「市場価値を上げたい」とエンジニアから相談を受けるたびに、最初に聞く質問がある。
「市場価値って、誰の目線での価値ですか?」
SES事業を6年経営しながらAI導入コンサルタントとして複数企業のエンジニア組織を見てきた立場で言うと、「市場価値が上がらない」と感じているエンジニアの多くは、市場価値の構造そのものを誤解している。
「年数を重ねれば上がるもの」でも「資格を取れば上がるもの」でもない。市場価値は 「スキルの希少性 × 上流工程への関与度 × 第三者から確認できる実績」 の掛け算で決まる。どれか1つが0なら、他が10でも市場価値は0になる。
この記事では、Heydayが取り扱う案件データ(生成AI系97〜106万円 vs 保守系68万円という約40%の単価差など)と、英語圏の最新研究(Lightcast、PwC、GitHub社内調査など)をもとに、SES環境でも実践できる「市場価値の上げ方」を解説する。
なぜ市場価値が上がらないのか:3つのパターン
相談を受けるエンジニアを観察してきた経験から、「市場価値が上がらない」と感じる状態は、大きく3つのパターンに分類できる。自分がどれに該当するかを最初に把握すると、打ち手が変わる。
パターン1:スキルは積んでいるが希少性がない
「Java5年、保守運用経験あり、要件定義は未経験」というプロフィールは、SES市場にあふれている。スキルは間違いなく積んでいるが、市場で代替可能性が高い状態だ。
このパターンの本質的問題は 「技術スタックの選択を案件に任せている」 ことにある。10年以上更新されていない技術スタックの保守案件に5年いると、5年前の自分より市場価値は下がっていることすらある。
パターン2:希少性はあるが上流工程に関与していない
「Pythonで機械学習の前処理ができる」「TerraformでIaCが書ける」など、技術的な希少性はある。だが案件では下流の実装作業しか任されていない——というパターンだ。
このパターンの問題は 「設計・要件定義の経験がポートフォリオに乗らない」 ことだ。クライアントは技術力ではなく「どこまで上流から任せられるか」で単価を決める。実装だけのエンジニアと、要件定義から関われるエンジニアでは、Heydayデータでも約20%の単価差がある(後述)。
パターン3:スキルも上流経験もあるが可視化されていない
これが最ももったいないパターンだ。実力はあるのに、第三者から確認できる実績がない。GitHubも空、技術ブログも書いていない、登壇もしていない、副業もやっていない。
「実力はあるが知られていない」という状態は、市場価値の評価軸に乗らない。SES営業や採用担当者は 「事前に確認できる実績の量」 で初期評価を行うため、ここが空白だと書類段階で弾かれる。
代表コメント(小川将司)
エンジニアとの面談で「市場価値が頭打ち」と相談を受けたとき、ほとんどの場合この3パターンのどれかに該当します。スキルが足りない人より、スキルはあるが「希少性・上流・可視化」のどれかが0になっている人が圧倒的に多い。市場価値を上げる第一歩は、不足しているのがどの軸かを正確に診断することです。(Heyday代表)
市場価値を決める3つの軸
「市場価値とは何か」を曖昧なまま議論しても堂々巡りになる。ここで3つの軸として明確に定義する。
軸1:スキルの希少性
「同じスキルを持つエンジニアが市場にどれくらいいるか」で決まる。供給が少ないスキルは、需要が同じでも単価が上がる。
2026年時点でスキルの希少性が高い領域:
- 生成AI/RAG/LLMアプリ開発(Heyday案件平均単価上限106万円)
- MLOps(機械学習基盤運用、平均単価上限103万円)
- クラウドセキュリティ(経験6年以上で月100万円超の案件多数)
- AIコンサル・DX推進(平均単価上限92万円)
逆に希少性が落ちている領域:
- Javaの一般的な業務システム実装(GitHub Copilot活用率61%でAI代替が進行)
- ドキュメント作成・テスト仕様書起票
- パターン化された保守・運用タスク
軸2:上流工程への関与度
設計・要件定義に関与しているかどうかが、単価の分水嶺になる。
Heydayが取り扱う案件データから抜粋すると:
| 関与している工程 | 平均単価上限 |
|---|
| 詳細設計のみ | 69万円 |
| 設計/要件定義を含む | 83万円 |
差は約20%。これは「コーディング能力の差」ではなく 「クライアントが意思決定権をどこまで委譲するか」 の差だ。
AI時代にはこの軸の重要性がさらに上がっている。理由は単純で、AIが「分かりきった実装」を高速化するため、人間に求められるのは「何を作るかを決める仕事」にシフトしているからだ(GitHub社内調査でも、タスクの複雑度が高いほどAIによる生産性改善は10%未満に留まるケースが多い)。
軸3:可視化された実績
第三者から確認できる実績がどれくらい積まれているかで、初期評価が決まる。
可視化できる実績の例:
- GitHub上の公開リポジトリ(READMEが整備され、コミット履歴が継続している)
- 技術ブログ・Qiita・Zennの記事(できれば月1本以上の継続)
- カンファレンス登壇・LT登壇の実績
- OSS貢献(マージされたPRがある)
- 副業・個人開発の実績
- 取得済みの資格(AWS SAA/SAP、応用情報、RISS等)
ここが空白の状態では、面談で「実力があります」と話しても確認手段がないため、SES営業も採用担当者も慎重にしか動けない。
代表コメント(小川将司)
「実力はあるが見えていないエンジニア」と「実力はそこそこだが見えているエンジニア」では、後者の方が高単価で動ける時期があります。これは市場の歪みですが現実です。可視化のコストは数年前と比べて極端に下がりました。Claude Codeやクラウド無料枠を使えば、平日1時間×3ヶ月で「動く成果物」が1本作れます。可視化を後回しにしている時間は機会損失そのものです。(Heyday代表)
技術スキル編:単価差40%が生まれる構造
ここからは具体的なアクションに入る。まず技術スキルの軸でできることを整理する。
Heydayデータが示すスキルカテゴリー別単価
Heydayが2026年Q1時点で取り扱う案件の平均単価をスキルカテゴリーで分類した。
| スキルカテゴリ | 平均単価(下限) | 平均単価(上限) |
|---|
| 生成AI/RAG/LLM系 | 97万円 | 106万円 |
| MLOps(機械学習基盤) | 100万円 | 103万円 |
| AIコンサル・DX推進 | 83万円 | 92万円 |
| GitHub Copilot/AIツール活用 | 82万円 | 93万円 |
| データサイエンス | 68万円 | 79万円 |
| 保守/テスト中心案件 | — | 68万円 |
最上位(生成AI/RAG/LLM)と最下位(保守/テスト中心)の差は約40%。この差は「経験年数」では埋まらない。保守/テスト中心の案件で10年積んでも、生成AI系の単価には届かない。
AIスキルが市場価値に与える影響:英語圏データ
海外データはさらに強烈だ。
- Lightcast調査:AIスキルを2つ以上持つエンジニアは、持たないエンジニアより年収が43%高い
- PwC 2025 Global AI Jobs Barometer:AIスキルを要求する職種は、要求しない職種より賃金プレミアムが56%(2024年の25%から急拡大)
- GitHub社内調査(4,800人):GitHub Copilot利用エンジニアはコーディングタスク完了が55%速い
- Gartner予測(2024年10月):エンジニアの80%が2027年までにアップスキリングを迫られる
「AIスキルがあると単価が上がる」という現象は、すでに統計的に観測されている事実だ。
「上流に関われる技術スタック」を選ぶ
スキル習得の優先順位を決めるとき、最も効率的な視点が 「そのスキルを持っていることで上流工程に呼ばれやすくなるか」 だ。
優先度の高いスキル(Heyday案件の動向から):
- クラウド設計(AWS/Azure/GCP):マイグレーション設計に呼ばれる入場券。AWS SAA→SAPが王道
- 生成AIアプリ開発(RAG/LLM):要件定義から呼ばれる稀少領域。Python+OpenAI API+ベクトルDBが基本セット
- アーキテクチャ設計(マイクロサービス・コンテナ):技術選定の場に呼ばれる
- セキュリティ(クラウドセキュリティ・OWASP):レビュー権限を持つポジションに直結
- データ基盤・MLOps:「データ活用方針の意思決定」に関与できる
優先度を下げてよいスキル:
- 特定言語の細かい構文(AIで即座に補える)
- 特定ベンダーツールの操作(市場での流動性が低い)
- ドキュメント整備のみのスキル(AIに完全代替されつつある)
詳細なスキルアップ手順は SESエンジニアがAI時代に市場価値を上げるスキルアップロードマップ でフェーズ別に解説している。今すぐ/3ヶ月/6ヶ月/1年の各タイムラインでやるべきアクションを整理しているので、技術スキル軸の詳細はそちらを参照してほしい。
ポータビリティ編:案件を横断できる汎用スキル
特定の常駐先・特定のクライアント・特定のドメインでしか通用しないスキルだけを積んでいると、案件が変わるたびに市場価値がリセットされる。市場価値を 「持ち運べる形」 で積み上げるには、ポータビリティの高いスキルを意識的に選ぶ必要がある。
ポータビリティが高いスキルの特徴
- 業界横断で通用する:金融でも製造でも公共でも使えるスキル
- チーム規模に依存しない:5人チームでも100人チームでも価値がある
- クライアント固有のツールに依存しない:オープンな技術スタックで成立する
具体例:
- クラウドアーキテクチャ設計(AWS/Azure/GCP)
- システム設計の基礎(DDD、マイクロサービス、API設計)
- データベース設計(RDB・NoSQL両対応)
- セキュリティ設計(OWASP Top 10、ゼロトラスト)
- AIツール活用(GitHub Copilot、Claude Code、RAG構築)
ポータビリティが低いスキルの罠
逆に注意すべきは、特定環境でしか通用しないスキルだ。
- 特定の社内フレームワーク・社内ツールに精通している
- 特定業界の極めてニッチな業務知識(その業界の他社で活きない領域)
- 古いベンダー製ツール(市場全体での需要が縮小している領域)
これらは「現職での評価」は上がるが「市場価値」は上がらない。SES環境では案件が変わるたびに価値がリセットされるリスクが高い。
ポータビリティを意識した案件選択
SES会社の担当営業に案件希望を伝えるとき、次の要素を意識的にリクエストする。
- クラウドネイティブな案件(オンプレ専用案件は避ける)
- モダンな技術スタック(直近3年以内に立ち上がったプロジェクト)
- 設計工程から関われる案件(保守・テスト専任は避ける)
- AIツール活用が許可されている案件(GitHub Copilot等が業務利用できる)
「単価が高い案件」より「ポータビリティが高い案件」を優先できると、3〜5年後の市場価値が変わる。短期の単価最大化と長期の市場価値最大化はトレードオフになることが多い。
代表コメント(小川将司)
30代後半でフリーランス転向や転職の相談を受けるとき、決め手になるのは「持ち運べる実績がどれくらい積まれているか」です。社内ツールに10年詳しいだけでは、外に出た瞬間に評価がゼロから始まります。SESエンジニアこそ、案件を「ポータビリティに変換する装置」として使う発想が必要です。(Heyday代表)
アウトプット・可視化編:市場評価を作る
可視化された実績を作ることが、市場価値の3つ目の軸だ。「実力があれば見える」のではなく、「見せる努力をしないと評価軸に乗らない」のが現実だ。
可視化チャネルの優先度(SESエンジニア向け)
費用対効果が高い順に並べると:
- GitHub整備:個人プロジェクトを最低3本公開する。READMEは丁寧に。コミット履歴が継続していることが重要
- 技術ブログ(Qiita / Zenn):月1本ペースで継続する。3〜6ヶ月で書き溜めると面談時のアピール素材になる
- 資格取得(AWS SAA、応用情報など):客観的な技術力の証明になる。SES営業の案件提案書にも記載できる
- 副業実績:稼働率の上限まではいかない範囲で副業案件を持つ。「自分で案件を獲得した実績」が市場評価を上げる
- 登壇・LT:勉強会や社内勉強会から始める。年1〜2回の登壇実績は名刺になる
「動く成果物」を1本持つ威力
最も効率的な可視化アクションは、動くデモを1本作ってGitHubに公開する ことだ。
例えば次のような個人プロジェクト:
- OpenAI APIを使った社内文書検索アプリ(RAG構築)
- AWS Lambdaで動く小規模な業務自動化ツール
- LangChainを使ったエージェント型ツール
- GitHub Actionsで動くCI/CDパイプラインのサンプル
これらは個人開発で完結し、コストもほぼかからない。Heydayの案件相談時に「これを作りました」とGitHub URLを提示できれば、案件マッチング精度が一気に上がる。
SNS・技術発信を始めるタイミング
「もっとスキルが上がってから始める」と考えると永遠に始められない。「学んでいる過程」を発信する のが正解だ。
技術発信を始めるとき:
- AWS SAAの学習過程を毎週まとめる(学習記録自体がコンテンツになる)
- GitHub Copilotを業務でどう使ったかの事例を月1本書く
- 個人プロジェクトの設計判断をブログ化する
「完璧な記事」は要らない。「継続している痕跡」が、面談時の信頼度を作る。
副業で「自分で案件を獲得した実績」を作る
副業を一定期間経験すると、市場価値の見え方が劇的に変わる。
- 自分の市場単価を直接知ることができる
- クライアントとの直接交渉経験が積まれる
- 「営業実績ゼロ」状態を抜け出せる
- 本業と異なる技術スタックに触れられる
副業の始め方や注意点については エンジニアの副業の始め方 で詳述している(SESエンジニアが副業を始めるときの就業規則確認・確定申告の手順まで含む)。
代表コメント(小川将司)
「副業はリスクがあるので踏み出せない」というエンジニアによく会いますが、副業の本質的な価値は副収入ではなく「市場価値の校正」です。本業の評価だけだと、自分の単価を客観視できなくなります。月1〜2万円でいいので副業で外貨を稼いだ瞬間、本業の市場価値も見え方が変わる——これが副業の真価です。(Heyday代表)
SES環境でできること・できないことの整理
ここまでの議論を踏まえて、SES環境という制約のなかで実行可能なこと・困難なことを正直に整理する。
SES環境でも十分にできること
- GitHub Copilot / Claude Code / Cursorを個人ライセンスで使い、業務効率化の実績を作る
- 常駐先のリードエンジニアに「設計レビュー同席」を申し出る
- 業務外でAWS SAA、応用情報などの資格を取得する
- 個人プロジェクトを構築してGitHubに公開する
- 技術ブログ(Qiita/Zenn)を月1本ペースで書く
- 副業案件を月10〜20時間程度で持つ(就業規則の範囲内で)
- 常駐先でAIツール活用をリードする立場を取りに行く
SES環境では構造的に難しいこと
- 常駐先の技術選定そのものに関与する(クライアント側の権限)
- 常駐先のアーキテクチャを一から設計する(外部委託の権限の限界)
- 常駐先のAIツール予算・ライセンス方針を変える
- 自分で最終的な意思決定権を持つポジションに就く
ここで重要なのは、「SES全体ではこれができない」と「この常駐先ではこれができない」を混同しない ことだ。同じSES形態でも、設計から関われる案件・AIツール活用が推進されている案件・上流PMOポジションの案件は存在する。
「現状を変える方法」は3段階ある。
- 常駐先内で動く:リードエンジニアへのアプローチ、AIツール活用提案、設計レビュー同席など
- 案件を変える:SES会社の担当営業に「次は設計工程から関われる案件」と明示する
- SES会社を変える:所属会社が技術投資・案件選択の自由度に乏しい場合は、転職を視野に入れる
詳細なステップは SES転職の完全ガイド で経営者目線の判断軸を整理している。30代特有の課題は エンジニア35歳転職の現実 で別途解説している。
フリーランス転換という選択肢
経験4年以上・現在の月単価が65万円以上なら、フリーランス転換という選択肢が現実的に視野に入る。
フリーランス化のメリット:
- 単価交渉の自由度が上がる(会社のマージンが乗らない)
- 案件選択の主導権を握れる
- 経費計上の幅が広がる
デメリット:
- 案件獲得を自分で(または信頼できるエージェント経由で)行う必要
- 確定申告・経理・税務管理が増える
- 案件断絶時の収入リスク
フリーランス転換の判断基準・転換タイミング・実務的な手順は SES→フリーランス転換ガイド で経験年数・単価別に整理している。市場価値が一定水準に達したエンジニアにとっては、フリーランス転換は「市場価値を単価に変換する装置」として機能する。
市場価値が急上昇したエンジニアの3パターン
Heydayが関わったエンジニアのなかで、特に市場価値が短期間で上がった事例を3パターン紹介する(一部匿名化・構成変更あり)。
パターンA:保守エンジニア → AWS SAA取得 → クラウド設計補助
背景:Java保守4年・当時単価52万円。「成長できない」と感じていた。
行動:案件の待機期間中にAWS SAAを3ヶ月で取得。Heyday担当営業に「クラウド系案件に入りたい」と明示。GitHubに学習成果のIaCサンプルを公開。
結果:オンプレ→AWSマイグレーション案件にインフラ補助として参入。6ヶ月後に設計補助に昇格。2年後にAWS SAP取得し、現在は月85万円レンジで稼働。
学び:資格は単独では単価を上げない。「資格 + 案件選択 + 入った後の積み上げ」 の3点セットで初めて市場価値が変わる。
パターンB:実装専任 → AI活用実績 → 生成AI案件参入
背景:Pythonデータ分析補助2年・当時単価58万円。AIへの興味はあったが業務では使えなかった。
行動:業務外でOpenAI APIを使った社内FAQ自動回答ツール(RAG構築)を3ヶ月で構築し、GitHubに公開。Qiitaで構築過程を5本記事化。Heyday相談時に「AI/LLMアプリ開発の実績」として提示。
結果:RAG構築案件にメンバーとして参入。LLM活用・プロンプト設計の実務経験を積み、現在は月75万円レンジのAI案件で稼働中。
学び:「AIを知っている」と「AIで何かを作った」の差は、市場評価では桁違い。動く成果物を1本持つだけで案件タイプが変わる。
パターンC:実装専任 → 設計レビュー同席 → 設計主担当
背景:Java実装専任5年・当時単価62万円。設計工程に関わったことがなかった。
行動:常駐先のリードエンジニアに「設計レビューに見学だけでもいいので同席させてほしい」と申し出る。最初は見学のみだったが3ヶ月後にコメント出しに参加するようになる。
結果:常駐先から「設計主担当」として継続依頼される立場に。Heydayでの評価も上がり、月78万円の案件にアサイン中。
学び:「機会を待つ」のと「機会を申し出る」の差は決定的。SES環境でも、能動的に動けば設計工程に入る道は存在する。
まとめ:市場価値の上げ方・5ステップ
最後に、SES環境のエンジニアが今日から実行できる「市場価値の上げ方」を5ステップに整理する。
- 現状診断:パターン1〜3のどれに自分が該当するか把握する。スキルの希少性・上流関与度・可視化された実績のどの軸が0かを特定
- 不足軸の優先攻略:希少性が0なら技術選択の見直し、上流関与度が0なら設計レビュー同席や案件変更、可視化が0ならGitHub整備と技術ブログ着手
- 動く成果物を1本作る:個人プロジェクトを3ヶ月で1本構築し、GitHubに公開する。これが面談時の最強の名刺になる
- 次案件で「設計から関われる案件」を明示する:SES会社の担当営業に具体的なリクエストを出す。「スキルアップしたい」ではなく「設計工程・AI活用案件・クラウド系」と明示する
- 副業 or フリーランスで市場校正する:自分の市場単価を客観視するために、外部からの評価を一度受ける。月10時間の副業からでも効果がある
データを再掲する。
- Heydayが取り扱う案件では、AI系案件の平均単価(97〜106万円)と保守/テスト系(68万円)の差は約40%
- 設計/要件定義を含む案件は詳細設計のみ案件より単価が約20%高い(83万円 vs 69万円)
- AIスキルを2つ以上持つエンジニアは持たないエンジニアより年収が43%高い(Lightcast調査)
- AIスキル要求職種の賃金プレミアムは56%(PwC 2025)
この差は、スキルアップ・案件選択・可視化の3軸を意識的に動かしたエンジニアと、現状維持を続けたエンジニアの間に生まれる差そのものだ。AI時代の市場価値は、年数や経験を「ただ積み上げる」だけでは上がらない。何を積み上げるか・どこで積み上げるか・どう見せるか の選択を能動的に行えるかどうかで決まる。
まず、今の自分の市場価値を正確に把握することから始めよう。Heydayの市場価値診断ツールでは、言語・経験年数・クラウド経験・上流工程経験・希望働き方の5項目から、現在の単価レンジと伸ばすべきスキルを提示する。
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