「SDR・BDRってフリーランスで受けられる仕事なの?単価はいくら?どうやって案件を取るの?」
この問いに答えるコンテンツが驚くほど少ない。検索すると出てくるのは「SDR/BDR代行会社比較」「企業がIS組織を立ち上げる方法」ばかりで、個人が「業務委託でSDR/BDRをやりたい」と思ったときに必要な情報が皆無に等しい。
Heydayが直近で扱うIS/SDR/BDR業務委託案件の単価レンジは月33〜85万円だ。フルリモート〜一部リモートで、AI SaaSのSDR/BDR案件が中心。「技術を理解したIS人材」を求めるクライアントが多く、SES出身者が入りやすい案件が揃っている。
この記事では、SDRとBDRの違い(個人が受ける仕事としての実態)・稼働形態・単価相場・案件の取り方・SESエンジニアがなるためのルートまで、業務委託案件を毎月扱う立場から正直に書く。
SDR・BDRとは何か:企業向け解説記事との違い
まず前提を整理しておきたい。SDR・BDRの解説記事はたくさん存在するが、そのほとんどは「企業がIS組織にSDR/BDRを設置する方法」を語っている。経営者向けの記事だ。
個人がフリーランスとしてSDR/BDRを受けるとき、視点はまったく逆になる。
企業向けの文脈で言われる「SDR/BDRを設置する」は、正社員を採用してIS部隊を作る話だ。一方、個人視点での「SDR/BDR案件を受ける」は、スタートアップや中小企業がIS機能を外注するときに、業務委託として入る話になる。
なぜ企業はSDR/BDRを外注するのか。理由は複数ある。
- IS組織の立ち上げ期に採用コスト・教育コストをかけたくない
- 繁忙期や新商材リリース時のみ一時的にリソースを増やしたい
- SaaS系スタートアップが資金調達後にIS機能を素早く立ち上げる必要がある
- 「技術を理解できるIS人材」が採用市場に少なく、フリーランスで確保した方が早い
このニーズがあるから、個人がSDR/BDRを業務委託で受けられる市場が成立している。SOKUDAN・Waris・HERP Careers等で案件が流通しているのはこのためだ。
SDRとBDRの具体的な違い:フリーランスが受ける仕事の実態
SDRとBDRは名称が似ているが、仕事の中身はかなり異なる。どちらが自分に合っているかを判断するために、フリーランス視点で整理する。
SDR(Sales Development Representative):インバウンドリードを商談に変える
SDRは「マーケティングが作ったリードを商談化する」のが主な仕事だ。
クライアント企業がWebサイト・広告・コンテンツ・展示会等でリード(問い合わせ・資料DL・ウェビナー参加者等)を獲得する。そのリードに対して最初のコンタクトを取り、ニーズを確認し、商談に育てて社内のフィールドセールス(FS)に渡す。これがSDRの仕事だ。
SDRのフリーランス案件で実際にやること:
- MQL(Marketing Qualified Lead)へのメール・電話でのファーストコンタクト
- 問い合わせから24〜48時間以内のスピード対応(レスポンス速度がKPIに直結する)
- ヒアリングによる課題確認・予算感・決裁者の把握(BANTヒアリング)
- 商談化の判断とFSへの引き継ぎ(SQLとしての整理)
- CRM(HubSpot/Salesforce等)へのリード情報入力・管理
- 温度感が低いリードへのナーチャリングメール設計・配信
SDR案件でよく問われるKPIは「商談設定数」だ。週5〜10件の商談設定を求められる案件から、月30件以上を求められる案件まで幅がある。
稼働形態はフルリモートが多く、週3〜4日稼働の案件が中心だ。架電がメインの案件は時間の制約(9〜18時稼働等)が入ることもある。
SDRが向いている人:
- コミュニケーション能力が高く、初回接触を打率よくこなせる人
- マーケ理解があり、リードスコアリングの概念を理解している人
- CRM操作が苦にならない人
- SESエンジニアからIS転換したい人(技術背景は商材理解に直結する)
BDR(Business Development Representative):ゼロからターゲットを開拓する
BDRは「リストにない企業に自分からアプローチしてリードを作る」仕事だ。SDRがインバウンドリードを受け取るのに対して、BDRはアウトバウンドでゼロからリードを生成する。
BDRのフリーランス案件で実際にやること:
- ターゲット企業のリスト設計(業界・企業規模・技術スタック・採用情報等から条件を設計)
- コールドメール・メールシーケンスの設計と送信
- コールドコール(架電)によるアポイント取得
- LinkedIn・SalesNavigator等を使ったターゲット担当者の特定とアプローチ
- ABM(Account Based Marketing)の設計・実行(特定企業への複数接点を作る戦略)
- 返信・反応への対応と商談化・FSへのパス
BDRは「何もないところから商談を作る」仕事なので、難易度はSDRより高い。ターゲット選定の仮説を自分で立て、アプローチ文面を考え、反応率を分析して改善するというサイクルが求められる。
エンタープライズ向けBDRは特に難易度が高く、相手の組織図を読みながら複数のステークホルダーにアプローチするような高度な仕事になる。その分、単価も高くなる傾向がある。
BDRが向いている人:
- 仮説思考があり、「どの企業にどんな切り口で当たるか」を設計できる人
- 文章力があり、コールドメールの返信率を上げる試行錯誤が好きな人
- 技術背景があり、AI SaaS・クラウド・セキュリティ等の製品価値を相手に説明できる人
- 正直ベースで言うと、SDRより稼ぎやすい(単価が高く、成果の差が出やすい)
SDRとBDRを比較すると
| 比較軸 | SDR | BDR |
|---|
| アプローチ方向 | インバウンド(リード対応) | アウトバウンド(新規開拓) |
| ターゲット | 既にアクションがあった顧客 | まだ接点のない潜在顧客 |
| 主なターゲット規模 | SMB(中小)が多い | エンタープライズ(大手)が多い |
| 主な業務 | ファーストコンタクト・商談化 | リスト設計・コールドアウトリーチ・ABM |
| 主なKPI | 商談設定数・商談化率 | アポイント数・パイプライン作成数 |
| 難易度 | 中 | 高 |
| 単価傾向 | 33〜65万円(Heyday実案件) | 50〜85万円(Heyday実案件) |
| フルリモート率 | 高い | 高い(一部出社ありも) |
| SES出身者の参入しやすさ | 入りやすい | 技術理解が武器になる |
フリーランスSDR/BDRの仕事内容:1日の流れと実務
実際に業務委託でSDR/BDRを受けたとき、どんな1日になるのかをリアルに書いておく。
SDR案件の1日の流れ(週4日稼働・フルリモートの場合)
午前(9:00〜12:00):
- 前日からの問い合わせ・メール返信の確認(CRMで新着リードのチェック)
- 昨日商談化したリードのCRM入力・FSへの引き継ぎメモ作成
- 新着MQLへのファーストコンタクト(メール送信または架電)
- 架電:1日あたり20〜30コール前後が多い(案件によって異なる)
午後(13:00〜18:00):
- メール返信・日程調整・商談設定
- ナーチャリングメール対象リードの選定と配信
- 商談前の事前調査(相手企業・担当者の確認)
- 週次ミーティング(クライアント社内のIS/マーケチームと)
- 週末にかけて進捗レポート作成
1日で架電20〜30本は多く感じるかもしれないが、スクリプトが整備されていて相手が問い合わせ済みのリードなので、テレアポ(コールドコール)とは性質が違う。商材への関心が既にあるので、会話になりやすい。
BDR案件の1日の流れ(週3日稼働・フルリモートの場合)
午前(9:00〜12:00):
- 前日送信したコールドメールの開封率・返信確認
- 返信があったリードへの対応・アポイント日程調整
- ターゲットリスト更新(新規企業の追加・除外基準の調整)
- LinkedIn等でのターゲット担当者リサーチ
午後(13:00〜18:00):
- 当日のアウトリーチメール送信(シーケンスの投入)
- コールドコール(担当者特定のための電話も含む)
- ABM対象アカウントへの複数接点戦略の設計
- 効果測定:開封率・返信率・アポ転換率の集計
- クライアントへの週次レポート作成
BDRはSDRより「設計・分析・改善」の比重が高い。リスト1,000件に送って返信率0.5%だった場合、何が悪かったのか(件名か、本文か、ターゲット選定か)を分析して次回に活かす作業が重要になる。
稼働形態:週何日・リモート率・固定vs成果報酬
フリーランスSDR/BDR案件の稼働形態を整理する。
稼働日数
週2〜5日の幅が広いが、IS系の業務委託では週3〜4日が最も多い形態だ。週2日だと架電数・アウトリーチ数が確保しにくく、クライアントから求められるKPIを達成しにくい。週5日フルタイムの案件もあるが、フリーランスとして複数案件を掛け持ちしたい場合は週3〜4日の案件を選ぶのが現実的だ。
リモート率
IS案件は基本的にリモートワークとの相性が良い。架電はどこからでもできるし、CRM操作・メール送信もリモートで完結する。
Heydayが扱う案件ではフルリモートから一部リモートが中心だ。ただし、クライアントのオンボーディング(初期研修・商材理解)の期間だけ週1回出社を求める案件も一定数ある。入社直後の1〜2ヶ月だけ出社あり、その後フルリモート、というパターンが実態として多い。
報酬体系:固定か成果報酬か
個人がフリーランスでIS案件を受けるとき、報酬体系は主に3種類ある。
1. 固定報酬型(月額)
稼働日数・時間に応じた月額固定の報酬。SDR/BDR案件では最も一般的で、初めてIS業務委託に入る人にはこのタイプが安心だ。KPIが未達でも報酬は変わらないが、当然ながら継続契約の可否に影響する。
2. 成果報酬型(アポ単価)
商談設定1件あたり1万〜3万円で支払われる形態。BDR案件(アポイント取得代行)で多い。経験者で打率が高ければ固定報酬より収入が上がる可能性があるが、立ち上がり期間の収入が不安定になるリスクがある。
3. 固定+成果報酬の複合型
月額20〜40万円の固定分に加えて、アポイント1件あたり1〜2万円の成果報酬が乗るタイプ。スタートアップ系の案件に多い。固定分で生活基盤を確保しつつ、成果に応じた上乗せがある設計だ。
個人的な意見として、フリーランス初期はまず固定報酬型の案件で実績を積むことをすすめる。成果報酬型は「どれだけ打率を上げられるか」の実績がなければ計算が立てにくいからだ。
単価相場:SDR・BDR案件の実態
単価は「推測」と「実データ」を分けて整理する。
業界全体の参考値(推測・業界水準)
以下は業界情報・公開案件等を元にした参考値であり、実数保証はできない(推測・業界水準)。
| 役割・案件タイプ | 月単価の目安(推測) | 主な稼働形態 |
|---|
| SDR(スクリプト型・架電中心) | 30〜55万円 | フルリモート多い |
| SDR(マーケ連携・ナーチャリング設計あり) | 45〜70万円 | フルリモート〜一部リモート |
| BDR(SMB向け・新規開拓) | 45〜70万円 | フルリモート〜週1出社 |
| BDR(エンタープライズ向け・ABM含む) | 55〜85万円 | フルリモート〜週1〜2出社 |
| IS責任者・SDR/BDRのプレイングマネージャー | 80〜120万円 | 週1〜2回出社が多い |
| AI SaaS特化SDR/BDR | 50〜85万円 | フルリモート中心 |
(ITプロパートナーズ等の公開案件情報を参考に作成。個人の経験・スキルによって大きく変動する。)
Heydayが扱うIS/SDR/BDR案件の実単価
Heydayが現在取り扱うIS業務委託案件(SDR/BDR中心)の単価レンジは月33〜85万円だ。
AI SaaSのSDR/BDR案件が中心で、稼働形態はフルリモート〜一部リモート。この範囲が生まれる理由を正直に説明する。
33万円台の案件はどんな案件か:
稼働週3日・スクリプト型SDR・架電中心の案件が多い。商材理解の難易度が比較的低く、スクリプトに沿って動ける人材を求める案件。初めてIS業務委託に入る人が実績を積むにはちょうどいいが、これを週5日フルタイムでやっても月55万円程度になる計算だ。
60〜85万円台の案件はどんな案件か:
AI SaaS・クラウド系のBDR案件が多い。ターゲット選定から自分で設計できる・英語メール送信が可能・技術製品の価値を担当者に説明できる、などの能力が求められる。SESエンジニア出身者がAI/クラウド系の技術背景を活かせば、この帯域に入れる可能性がある。
案件紹介時には、単価の根拠・稼働日数・フルリモート可否・商流の深さを最初から開示している。「詳細は面談で」という進め方はしていない。
必要スキル・ツール:SDR/BDR案件参入に必要なもの
必須ツール:HubSpot・Salesforce・Salesloft/Outreach
IS/SDR/BDR案件でほぼ全件で求められるのがCRM/SFAとセールスエンゲージメントツールの操作経験だ。
HubSpot
SDR案件での使用頻度が最も高いCRMだ。コンタクト管理・メールシーケンス・リードスコアリング・マーケティングオートメーションが一体化しており、スタートアップ〜中堅企業での採用率が高い。Sales Hub・Marketing Hub両方を触っていると差別化になる。HubSpotの無料版で個人練習環境を作れるのも学習のしやすさにつながっている。
Salesforce
エンタープライズ向けBDR案件ではほぼ必須。商談(Opportunity)管理・リード管理・レポート作成の基本操作ができることが最低ラインになる。Salesforceの操作経験は他のSaaS製品案件でも汎用的に評価されるため、習得する価値は高い。
Salesloft(Salesloft)・Outreach
アウトバウンドIS(BDR)案件で使用頻度が高いセールスエンゲージメントツールだ。メールシーケンスの設計・架電記録・コールスクリプト管理に使う。Salesloftを触ったことがない人でも、「メールシーケンス設計の概念を理解しているか」「A/Bテストの考え方を持っているか」が実態として問われる。ツール名より思考の枠組みが重要だ。
Apollo.io
コンタクトデータの収集・リスト構築ツールとして、BDR案件で使用頻度が高まっている。LinkedIn Sales Navigatorと組み合わせて使うケースが多い。
その他頻出ツール
| ツール | 用途 | 求められるレベル |
|---|
| LinkedIn / Sales Navigator | ターゲットリサーチ・アプローチ | BDR案件では必須 |
| Apollo.io / ZoomInfo | コンタクトデータ収集・リスト構築 | BDR・アウトバウンド案件 |
| Zoom / Teams | Web商談・デモサポート | 基本操作(必須) |
| Marketo / Pardot | MAとの連携理解 | SDR案件(あれば高評価) |
| Google Workspace / Notion | ドキュメント・レポート作成 | 基本操作(ほぼ全案件) |
| Slack | クライアント社内コミュニケーション | 基本操作(ほぼ全案件) |
スキル面で問われること
ツール以外で問われるスキルを正直に書く。
ファーストコンタクトの質
SDR案件では、問い合わせ後24〜48時間以内にメール・電話でコンタクトを取り、相手の状況を確認して商談設定できるかが核心だ。スクリプトはあるが、スクリプト外の会話への対応力が商談化率を大きく左右する。
コールドメールの文章力
BDR案件では、開封率・返信率を上げるメール文章の設計能力が問われる。件名・書き出し・価値提案・CTAの構成を試行錯誤できるかが差になる。「読んでもらえるメール」の感覚はある程度経験が必要で、これが未経験者の最初の壁になりやすい。
CRMデータの整理能力
入力精度が低いと、後工程のFSやマーケが困る。日本語で適切なメモを残す・商談化の根拠を記録する・次アクションを明確にする、という地道な作業を丁寧にできるかが信頼につながる。
技術製品の理解(SaaS案件の場合)
AI SaaS・クラウド系の案件では、製品が解決する技術課題を相手の言葉で説明できることが求められる。「LLMを使ったRAG構築の課題」「クラウドコスト最適化の典型パターン」等を理解した上で商談化できると、FSからの評価が上がる。SESエンジニアがIS転換後に武器にできるのはこの部分だ。
フリーランスSDR/BDRになる方法:SES出身者向けのルート設計
「SDR/BDRをフリーランスでやりたい」と思ったとき、どういうルートがあるか整理する。
ルート1:フリーランスエージェント経由
ITプロパートナーズ・レバテックフリーランス・WarisなどのフリーランスエージェントがIS/SDR/BDR案件を取り扱っている。特にITプロパートナーズはIT/SaaS系の案件が多く、週2〜3日稼働の案件も豊富だ。
エージェント経由のメリットは、単価交渉・契約周りをエージェントが代行してくれる点と、非公開案件へのアクセスがある点だ。デメリットは手数料分が差し引かれるため、直接契約より手取りが低くなる点。
エージェント経由が向いている人: IS業務委託が初めてで、契約・交渉を自分でやるより案件参入を優先したい人。
ルート2:SOKUDANなどのプラットフォーム経由
SOKUDANは業務委託に特化したマッチングプラットフォームで、企業と直接交渉・契約できる。92%がリモートワーク対応で、週1〜3日稼働の案件が中心だ。
プラットフォーム経由のメリットは手数料がエージェントより低く、案件の条件・報酬が透明な点だ。ただし、企業との交渉・契約を自分でやる必要があり、クライアントの質の見極めも自己責任になる。
プラットフォームが向いている人: すでにIS・営業の実績があり、自分で交渉できる人。副業として週1〜2日から試してみたい人。
ルート3:Heydayなど案件紹介経由
Heydayが扱うIS/SDR/BDR案件は月33〜85万円のレンジで、AI SaaS中心。単価・稼働条件・商流の深さを最初から開示して紹介している。
「SES出身でIS転換を考えているが、何から始めればいいかわからない」という相談を受けることが多い。技術バックグラウンドがあるエンジニアがAI SaaS案件に入れるよう、キャリア相談から案件マッチングまでセットで対応している。
ルート4:直接提案(スタートアップ向け)
自社でSDR/BDR機能を持っていないスタートアップに直接提案するルートもある。特にシリーズABあたりのSaaS系スタートアップは、IS組織の立ち上げを急いでいることが多く、「フリーランスとして入ってIS立ち上げを手伝える人材」への需要がある。
このルートは単価交渉の余地が最も大きいが、営業力・実績・提案書作成能力が必要で、IS業務委託に初めて入る人には難易度が高い。
SES出身者の参入戦略
SESエンジニアがSDR/BDR案件に入るとき、技術背景が最大の差別化になる。
一般的なIS候補者は「営業経験はあるが、製品の技術的な価値をエンジニアに説明できない」という弱点がある。SES出身者は逆で、「技術は分かるが営業経験がない」というスタートラインになる。
AI SaaS・クラウド系の案件では、顧客(エンジニアやIT担当者)が技術的な課題を持っていることが多い。そのとき、「元エンジニアのIS」は顧客と対等に技術の話ができるため、商談化率が上がりやすい。
私が見てきた中で、SESエンジニアからIS転換してうまくいっているパターンは、最初の1〜3ヶ月で「自分が技術で会話できる商材の案件」に絞って入ること。得意な技術領域(例:クラウド、データ基盤、セキュリティ)に関連するSaaS製品のSDR/BDR案件から始めると、立ち上がりが速い。
SES経験年数別の参入しやすさ(経験則・推測):
| 経験年数 | 参入しやすい案件タイプ | 単価の目安(推測) |
|---|
| 1〜2年 | SDR(スクリプト型・インバウンド対応) | 33〜45万円 |
| 3〜4年 | SDR(ナーチャリング設計含む)・BDR(SMB向け) | 45〜60万円 |
| 5年以上 | BDR(エンタープライズ)・IS責任者ポジション | 60〜85万円以上 |
(上記は経験則に基づく推測。個別の商材理解・営業スキルによって大きく変動する。)
IS/SDR/BDR案件の探し方と注意点
案件を探す前に確認すべきこと
SDR/BDR案件を探す前に、以下の4点を自分で確認しておくと判断が早くなる。
-
週何日稼働できるか:フルタイム(週5日)か副業として週2〜3日か。IS案件では稼働日数がKPI設計に直結するため、最初から明確にする。
-
フルリモートにこだわるか:フルリモート限定だと案件の選択肢は狭まる。月1〜2回の出社OKにするだけで選べる案件が増える。
-
固定報酬と成果報酬のどちらが合うか:実績がない状態では固定報酬型の方がリスクが低い。実績が積めたら成果報酬型にシフトして収入を伸ばすという順番が現実的だ。
-
対応できる商材領域はどこか:SaaS・クラウド・セキュリティ・AI等、自分が技術的に話せる商材の案件から始める方が立ち上がりが速い。
案件選びで注意すべきこと
コール数だけをKPIにしている案件には注意が必要だ。
「1日100コール」「月3,000件架電」のようにコール数だけで評価する案件は、単価の低いコールセンター型IS案件であることが多い。このタイプの案件でも経験は積めるが、高単価案件に移行するためのスキル(商材理解・ヒアリング設計・ナーチャリング設計)は育ちにくい。
商材理解のサポートがある案件かどうか確認する。
初めてIS業務委託に入るとき、クライアントの商材を理解するためのオンボーディング(研修・資料・先輩IS担当者へのシャドウ等)があるかどうかが重要だ。「いきなり架電してください」だけの案件は、立ち上がりに苦労することが多い。
単価の根拠と商流の深さを確認する。
業務委託案件の単価は、エンドクライアントからどれだけ商流が深いかによって変わる。エンド直の案件と、エージェントが複数介在している案件では、同じ仕事内容でも手取りに差が出る。
SDR/BDRフリーランスのキャリアパス
SDR/BDRのフリーランスは「ゴール」ではなく「通過点」として捉えた方がいい。この経験が次のキャリアにどう活きるかを整理しておく。
単価を上げるルート
SDR→BDR→IS責任者という役割の高度化が最も直線的なルートだ。BDRは単価が高く、IS責任者(KPI設計・メンバー育成・レポーティング)まで担えるようになると月100万円超の案件も現実的になる。
AIツール(Apollo.io・Clay・AI生成メール等)を使ったアウトバウンドシーケンス設計の能力は、2026年以降のBDR案件で差別化になりやすい。単価の高いBDR案件では「AIツールを使ったスケーラブルなアウトリーチ設計」を求めるクライアントが増えている。
横展開ルート
IS経験を積んだ後、フィールドセールス(FS)やカスタマーサクセス(CS)に転換するパターンも多い。SDR/BDRは「商談の上流」を設計する仕事なので、FSになったときにリード品質の判断が速い。逆に、CS経験者がIS(特にクロスセル・アップセル担当)に転換するケースもある。
SES出身者の場合、IS経験を経てSaaS製品のソリューションコンサルや営業エンジニアに転換するルートもある。技術背景+IS経験は、プリセールスポジションへの参入条件として評価されることがある。(プリセールス フリーランス案件の単価と仕事内容も参照。)
FAQ:SDR/BDRフリーランスについてよく聞かれること
Q1. IS/SDR/BDRの経験がゼロでもフリーランス案件を受けられますか?
難しいが、不可能ではない。ゼロ経験で受けられる案件があるとすれば、単価の低いスクリプト型SDR案件(月33万円前後)が現実的な出発点だ。
ただし、現実的には「IS未経験・エンジニア歴5年」のような人が直接フリーランスIS案件に入るのは難しい。多くのクライアントは、基本的なトーク品質を担保するために「IS実務経験1〜2年以上」を求める。
SES出身者への私の推奨は、まず正社員転職(または社内でのIS転換)でIS経験を積み、1〜2年後にフリーランス案件に移行するルートだ。いきなりフリーランスでIS案件を受けるより、実績があってからの方が単価交渉力が格段に上がる。
Q2. SDRとBDRはどちらから始めた方がいいですか?
SES出身者であれば、まずSDRから始めることをすすめる。SDRはインバウンドリードへの対応なので、「相手がある程度情報を求めている状態からのコミュニケーション」が基本になる。コールドコール一本でアポを取りに行くBDRより、立ち上がり期間のストレスが少ない。
BDRは「自分でリードを作る」スキルが習得できるため、長期的な市場価値は高い。SDRで商談化の基本を身につけた後、BDRに移行するという順番が現実的だ。
Q3. フリーランスSDR/BDRは在宅・フルリモートでできますか?
案件の多くはフルリモート対応だ。架電もPCとCRMがあれば自宅からできるし、Zoom等でのWeb商談サポートもリモートで完結する。ただし、商材オンボーディング期間(最初の数週間〜1ヶ月)に週1〜2回の出社を求めるクライアントは一定数いる。「完全フルリモート」に絞ると選択肢が減るため、最初の数ヶ月だけ一部出社OKにする方が案件の選択肢は広がる。
Q4. 副業としてSDR/BDR案件を受けられますか?
受けられる。週1〜2日稼働のSDR案件や、特定の時間帯のみ稼働するアウトリーチ代行案件も存在する。SOKUDANには週1〜3日の副業向け業務委託案件が豊富だ。副業案件の単価は週4〜5日稼働の案件より時給換算で低くなる傾向があるが、「副業でIS経験を積んでからフリーランスに転換」という段取りは現実的だ。
ただし、SDRの案件で「月商談30件設定」のようなKPI設定がある場合、週1〜2日の稼働では達成できない。副業として受けるなら、稼働日数に合った現実的なKPI設計ができているクライアントを選ぶことが重要だ。
Q5. SDR/BDRフリーランスの年収はどのくらいになりますか?
週4日・月単価55万円の案件を1本受けた場合、月55万×12ヶ月=年収660万円が計算上の上限だ(稼働ゼロ月を除いた場合)。ただし、IS案件は3〜6ヶ月の契約更新が多いため、継続できない場合に空白期間が生じる。
複数案件を掛け持ちするか(週3日×2案件等)、高単価のBDR案件(月70〜85万円)を狙うかで年収の天井は変わる。IS経験3〜5年で複数の実績を持つフリーランスであれば、年収700〜900万円は現実的な範囲だと見ている(推測・業界水準)。
Q6. HubSpotやSalesforceの経験がなくても案件に参入できますか?
クライアントによって異なるが、「経験なし・概念理解あり」でも入れる案件はある。特にスタートアップ系の案件では「HubSpotを自社に合わせてゼロから設計できる人材」を求めることもあり、必ずしも既存のHubSpot環境を引き継ぐことを前提としていない。
ただし、操作経験ゼロで案件に入ると立ち上がり期間の負荷が大きくなる。事前に無料版HubSpotで個人環境を作り、メールシーケンス・コンタクト管理・レポートの基本操作を一通り触っておくことをすすめる。
Q7. SES企業に所属しながらSDR/BDR案件を副業で受けられますか?
就業規則による。SES企業の多くは副業を禁止しているか、申請が必要な場合が多い。副業可能な場合でも、競合他社への業務委託は禁止されているケースがある。
SDR/BDRは「IT企業の営業支援」という性質上、SES業界の競合企業に関わる可能性もある。就業規則の確認と、必要であれば申請・許可取得を先にやっておくべきだ。会社に黙って副業をやって問題になるケースを見てきたので、透明性のある進め方をすすめる。
Q8. SDR/BDRフリーランスが使うべきプラットフォームはどこですか?
IS/SDR/BDR案件に特化したプラットフォームは少ない。現実的な選択肢を挙げると:
- SOKUDANは副業・業務委託の幅広い案件があり、IS案件も掲載されている。92%リモート対応・週1〜3日案件が多い。
- ITプロパートナーズはIT/SaaS系の案件が多く、IS系の案件も取り扱っている。週2〜3日稼働の案件が豊富。
- Warisはインサイドセールスのフリーランス・業務委託案件を専門的に扱っており、IS転換したい女性に特化している面もある。
- HeydayはSES出身者が技術背景を活かしてIS転換する支援を行っており、AI SaaS系SDR/BDR案件を取り扱っている。
どのプラットフォームが合うかは稼働形態・希望単価・商材領域によって異なる。複数に参加して比較する方法が実際的だ。
Q9. SDR/BDRで稼いだ収入の確定申告はどうすればいいですか?
業務委託(業務委託契約・準委任契約)で報酬を受け取る場合、フリーランスとして確定申告が必要になる。年間の業務委託収入が20万円を超えた場合、雑所得または事業所得として申告する必要がある。
IS案件で使うツール(CRMソフト・PC・通信費等)は経費として計上できる。青色申告の申請(開業届と同時に提出)で最大65万円の特別控除が受けられるため、継続的にフリーランスIS案件を受けるなら早めに手続きをしておくべきだ。
IS/SDR/BDR業務委託案件への相談
Heydayが扱うIS/SDR/BDR案件の詳細や、「自分のバックグラウンドで入れる案件があるか」の相談はキャリア相談から受け付けている。
単価・稼働形態・商流の深さは最初から開示している。相談してから紹介まで「詳細は面談で」という進め方はしていない。
インサイドセールス フリーランス案件の総論記事はこちらでも単価相場・必要スキル・案件の取り方を詳しく解説している。
プリセールス・ソリューションエンジニア系の業務委託案件に興味がある人はプリセールス フリーランス案件の単価も参照してほしい。自分の市場単価を確認したい人は単価診断から確認できる。