッチングを担当する野沢が、稼働エンジニア約80名の出社状況データをもとに執筆

この記事でわかること

  • Heyday稼働エンジニアのフルリモート率は約15〜20%、週1〜2出社まで含めると半数以上が実質リモート中心
  • フルリモート実現率が高いのはクラウド/SRE/DevOps・SaaSバックエンド・データエンジニアリングの3領域
  • 金融・官公庁・基幹系はセキュリティ要件で出社必須になりやすく、単価は高くてもリモート優先なら避ける必要がある
  • 『週0固執』と『週1〜2許容』では案件選択肢が倍以上変わり、待機期間の長さに直結する

この記事の対象: フルリモート優先で案件を探している、または待機期間が長引いてリモート条件の緩和を検討中のSESエンジニア

「SESでフルリモートを希望しています」と伝えると、案件が決まりにくくなりますか?

これは面談でよく出てくる質問だ。Heydayの案件マッチング・営業サポートを担当している野沢が、この問いに正直に答える。

結論から言う。SESでのフルリモート(週0出社)は可能だ。ただし、実現できる条件が明確にある。その条件を理解せずに「フルリモートのみ」で探すと、案件が大幅に絞られて待機期間が長くなる。「どこで妥協するか」「何を変えれば選択肢が広がるか」を理解したうえで選ぶことが必要だ。

この記事では、フルリモートが実現できる案件の条件・スキル要件・入場後に出社が増えるパターン・よくある失敗を整理する。

SESでフルリモートが実現できる割合

まず数字で現実を確認する。

弊社Heydayで稼働中のエンジニアの出社状況(2026年時点):

  • 完全リモート(週0出社):約15〜20%
  • ハイブリッド(週1〜2出社):約40〜45%
  • ハイブリッド(週3出社):約20〜25%
  • 週4〜5出社:約15〜20%

フルリモートのエンジニアは全体の15〜20%だ。少数派ではあるが、決してレアなケースではない。「週1〜2出社のハイブリッド」まで許容できれば、半数以上が実質リモート中心の働き方をしている。

フルリモートが難しい理由は「SESという形態」ではなく、案件のクライアント業種・技術スタック・現場PMの方針だ。

フルリモートが実現しやすい案件条件

10年間の案件マッチング経験から、フルリモートになりやすい案件の条件を整理した。

クラウドインフラ・SRE・DevOps系

最もフルリモート率が高いカテゴリだ。

  • AWS/GCP/Azureのインフラ構築・運用
  • Terraform、Pulumi等のIaC案件
  • Kubernetes、ECS等のコンテナオーケストレーション
  • CI/CDパイプライン整備

これらは作業が完全にクラウド上で完結するため、物理的に現場に行く理由がない。弊社でも、クラウドインフラ系の案件エンジニアの大半がフルリモートか週1出社で稼働している。

SaaS・スタートアップのバックエンド・フロントエンド開発

Web系のスタートアップやSaaS企業では、2020年以降にリモート文化が定着した現場が多い。

  • TypeScript/Go/Pythonを使うWeb API開発
  • React/Next.jsを使うフロントエンド開発
  • マイクロサービス設計・実装

ただしスタートアップは、資金調達フェーズ・リリース前後に「一時的に出社が増える」ことがある。フェーズによって条件が変わることは、入場前に確認しておく必要がある。

データエンジニアリング・MLOps

  • BigQuery、Redshift等のデータウェアハウス設計
  • dbt、Airflow等を使うデータパイプライン構築
  • MLflowを使うモデル管理・デプロイパイプライン

データ系はリモート文化が根付いており、フルリモート案件の割合が高い。また希少性から単価も高めで、条件交渉がしやすいカテゴリだ。

フルリモートが難しい案件の特徴

一方で、フルリモートが実現しにくい案件も把握しておく必要がある。

金融・官公庁・基幹系

セキュリティポリシーが厳しく、「業務データを社外で扱えない」「VDI接続のみ可能だが現地PCが必要」「入退室管理の都合で常駐必須」といった制約がある。同じスキルセットでも、クライアント業種で出社必須になるケースだ。

高い単価が提示されることも多いが、「フルリモート優先」なら業種を絞る必要がある。

ハードウェア・ネットワーク・現地作業系

物理的な作業が発生するため、リモート化そのものが難しい。これは技術スタックの問題ではなく、仕事の性質だ。

新規参画直後のオンボーディング期間

案件のスタート直後は、チームとの関係構築・業務の把握のために「最初の1〜2ヶ月は出社」を求めるクライアントが多い。フルリモートOKの案件でも、参画初期は出社が必要なケースは珍しくない。

これを「聞いていた条件と違う」ととるか「オンボーディング期間の仕様」ととるかは、事前に確認しているかどうかで変わる。面談時に「参画当初も完全リモートですか?」と明確に聞くことが重要だ。

フルリモートを実現しやすいスキルセット

フルリモートが実現できるかどうかは、スキルセットでも変わる。

フルリモート率が高いスキルセット:

スキルフルリモート実現しやすさ理由
AWS/GCPクラウドインフラ作業がクラウド完結
TypeScript/Goバックエンドリモート文化の浸透
データエンジニアリング(dbt/Spark)希少性と文化面
Python(AI/MLパイプライン)中〜高スタートアップ系が多い
Java(エンタープライズ)低〜中金融・基幹系が多い
COBOL・VB.NET現場常駐が前提

自分のスキルセットが「フルリモートになりにくい」傾向にある場合、クラウド資格(AWSやGCP)の取得が最も効率的なリモート率向上策になる。Javaエンジニアがクラウド構築経験を加えることで、フルリモート案件の選択肢が大きく広がった事例は弊社でも複数ある。

入場後に出社が増えるパターン

「入場時はフルリモートだったのに、半年後に週2出社になった」というケースが実際にある。事前に知っておくべきパターンを整理する。

クライアント企業の方針転換

2023年以降、多くの企業が「出社回帰」方針を打ち出した。フルリモートで入場した案件でも、クライアント企業の全社方針変更によって出社要請が来ることがある。

これはエンジニア個人の努力ではコントロールできない。「このクライアントは方針変更のリスクが低いか」を事前に確認するには、担当営業に「過去2年間でリモート条件が変わった案件はありますか?」と聞くことが一つの手段だ。

プロジェクトフェーズの変化

開発フェーズ → リリース直前 → 運用フェーズという流れの中で、リリース直前期だけ出社が増えるケースがある。案件参画時に「このプロジェクトは現在どのフェーズか、今後どう変わるか」を確認しておくことで、ある程度予測できる。

チームの人員変更

現場PMが交代し、新しいPMが「定期的な対面を重視する方針」を持っていたというケースも聞く。これは予測が難しいが、「直近の現場PMの在任期間・方針」を事前に確認しておくことで、リスクをある程度把握できる。

よくある失敗と対処法

「フルリモートOK」の確認が甘いまま入場した

「リモートOKとのことだったが、実際は週3出社だった」というミスマッチが起きる原因は、確認の粒度が粗いことだ。

確認すべき具体的な質問:

  • 「参画当初から完全リモートですか?それともオンボーディング期間は出社がありますか?」
  • 「過去6ヶ月で出社頻度に変化はありましたか?」
  • 「緊急時に出社を求められるケースはありますか?その頻度は?」

「リモートOK」と「フルリモート可能」の間には差がある。「リモート可」は「出社を求める場合がある」を含む表現だ。

フルリモートのみで探した結果、待機期間が長くなった

フルリモート案件は選択肢が限られる。「フルリモートのみ」で探すと、条件が合う案件が出るまで待機することになる。

現実的なアプローチは、「フルリモートが第一希望だが、週1出社まで許容できる」という形で選択肢を持つことだ。週1出社で入場し、現場での実績を積んだうえでフルリモートに切り替えた事例は弊社でも複数ある。

リモートの快適さを重視しすぎて、キャリア方向と合わない案件に入った

フルリモートが実現できる案件に偏って入り続けると、キャリアが「リモートできる技術スタック」に収束する。それがキャリア目標と一致していれば問題ない。しかし「なんとなくリモートが楽だから」という理由で案件を選び続けると、市場価値の方向性を失うリスクがある。


SESの働き方全体を把握したい場合

この記事はフルリモートに絞った内容だ。リモート・残業・単価・キャリアの全体像を把握したい場合は、SESの働き方ガイドを参照してほしい。

残業が少ない案件の見分け方については、SESで残業が少ない案件の見分け方で整理している。


まとめ

SESでのフルリモートは可能だが、条件がある。

  • 実現しやすい案件:クラウドインフラ、SaaS/スタートアップ系Web開発、データエンジニアリング
  • 実現しにくい案件:金融・官公庁・基幹系、ハードウェア・ネットワーク系
  • リモート率を上げる最短ルート:クラウドスキル(AWS/GCP)の取得
  • 入場前の確認必須:「参画当初から完全リモートか」「過去6ヶ月で出社頻度に変化はあったか」

フルリモートを希望するなら、案件の業種・技術スタック・参画フェーズを確認したうえで交渉することが重要だ。「フルリモートOK」と「フルリモート確定」を区別する確認習慣を持ってほしい。

あなたのスキルセットでフルリモート案件がどの程度存在するかは、以下の診断で目安を確認できる。

具体的な条件について話したい場合は、キャリア相談からご連絡ください。

Heydayでは契約単価・マージン・商流をすべて開示しています

「自分の単価が適正か分からない」「もっといい条件の案件があるのでは」という方のご相談を受け付けている。 Heydayでは稼働前に契約単価を本人に開示し、マージン構造についても質問があればすべて回答している。

案件例を見てみる →

キャリア相談をする →

まとめ

SESでフルリモートは可能だが、案件の業種と技術スタックが条件を決める。週0に固執するか週1〜2を許容するかで、選択肢と待機期間は構造的に変わる。

この記事の著者

野沢

Heyday株式会社 営業アシスタント

Heydayの案件マッチングを担当する野沢が、稼働エンジニア約80名の出社状況データをもとに執筆

Heyday株式会社 営業アシスタント。SES業界8年。エンジニアの現場入り支援・契約実務・待機期間のフォローを担当する。

シェア:XB!

次に読む