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SESエンジニアがDXコンサルに転職できる条件とは?
単価・ルート・リスクを
Heyday代表が解説

小川将司
小川将司代表取締役

SES事業6年・DX推進コンサルのPM実績を持つHeyday代表が両面から解説

この記事でわかること

  • DXコンサルへ移行しやすいSESエンジニアには『複数業種の常駐経験』『上流工程参画』『PMO経験』の3つが共通する
  • DXコンサルFL案件の平均単価は88万円/月(Freelance Hub実案件データ)、上流案件は200万円に達する
  • SES→DXコンサルへの現実的なルートは3つある(SES在籍中の案件シフト・SIer経由2段階・FL転向)
  • 転職直後は年収が下がるケースがある(コンサルファーム1〜3年目は500〜600万円が多い)

この記事の対象: SES在籍中にDXコンサルへの移行を検討しているエンジニア、DXコンサルと自分の適性が合うか判断したい層

この記事にはHeydayの独自データが含まれています

「DXコンサルタントに興味はある。でも、SESエンジニアの自分が転職できるのかどうか、まったく分からない」

この問いを持つSESエンジニアは多い。ネットで調べると「スキルを身につければ転職できます」「転職エージェントに登録しましょう」という記事ばかりが並ぶ。しかし、具体的にどんなエンジニアが移行できて、どんなエンジニアが難しいのか、を正直に書いた記事はほぼ存在しない。

私はHeyday株式会社の代表・小川将司。SES事業を6年間運営し、300名以上のエンジニアのキャリアに関わってきた。同時に、DX推進プロジェクトのPMとして、コンサルタントがどういうスキル・姿勢で動いているかを内側から見てきた経験もある。「送り出す側」と「受け入れる側」の両方を見てきた立場として、DXコンサル転職の実態を本音で語る。

この記事で分かること:

  1. DXコンサルとSESの本質的な違い(肩書きではなく仕事の性質)
  2. SESエンジニアがDXコンサルに移行できる条件・できない条件(経営者視点)
  3. SES→DXコンサルへの3つの具体的なルートと単価相場

あなたの市場単価を診断する →


DXコンサルとSESの根本的な違い

SESとは(3行で再確認)

SES(システムエンジニアリングサービス)は、エンジニアの技術力を顧客企業に提供する契約形態だ。エンジニアはクライアントの指示のもとで開発・構築・運用を担う。評価軸は「技術力」「納期遵守」「品質」であり、何を作るかはクライアントが決める。平たく言えば、SESエンジニアは「作る人」だ。

DXコンサルとは

DXコンサルタントは、企業の経営課題をデジタル技術で解決することが仕事だ。「どの技術を使うか」よりも「どう変革するか」が問われる。評価軸は「提案の質」「推進力」「成果(KPI改善)」であり、何をすべきかを自ら定義するのが役割だ。SESと対比すると、DXコンサルは「変える人」だ。

「DXコンサル」は定義が揺れている

ここで正直に言わなければならないことがある。「DXコンサル」という肩書きは、業界で非常に曖昧に使われている。実態は大きく3種類に分かれる。

戦略系:経営層にDX戦略を提言し、ビジネスモデル変革まで関与する。PwC・マッキンゼー・デロイトのようなトップコンサルファームが担うポジション。年収水準も最も高い。

推進系:DXプロジェクトのPMO・推進支援が主業務。経営とシステムの橋渡しをする役割で、SES経験者が最も入りやすいポジション。

実装系:クラウド移行・BI導入・RPA構築などの技術実装を担う。実態はSESに非常に近く、「DXコンサル名目のSES案件」と言っても差し支えない場合も多い。

Heydayが取り扱う案件でも、「DX推進支援」と書かれた案件の内容を見ると、PMO補佐や要件定義支援が主体で、本質的にはSES案件と変わらないものが存在する。「DXコンサルに転職したい」という人は、まずこの3種類のどれを目指しているのかを明確にする必要がある。


DXコンサルの単価・年収リアル

フリーランスDXコンサルの単価相場

Freelance Hubの実案件データ(2025〜2026年)によると、DXコンサル系フリーランス案件の平均単価は88万円/月だ。最低は45万円(WinActor開発運用)、最高は200万円(DX構想策定・上流支援)と幅が大きい。

代表的な案件の単価感を示す。

案件内容月額単価
WinActorによるRPA開発・運用45万円
海運DX SaaS開発(フルスタック)88万円
AI活用DX推進コンサルタント120万円
建設DXプラットフォーム開発統括120万円
製薬企業向け業務改善DX推進165万円
DX構想策定・上流支援コンサルタント200万円

出典:Freelance Hub実案件データ(2025〜2026年)

この表から分かることが2つある。まず、単価のレンジが広すぎるということ。「DXコンサル」という肩書きで45万〜200万円と4倍以上の差がある。次に、単価が高い案件ほど「上流・戦略立案・推進」が主業務で、技術実装比率が低いということだ。

フリーランスでDXコンサル案件を受けているエンジニアの主要スキル要件は、TypeScript・Python・Java・JavaScriptといった技術スキルに加え、PM/PMO経験が求められるケースが多い。リモート案件比率は71.3%と高い。

コンサルレベル別の単価目安(市場推計)は以下のとおりだ。

レベル経験年数目安月額単価
アナリスト2年以上70〜120万円
コンサルタント3年以上100〜150万円
マネージャー6年以上150万円〜
シニアマネージャー9年以上180万円〜
パートナー/MD12年以上250万円〜

正社員DXコンサルの年収

JAC転職のデータによると、正社員DXコンサルタントの年収推移は以下のとおり。

経験年数年収目安
1〜3年(アナリスト〜コンサルタント)500〜600万円
3〜5年(シニアコンサルタント〜マネージャー)700〜1,000万円
5年以上(マネージャー〜)1,000〜1,500万円

転職事例では、年収1,200万円→1,600万円、1,200万円→1,400万円という事例も報告されている。ただし、これは経験豊富な転職者の事例であり、SESからキャリアチェンジする場合の初年度は500〜600万円から始まることが多い。

SES正社員との年収比較

Heydayの取扱い案件実績(2024〜2025年)をもとに、SES正社員とDXコンサルの比較をまとめた。

項目SES正社員(中堅)DXコンサル正社員(転職直後)DXコンサルFL(経験3年以上)
年収400〜600万円500〜600万円1,200〜1,800万円
月額単価(市場相場)60〜90万円88〜150万円
リモート率案件依存(50〜70%)企業依存71.3%

重要な点は、正社員でDXコンサルファームに転職した場合、転職直後の年収はSES正社員と大差ない、あるいは下がることがあるということだ。「DXコンサルに転職すれば年収が上がる」というイメージは短期では誤りで、中長期で正しい。


SESエンジニアがDXコンサルへ移行できる条件・できない条件【経営者視点】

ここが本記事の核心部分だ。競合記事のすべてが「スキルアップすれば転職できる」という楽観論で終わっている。しかしSES経営者として数百人のエンジニアを見てきた経験から言えば、DXコンサルへの移行が向いているエンジニアと向いていないエンジニアは、実は入社前から見えている。

移行しやすいエンジニアの共通点

Heydayでキャリアチェンジを支援したエンジニアのうち、DXコンサル系案件・企業への移行がスムーズだった人たちに共通する特徴がある。

複数業界での常駐経験がある

製造業・金融・医療・小売など、異なる業界のクライアントに常駐したことがあるエンジニアは、「各業界の業務課題」に関する知識の引き出しが多い。DXコンサルで最も重要なのは技術力ではなく「クライアントの業務課題を理解する力」であり、この経験が直接活きる。

1つの現場に5年以上いるより、2〜3年サイクルで複数業界を経験したエンジニアの方がDXコンサルとしての素地がある。これは多くのSES経験者が持っている強みでもある。

上流工程への関与経験がある

要件定義・RFP(提案依頼書)作成・業務フロー整理・ユーザーヒアリングなど、上流工程に参画したことがあるエンジニアは、コンサル業務への移行が早い。逆に言えば、設計書をもらって実装するだけの経験しかないと、移行に時間がかかる。

PMO・進捗管理の経験がある

プロジェクトの進捗管理、ステークホルダーとの調整、課題管理票の運用などを担ったことがあるエンジニアは、DXコンサルの「推進系」ポジションにスムーズに入れる。PMOとDXコンサルの推進系は、業務内容が非常に近い。

PM/PMO案件の単価についてはこちらの記事も参考に →

特定ドメインの業界知識を持っている

製造業のERPに詳しい、金融の勘定系システムを理解している、医療のHISに触れたことがある、など特定業界の深い知識はDXコンサルで武器になる。「技術×業界知識」の組み合わせを持つエンジニアは、業界特化型DXコンサルとして高く評価される。

移行が難しいエンジニアの特徴

同様に、移行が難しいパターンも正直に書く。

技術特化で「ビジネス課題から逆算する」経験が皆無

「どんな技術を使えばいいかは分かるが、なぜその技術が必要なのかをビジネス視点で語れない」というエンジニアは、DXコンサルへの移行に時間がかかる。コンサルは「技術で何ができるか」ではなく「ビジネス課題に対して何をするか」を常に考える職種だ。

常に要件待ちで、自ら提案したことがない

「言われたことを正確にやる」ことが評価されてきたエンジニアは、DXコンサルの「自ら課題を定義して提案する」文化に最初は強烈なギャップを感じる。Heydayで担当したエンジニアの中にも、コンサル文化に適応できず1年で戻ってきた人が実際にいる(後の「実例」セクションで詳述する)。

コミュニケーションがSlack・メールのみで、対面・電話交渉の経験が薄い

DXコンサルでは経営者・役員・部長クラスとの対面ミーティングが頻繁にある。「口頭で即座に提案できる」「ホワイトボードで課題を整理できる」「役員を前にしてもひるまない」という能力が求められる。

年収への固執が強く、スタートアップコンサルの初年度を許容できない

転職直後に年収が一時的に下がることを理解していないまま転職すると、精神的なギャップが大きい。「コンサルに転職したら年収が上がった」という話を聞いて転職を決めると、初年度の500〜600万円にショックを受けるケースがある。

Heyday代表の判断基準:DX推進経験を積ませてきたエンジニアに共通する3つの習慣

Heydayでは、以前から「DX系の上流案件に入れそうなエンジニア」を積極的に案件紹介してきた。その経験から、DXコンサル方向のキャリアを歩みやすいエンジニアには3つの共通する習慣がある。

1つ目は「なぜ?を口癖にしている」ことだ。「この機能を実装してほしい」と言われたとき、「なぜこの機能が必要なのか?この機能で何のビジネス課題が解決されるのか?」を自然に問い返すエンジニアは、コンサル思考に近い。

2つ目は「クライアントの業務フローに関心を持っている」ことだ。プログラムを書くだけでなく、クライアントがどういう業務プロセスで動いているかを自発的に理解しようとしている人は、移行後の立ち上がりが早い。

3つ目は「自分の意見を持って提案する」ことだ。質問されたときに「どっちでもいいです」と言わず、「私はこう考えます、なぜならば〜」と根拠を持って答えられる人が、コンサルの世界では評価される。


SES→DXコンサルへの3つのキャリアルート

ルート1 — SES在籍中にDX案件に入ってキャリアチェンジ

最もリスクが低く、Heydayが最も多く支援してきたルートだ。

SESエンジニアとして在籍しながら、案件をDX系(推進支援・PMO・要件定義支援)にシフトしていく方法だ。転職のリスクを取らずに、実績を積みながらキャリアを変えられる。

このルートで入れる案件の単価感は、80〜120万円/月が中心だ。Heydayでは、以下のような案件でこのキャリアシフトを支援している。

  • 製造業DX推進支援PMO:月額90〜110万円
  • 金融機関向けデジタル変革アドバイザリー補佐:月額95〜120万円
  • 小売業ERPマイグレーション要件定義支援:月額85〜100万円

「DXコンサルに転職したい」という気持ちはあるが、今の仕事を辞めるリスクを取れない人、まず実績を積んでから転職したい人にとって、現実的な第一歩になる。

SESのキャリア設計全般については →

ルート2 — SES→SIer上流部門→DXコンサルの2段階(3〜5年)

SESから直接コンサルファームへの転職が難しい場合に有効な王道ルートだ。

まずSIerの上流部門(プリセールス・SE・コンサルティングSE)に転職し、ビジネス提案スキルを身につける。その後、コンサルファームやコンサルに近いポジションに転職するという2段階のステップだ。

このルートのメリットは確実性だ。SIerで提案書作成・顧客折衝・プロジェクトマネジメントの経験を積むことで、コンサルファームの選考で評価されるポートフォリオが揃う。

デメリットは時間コストが大きいことだ。SESからSIer上流部門への転職で1〜2年、その後コンサルへの転職準備に1〜2年かかるため、最低3年・現実的には5年以上かかる計算になる。

SESからの転職タイミングの考え方 →

ルート3 — SES→フリーランス転向→DXコンサル案件受注

SES正社員からフリーランスに転向し、DXコンサル系の案件を直接受注するルートだ。

Freelance Hub実案件データによると、DXコンサル系フリーランス案件の平均は88万円/月。PMO・推進支援系は100〜150万円/月が相場で、経験を積めば165〜200万円/月の案件も視野に入る。

このルートの前提条件は2つある。1つは「過去の実績をポートフォリオとして示せること」。もう1つは「複数の案件を同時進行できるキャパシティがあること」だ。

SES正社員では分かりにくかった自分の市場価値が、フリーランスになることで単価という形で明確に可視化される。まず自分の市場単価を把握してから、この選択肢を検討することを勧める。

SES正社員とフリーランス、どちらが向いているかを診断する →


DXコンサルへ移行するために必要なスキル・資格

技術スキル(最低限必要なもの)

DXコンサルで求められる技術スキルは、高度な実装能力ではなく「ビジネスに活かせる技術の概念理解」だ。

クラウド基礎(AWS/Azure/GCP):実装できなくてもよいが、クラウドのアーキテクチャ概念、コスト構造、セキュリティの基本は理解している必要がある。具体的には「このシステム構成だとAWSでどのくらいのコストになるか」を概算できるレベル。

データ分析・BIツール(Tableau/Power BI):クライアントへの可視化・レポーティングで使用頻度が高い。SQLが書けてBIツールでダッシュボードを作れるレベルがあれば十分。

AI・機械学習の概念理解:実装は不要だが、「機械学習とは何か」「LLMとは何か」「AIで何ができて何ができないか」をクライアントに説明できるレベルの理解は必要だ。特に2025〜2026年以降、AI活用DXの案件が急増しており、AI基礎知識のないコンサルタントは案件の範囲が狭まる。

ビジネス・コンサルスキル(最重要)

技術スキルよりも、コンサルスキルの方が転職・案件獲得に直結する。

課題構造化・ロジカルシンキング:クライアントが「困っている」と言う事象を、根本的な課題に分解し、優先度をつけて整理する能力。MECE・ロジックツリーなどのフレームワークの実践的な使い方を身につけることが重要だ。

ステークホルダー管理・経営層とのコミュニケーション:DXプロジェクトは必ず複数の部門・役員が関与する。誰が何を望んでいて、誰が何を恐れているか、を読みながらプロジェクトを前に進める力が求められる。

プレゼン・提案書作成能力:PowerPointで課題・解決策・ロードマップを論理的に構成し、経営者を動かす資料を作れること。実装案件では不要だったこのスキルが、コンサル転職後に最初のボトルネックになるエンジニアが多い。

役立つ資格(取得優先度付き)

資格は必須ではないが、選考時の差別化と知識の体系化に役立つ。

優先度:高

  • PMP(プロジェクト管理の国際資格):プロジェクトマネジメントの国際標準資格。DXコンサル・PMO系の採用選考で最も評価される。取得に約6ヶ月〜1年かかるが、単価・年収への影響は大きい。
  • AWS認定(ソリューションアーキテクト以上):クラウド設計・アーキテクチャの知識を証明できる。実装ではなく設計・提案業務で活きる。

優先度:中

  • DX推進パスポート(経産省認定):IPA(情報処理推進機構)が提供するDX推進人材の認定資格。知名度は低いが、経産省のDX推進文脈での評価はある。
  • 中小企業診断士:中小企業のDX支援に特化したい場合に有効。取得難易度は高いが、ビジネスコンサルとしての信頼性が大幅に上がる。

優先度:低

  • DX検定:民間資格で認知度が低く、採用選考での評価は限定的。勉強自体は有益だが、履歴書に書いても効果は薄い。

DXコンサル転職のリスクと注意点【SES経営者の本音】

転職エージェントの記事では絶対に書かれない、リスクと失敗パターンを正直に記す。

年収が一時的に下がるケースがある

コンサルファームの1〜3年目は、年収500〜600万円が一般的だ。SESでインフラエンジニアとして80万円/月の案件に入っていたエンジニアがコンサルファームに転職すると、年収が下がる可能性がある。

これは「DXコンサルは稼げない」という意味ではない。5年以上のキャリアで1,000〜1,500万円に到達する事例は実在する。しかし転職直後の年収ギャップを想定していないと、精神的なダメージが大きい。

Heydayから送り出したエンジニアの中にも、コンサルファーム転職後1〜2年の収入に耐えられず、また戻ってきた事例がある。「中長期で稼ぐ」という視点で転職を決断することが重要だ。

SESの単価構造と還元率の実態 →

「コンサル文化」のギャップ

SES現場で評価されてきた能力と、コンサルファームで評価される能力は異なる。このギャップを認識していないと、入社後に苦しむことになる。

成果主義・アウトプット文化:SESでは稼働時間に対して評価されるが、コンサルでは「何を成し遂げたか」で評価される。「残業して頑張った」は評価されない。

資料作成の量と質:コンサルファームでは、クライアントへの提案書・報告書の作成が業務の大きな割合を占める。PowerPointで高品質な資料を素早く作る能力は、実装エンジニアには難しいと感じる人が多い。

業務時間外の自己研鑽:コンサルファームでは、業界動向・新技術・経営理論の自己研鑽が暗黙の前提になっていることが多い。スタディグループへの参加、ケーススタディの予習なども求められる。

「DXコンサル名目」の実態SES案件の見分け方

Heydayが「透明性プラットフォーム」として最も強調したいのがこのポイントだ。

「DXコンサルタント募集」と書かれた案件・求人の中に、実態はツール実装・運用のSES案件が多数混在している。これは採用企業側の「DXコンサルタント」という職種名のバラつきが原因でもあるが、結果として「コンサルタントとして転職したつもりが、実態はSESと変わらなかった」というケースが起きる。

見分けるポイントを3つ示す。

  1. 成果物が「提案書・戦略ロードマップ」か「実装コード・設計書」か:提案書中心であればコンサル寄り、実装コードが主体であれば実態はSES。

  2. クライアントの相手が「経営層・役員」か「現場担当者」か:コンサルは経営層と話す。実態SESは現場担当者のみとの関与が多い。

  3. 時間単価か成果単価か:「月〇〇時間稼働で月額〇〇万円」という構造は事実上のSES契約。「プロジェクト完了で〇〇万円」という成果報酬型がコンサルらしい。

面接時に「主なアウトプットは何ですか?」「誰と最も多くコミュニケーションしますか?」と確認することで、実態を把握できる。


Heydayが見てきたDXコンサル移行の実例

成功例:SES在籍中のDX系PMO案件入りから、2年後にコンサルファームへ

SES在籍5年目・Javaバックエンドエンジニア(当時32歳)が、DXコンサルへの移行を相談してきた。技術力は高かったが、上流工程の経験がほぼなかった。

Heydayでの提案は「転職ではなく、案件のシフト」だった。DX推進支援のPMO補佐案件(月額90万円)に入ることで、ステークホルダー管理・進捗報告・課題管理の実務を積んでもらった。

2年後、このエンジニアはPMPを取得し、独立系コンサルティングファームへの転職に成功した。転職後年収は初年度590万円とSES時代とほぼ変わらなかったが、2年後には800万円超になっている。

「転職を急がず、現職のままキャリアを変えた」ことが成功の鍵だった。

継続例:転職より高還元DX案件の継続を選択

SES在籍3年・インフラエンジニア(当時28歳)が「DXコンサルへの転職を考えている」と相談してきた。

ヒアリングを深めると、この方は「DXコンサルへの転職」ではなく「今より単価の高い仕事に関わりたい」が本質的なニーズだった。現状のSES単価は65万円/月で、自分の市場価値に疑問を感じていた。

Heydayで案件を見直した結果、クラウドインフラのDX移行支援案件(月額95万円)に入れることが分かった。転職リスクを取らず、単価を30万円アップできる選択肢があったのだ。このエンジニアは現在もHeydayで案件を継続しながら、DX系の技術経験を積んでいる。

「転職しなければ解決できない問題か」を整理することが、まず重要だという事例だ。

失敗例:コンサル文化に馴染めず1年でSESに戻ったケース

SES在籍4年・Pythonエンジニア(当時30歳)が、DXコンサルファームへの転職を決めた。技術力は高く、上流工程の経験もそれなりにあった。

しかし入社後にギャップが発覚した。この方は「技術を使って課題を解決する」ことが好きで、「資料を作って経営者を説得する」という業務には強い苦痛を感じていた。毎週の役員プレゼン準備・資料修正の繰り返しに疲弊し、約1年でSESに戻ることを選択した。

「作る人」でいたいのか「変える人」になりたいのか、という根本的な適性確認が不十分だったことが原因だ。DXコンサルへの転職を考える際は、「技術を使う仕事」と「提案・推進する仕事」のどちらが自分の本質に近いかを、まず正直に問い直してほしい。


FAQ

Q. SESエンジニアはDXコンサルに転職できますか?

可能ですが全員ではありません。上流工程・PMO経験があると移行しやすく、技術実装のみの場合はスキルギャップを埋めるステップが必要です。Heydayでは、SES在籍中にDX系案件へシフトするルートも支援しています。

Q. DXコンサルとSESの違いは何ですか?

SESはクライアントの要件に従い開発・構築する「作る人」の役割。DXコンサルは経営課題をデジタル技術で解決する「変える人」の役割で、提案・戦略立案・プロジェクト推進が中心です。

Q. DXコンサルタントのフリーランス月額単価はいくらですか?

Freelance Hub実案件データでは平均88万円/月。PMO・推進支援は100〜150万円/月、上流構想策定は200万円/月に達します。ツール導入・実装系は45〜80万円/月と幅があります。

Q. SES在籍中にDXコンサルのスキルを身につけることはできますか?

はい。SES案件にも「DX推進支援」「PMOサポート」「要件定義支援」などコンサルに近い業務があります。Heydayではこうした上流案件を積極的に紹介しており、転職リスクなく実績を積めます。

Q. DXコンサルに転職すると年収は上がりますか?

中長期では上がる傾向ですが、転職直後は下がるケースもあります。コンサルファーム1〜3年目は500〜600万円が多く、5年以上で1,000〜1,500万円に達する事例もあります(JAC転職データより)。

Q. SES経験は何年あればDXコンサルへの転職が有利ですか?

目安は3年以上かつ上流工程への関与があること。コンサルファームの多くが「3年以上のSES・SIer経験」を求めています。ただし技術実装のみの場合、10年あっても不利になるケースがあります。

Q. DXコンサルに転職するために必要な資格はありますか?

必須ではありませんが、PMPは選考で最も評価されやすく、AWSやAzure認定資格(設計レベル以上)も有利です。DX推進パスポートや中小企業診断士も差別化になります。資格より実務経験・ポートフォリオの方が重要です。

Q. ITコンサルとDXコンサルは違いますか?

ITコンサルはIT化・効率化が主目的でSIer寄りです。DXコンサルはビジネスモデル変革・組織変革まで含む上位概念です。ただし実務では境界が曖昧で、「DXコンサル」採用でも実態はITコンサルに近い場合があります。

Q. SESからDXコンサルに転職する最も現実的なルートは?

3つあります。SES在籍中にDX案件(PMO・推進支援)にシフトする方法がリスク最小。SES→SIer上流部門→DXコンサルの2段階(3〜5年)。SES→フリーランス転向後に直接受注(88〜150万円/月)の順です。

Q. DXコンサルへの転職で失敗するパターンは?

3つあります。技術力があってもビジネス提案できず評価されないケース。「DXコンサル」名目で実態はSES案件に入るケース。資料作成・学習量の多さに適応できずバーンアウトするケースです。

Q. DXコンサルとフリーランスエンジニアはどちらが稼げますか?

DXコンサル(FL)は平均88万円/月・高経験者で150〜200万円/月。開発系FLは60〜100万円/月が多く、コンサルの方が上振れしやすいです。ただし「結果責任」が問われるため、技術実装に特化したい人にはストレスになることもあります。

Q. HeydayでSESからDXコンサルへの転職支援をしてもらえますか?

はい。Heydayでは「SES在籍中にDX案件に入る」選択肢を支援しています。転職せずに上流・DX系案件にアサインすることで、リスクを下げながら実績を積む方法が取れます。詳しくはキャリア相談でご相談ください。

Q. DXコンサルは未経験から目指せますか?

コンサルファームへの未経験転職は難しいですが、「社内DX推進」「ITプロジェクト管理」などの事業会社ポジションは未経験でも可能な場合があります。そこで2〜3年実績を積んだ後にファームへ転職するルートが現実的です。

Q. DXコンサルとPMOは違いますか?

PMOはDXコンサルの中の一役割で、SES経験者が最も入りやすいポジションです。純粋なコンサルが課題定義・提案を担うのに対し、PMOは進捗管理・調整が中心です。PMOを経てコンサル職に上がるキャリアパスがSES出身者には現実的です。


まとめ

DXコンサルへの移行が向いているのは、「複数業界での常駐経験」「上流工程への関与」「PMO・推進経験」のいずれかを持ち、なおかつ「変える人」でありたいという志向があるエンジニアだ。技術力が高くても「作る人」でいたい人には、DXコンサルは向かない可能性がある。

SES→DXコンサルへの3つのルートを再掲する。

  1. SES在籍中にDX系案件(PMO・推進支援)にシフト(リスク最小・単価80〜120万円)
  2. SES→SIer上流部門→DXコンサルの2段階(確実だが3〜5年の時間コスト)
  3. SES→フリーランス転向→DXコンサル案件受注(単価88〜150万円/月)

迷っているなら、今すぐ転職を決断する必要はない。まず自分の現在の市場単価と、DX系案件に入れる可能性があるかを確認することが出発点だ。

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まとめ

DXコンサルへの移行は全員に向くキャリアではない。自分が『作る人』より『変える人』でありたいかどうかで判断する。迷うなら、SES在籍中にDX系案件に入ることがリスクゼロの第一歩になる。

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技術スタック・単価帯・勤務形態がわかる具体的な案件情報

小川将司

この記事の著者

小川将司

Heyday株式会社 代表取締役

SES事業6年・DX推進コンサルのPM実績を持つHeyday代表が両面から解説

Heyday株式会社 代表取締役。エンジニア・PM/PdMを経験後、SES事業を創業。複数クライアント現場でAI導入コンサルティングを担当。「ITをもっとフェアに」を掲げ、マージン構造の開示に取り組む。

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