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キャリア・転職

SESエンジニアがコンサル転職で
失敗する5つのパターン

小川将司
小川将司代表取締役

IT業界12年・SES事業6年の経営者が執筆

この記事でわかること

  • SES出身でコンサル転職を検討した人のうち約40%が内定獲得、うち60%が2年以内に後悔する
  • 失敗パターンは「コミュニケーション不足型」「スペック先行型」「環境依存型」など5類型に分類できる
  • SES在籍のまま上流案件を積む『第三の選択肢』が失敗リスクを最小化できる

この記事の対象: SESエンジニアでコンサル転職を検討している人、転職失敗のリスクを事前に知りたい人

この記事にはHeydayの独自データが含まれています

Heydayへの相談データでは、SES出身でコンサル転職を検討した人のうち約40%が内定を獲得している。しかしそのうち約60%が2年以内に「思っていたのと違った」と感じ、そのうちの一部はSES正社員に戻ってくるというのが実態だ。

転職自体は成功しても、その後に後悔する。これがSESエンジニアのコンサル転職で起きている構造的な問題だ。

なぜこうなるのか。私はSES事業を6年経営し、数十名のエンジニアのコンサル転職を見てきた。また、コンサルファームを経験した後にSES正社員として戻ってきたエンジニアの話も複数聞いている。その経験から言えることは、「SES出身者固有の失敗パターンが存在する」ということだ。

転職エージェント記事は「どうすればコンサルに転職できるか」を書く。しかし「転職した後に後悔する理由」は彼らには書けない。なぜなら転職させることが彼らのビジネスだからだ。この記事では、SES経営者の立場から、転職エージェントが書かない失敗パターンと判断基準を整理する。


SESエンジニアのコンサル転職は「思ったより難しく、入ってからも思ったより違う」

書類通過率の実態

Heydayが支援した事例では、SES出身者のコンサルファーム書類通過率は「ケースバイケース」という言葉では済まないほどの差がある。

  • 上流工程経験(要件定義・基本設計・提案)あり:書類通過率 60〜70%
  • 上流工程経験なし(実装・テスト・保守のみ):書類通過率 15〜25%

「SESでPMO案件に入っていれば書類は通りやすい」とよく言われるが、これも正確ではない。PMOの内容が「議事録作成・進捗管理・課題票のExcel管理」にとどまっている場合、コンサルファームの面接官には「事務作業者」と判定される。

問題は書類通過だけではない。内定を取った後の「入社してからの現実」が、もっと大きな落とし穴になる。

なぜ転職後に後悔するのか

Heydayに「コンサル転職から戻ってきた」エンジニアへの聞き取りから、共通して挙がる理由は3つだ。

  1. ドキュメント量と質の要求が想像の数倍だった:SES現場では「ソースコードさえ書ければOK」の文化が多い。コンサルでは提案書・分析資料・議事録・報告書を毎日何本も仕上げる必要がある
  2. 「提案」の意味が根本的に違った:SESの「提案」は技術選定の提示。コンサルの「提案」はビジネス課題の特定→仮説設定→解決策の立案→ROI試算→実行計画まで含む
  3. 評価基準が「技術力」でなく「クライアントへの影響力」だった:SES現場では技術スキルで評価されてきた人が、コンサルでは「でどんな成果をクライアントにもたらしたか」で評価される環境に適応できないことがある

SES出身者固有の5つの失敗パターン

競合記事(イーデス・bloom・ワンキャリア等)はSESからコンサル転職の「方法論」を書いているが、「SES出身者特有の失敗パターン」を類型化した記事は存在しない

以下はHeydayが転職支援してきた実例、および転職後にSES正社員に戻ってきたエンジニアとの対話から類型化した5パターンだ。


失敗パターン1:コミュニケーション不足型

「技術さえできれば大丈夫だと思っていた」

SESでは、技術力の高さが評価の中心になりやすい。コードの品質、バグの少なさ、スピード。これらで評価されてきたエンジニアがコンサルに入ると、最初の壁に当たる。

「会議でしゃべれない」「クライアントの前で論理的に話せない」「自分の意見を根拠とともに言えない」。

コンサルの仕事の6〜7割はコミュニケーションだ。資料を作り、人に説明し、合意を取り、クライアントを動かす。これはSES現場で意識的に鍛えない限り身につかないスキルだ。

Heydayが見た実例:8年SES経験・Java上流設計ができるエンジニアが中堅コンサルファームに転職。技術力は評価されたが、クライアントとの会議で発言できず、3ヶ月でアサインが外れた。半年後にSES正社員として戻ってきた際、「正直、技術の話以外で話すのが怖かった」と述べた。

小川代表コメント: SES現場はクライアントと直接話す機会が限られていることが多い。「技術が分かれば人と話さなくていい」という逃げ道がある環境で長年過ごしていると、コンサルの第一関門で詰まる。コミュニケーション力は転職前に鍛えておかないといけないスキルNo.1だ。


失敗パターン2:スペック先行型

「資格があるから採用されると思っていた」

PMP、応用情報技術者、AWSのソリューションアーキテクト、Salesforce認定資格……SESエンジニアの中には資格を武器にコンサル転職を試みる人が多い。

しかし、コンサルファームの採用担当者が見るのは資格ではなく「その資格を使って何をしたか」だ。

「AWSソリューションアーキテクトの資格を持っていても、設計した経験がゼロ」「PMPを取得しているが、PL(プロジェクトリーダー)として動いた経験がない」という状態では、面接で即座に詰められる。

失敗の典型例(Heydayへの相談ケース)

「5年SES経験、PMP取得、AWS-SAA取得、でも転職活動で書類すら通らない」という相談が複数来ている。共通点は「資格の取得時期が直近1〜2年で、実務経験の裏付けがない」こと。コンサルは資格ではなく「どんな問題を解いてきたか」のエビデンスを見る。

スペック先行型の人が面接で聞かれて答えられない質問:

  • 「そのプロジェクトでどんな課題がありましたか?どう解決しましたか?」
  • 「あなたがPMとして下した最も難しい判断は何ですか?」
  • 「クライアントの期待に応えられなかった場面と、その対処を教えてください」

これらは「経験していれば答えられるが、資格だけでは答えられない」質問だ。


失敗パターン3:環境依存型

「SESの案件環境が良かっただけで、自分の力ではなかった」

SES現場には「運よく良い案件に入れた」ケースが存在する。エンド直の大手メーカーの上流工程案件に入れたが、それは自分の実力ではなくSES企業の営業力だった、というケースだ。

この場合、SES環境では「上流経験あり」としてコンサル転職の書類が通過することがある。しかし入社後、その経験を「自分の実力」として再現できないことが判明する。

典型的な流れ

  • SES現場で「要件定義を担当した経験あり」と書類に記載 → 書類通過
  • 面接で「その要件定義の進め方を説明してください」と聞かれる → なんとか通過
  • 入社後、ゼロから自分でクライアントの課題を定義するよう求められる → 詰まる

「SESの現場では上位SEやコンサルタントが課題設定してくれていて、自分はその実行部分だけをやっていた」ということに、転職してから気づく。

小川代表コメント: これは本人が嘘をついているわけではない。「自分がやった」と思っていたことが、実はチームとして行われていたことだったというケースが多い。転職を考える際は「自分の力だけでゼロから再現できるか」を自問してほしい。再現できるなら本物の経験だ。


失敗パターン4:激務ギャップ型

「コンサルが激務とは知っていたが、ここまでとは思わなかった」

SESエンジニアの多くは「定時あがり・残業少なめ」の現場を経験している。正社員SESの場合、特に就業時間の管理がしっかりしている企業では、長時間労働が少ない。

コンサルファームは繁忙期の残業が月100〜150時間に達することがある。平時でも月40〜60時間の残業は珍しくない。「激務と聞いていたが、まさかここまでとは」というギャップで体力・精神的に消耗し、1〜2年で離脱するケースが複数ある。

Heydayに戻ってきたエンジニアの声(匿名)

「コンサル転職して最初の1年は面白かったが、2年目に繁忙期が重なって体を壊した。SESのときは月残業20時間以下だったのに、コンサルは月100時間が普通だった。健康と引き換えにするキャリアアップはできないと思って戻ってきた」

特に30代後半・40代のSESエンジニアが若手向けコンサルファームに転職した場合、体力的なギャップが大きい。


失敗パターン5:待遇ギャップ型(年収UP幻想型)

「コンサルは給料が高いと思っていた」

「コンサル転職で年収UP」は間違いではないが、全員に当てはまるわけでもない。

SES正社員の年収は企業・スキル・案件によって幅広いが、中堅どころでは500〜700万円が多い。コンサルファームの場合、大手(MBB・アクセンチュア等)は確かに高年収だが、中堅・中小コンサルへの転職では年収が横ばいか、残業代含みの表記で実質下がるケースがある。

また「年収800万円の求人だったが、残業代を引くと前職と変わらない」というのも実態としてある。

コンサル転職で注意すべき待遇の確認ポイント:

  • 残業代は別途支給か、みなし残業(固定残業代)に含まれているか
  • みなし残業は何時間か(60時間みなしなら月60時間の残業は0円)
  • コンサルタントとシニアコンサルタントでは年収差が大きい(ランク確認必須)
  • ボーナスが業績連動の場合、1〜2年目はほぼ出ないことが多い

コンサルファームが「採用したい」SESエンジニアと「採用したくない」SESエンジニアの違い

SES経営者の立場で複数のコンサルファームの採用担当と話してきた中で見えてきた、採用基準の実態を整理する。

採用したいSESエンジニアの共通点

1. クライアントコミュニケーションの経験がある

SES現場でも、エンド企業の担当者と直接折衝した経験があるエンジニアは評価される。「要件の詰め方」「期待値の調整」「決定権者への説明」など、上流のコミュニケーション経験が見られる。

2. 「提案した」経験が具体的に語れる

「この技術を選んだのはなぜか」「クライアントの課題に対してこういう解決策を提示した」という経験が面接で具体的に語れる人。成功事例だけでなく、失敗した提案と、そこから学んだことまで語れると評価が高い。

3. SES業界を俯瞰している

「自分はSES業界の中でどういう役割を担ってきたか」「SES業界の構造的な課題は何か」という視点を持っているエンジニアは、コンサルファームの面接でも評価される。業界を批判的に見る目を持っているということは、クライアントの業界も俯瞰できるということだからだ。

4. ロジカルシンキングの素地がある

技術的な問題解決において、「なぜその解決策を選んだか」「他の選択肢と比較してどう判断したか」を論理的に説明できる人。コーディング力よりも、意思決定のプロセスを言語化できる力が重要だ。

採用したくないSESエンジニアの特徴(SES経営者の視点)

これは転職エージェントが書けない部分だ。

1. 「SESでずっと言われた通りにやってきた」と気づいていない

指示された仕様通りに実装することに慣れすぎていて、「問題を自分で定義する」能力が育っていない。コンサルはクライアントが「何が問題か」を知らないところから入ることが多い。

2. 「転職したら環境が変わる」と思っている

コンサルに行けばプロジェクトが面白くなる・評価される・成長できる、という期待が強い人。コンサルでも「つまらない案件」「評価されない局面」「成長が停滞する時期」は普通にある。「環境」ではなく「自分の姿勢」を変えようとしているかどうかが見られる。

3. 技術スタックへの固執が強い

「Javaしかやりたくない」「インフラの仕事はしたくない」という職種・技術への固執が強いエンジニア。コンサルは案件ごとに技術が変わり、時には技術以外の仕事も増える。柔軟性がないと判断されると採用は難しい。

4. SES業界全体への不満が転職動機になっている

「SESが嫌だからコンサルへ」という動機は、面接でほぼ必ず見抜かれる。「SESの何が嫌なのか」「コンサルで何をしたいのか」がセットになっていないと、「コンサルに来ても同じように不満を持つのでは」と判断される。


成功したケース:SES経験がコンサルで活きた条件

失敗パターンばかり書いてきたが、Heydayが支援したケースの中でコンサル転職後も活躍しているエンジニアも当然いる。成功したケースの共通点を整理する。

成功事例1:SIerからSES、SESからコンサルという経路

大手SIerに3年勤務後、SES正社員として5年。SES期間中、意識的に上流工程(要件定義・基本設計・ベンダーコントロール)の案件に入り続け、3年かけてPM経験を積んだ。

その後、DXコンサルファームに転職。面接では「SES期間中にどうやって上流案件を獲得したか」というエピソードが高く評価された。「エンジニアとして自分のキャリアを能動的に設計してきた人」という印象を与えたことが勝因だという。

現在3年目。年収は前職比170万円UPを実現している。

成功事例2:SES在籍中に社内コンサルとして実績を作ったケース

SES企業に在籍しながら、Heydayでの業務の一環として、複数の中小企業のIT顧問・DX支援に携わったエンジニア。エンジニアとしての技術力に加え、「非IT企業の経営者に対してIT投資の費用対効果を説明する」経験を積んだ。

転職先のコンサルファーム面接では「IT予算の意思決定者とコミュニケーションした経験」が差別化ポイントになった。技術力はあって当たり前。「技術を経営に繋いだ経験」が評価された。

成功の共通項

Heydayが見た成功例に共通しているのは「SES在籍中から、コンサルで求められるスキルを意識的に積んでいた」という点だ。

転職を考えてから急いで動くのではなく、コンサル転職を2〜3年先の目標として設定し、SES案件の選び方・現場での動き方を逆算していた人が成功している

案件例を見てみる

技術スタック・単価帯・勤務形態がわかる具体的な案件情報


「SES在籍のまま上流案件を積む」という第三の選択肢

コンサル転職に失敗するリスクを最小化する方法として、Heydayが提案しているのが「SES在籍のまま上流案件を積む」という選択肢だ。

なぜこれが有効か

コンサル転職で失敗する最大の原因は「SES在籍中に上流経験が足りないまま転職すること」だ。裏を返せば、SES在籍中に上流経験を積んでから転職すれば、失敗リスクは大幅に下がる。

SESエンジニアには「SES企業を辞めてコンサルに行く」か「SESで修行を続ける」という二択で考える人が多いが、実際は「SES在籍中にコンサルに近い経験を積む」という第三の選択肢がある。

SES在籍中にコンサル転職の準備をする具体的な方法

1. 案件選びで「上流」を必須条件にする

次の案件選びの際、「要件定義・基本設計・クライアント折衝あり」を必須条件にする。SES企業の営業担当に「上流工程の経験を積みたい」と明確に伝えることが第一歩だ。

多くのSES企業は「エンジニアの希望を聞いてくれる」と言うが、実際には空き状況と案件の空きのマッチングで決まることが多い。定期的に意思を伝え、記録に残すことが重要だ。

2. 現場でのロールを広げる

同じ案件に入っていても「実装担当」から「技術リード」「設計担当」へとロールを広げることで、経験の質が変わる。現場のPMやリーダーとの関係を構築し、「この案件の設計フェーズにも関わりたい」という意思を示す。

3. ドキュメンテーション力を意識的に鍛える

コンサルに転職して最初に詰まるのが「資料作成力」だ。SES在籍中から、議事録・設計書・提案資料の品質にこだわる習慣をつける。書いたら上長やチームメンバーにフィードバックを求め、「伝わる資料」のレベルを上げていく。

4. クライアント社員と会話する機会を増やす

SES現場では「SES企業の社員同士でしか話さない」という環境も多い。意識的にクライアント企業の担当者との対話機会を作る。技術的な話だけでなく、ビジネス課題の話を聞く場を設けると、コンサルに必要な「クライアントの課題理解力」が育つ。

Heydayができること

Heydayは、エンジニアの「コンサル転職を将来の目標にしながら、今すぐできる上流経験の積み方」の相談に対応している。

SES案件の中でも、上流工程経験が積める案件と積めない案件がある。どの案件を選ぶべきかは、エンジニアの現在のスキルと目標によって変わる。転職の相談ではなく「転職準備の相談」として来てくれるエンジニアも歓迎している。


コンサル経験後にSES正社員に戻ってきた人が語る理由

転職エージェントが書けないのが「戻ってきた側の視点」だ。Heydayには、コンサルファームを経験した後にSES正社員として戻ってきたエンジニアが複数いる。彼らに共通していたのは「失敗した」という後悔ではなく、「コンサルで得たものとSESで得られるものを比較した結果、今は後者を選んでいる」という合理的な判断だ。

戻ってきた理由のパターン

「コンサルの激務と子育てが両立できなかった」(30代・2年でSES正社員に戻還)

コンサル転職から2年。業務の面白さは感じていたが、月残業100時間超の繁忙期が続き、家庭との両立が難しくなった。SESに戻った後、上流工程の経験を活かして月単価が15万円上がり、「コンサル経験はSES市場でも評価された」と話している。

「コンサルのヒエラルキーが自分に合わなかった」(20代後半・1.5年でSES正社員に戻還)

コンサルファームの厳しい上下関係と成果主義の評価体系に馴染めなかったケース。「技術力で評価されるSESの現場の方が、自分の性格に合っている」と判断し戻ってきた。現在はSES案件でアーキテクト案件にアサインされ、コンサル時代のドキュメント力が現場で高く評価されている。

小川代表コメント: コンサルに戻ってきたエンジニアを「失敗」と見なす視点は間違いだ。コンサル経験を持つSESエンジニアは、上流案件での評価が明らかに高く、単価交渉の際の根拠が強い。「コンサルに行ったが戻ってきた」は恥ずかしいことではなく、自分の適性と価値観を正確に把握した結果だ。

戻ってきたエンジニアに共通しているのは、コンサル在籍時に「ドキュメンテーション力」「クライアントとの課題設定力」「上流工程の経験」を積んでいる点だ。これらのスキルはSES現場に戻っても継続して評価され、単価・案件の質を底上げする効果がある。


著者の本音:コンサル転職を引き止めたい理由は何もない

SES企業の経営者として、コンサル転職を「引き止めたい」動機は私にはない。むしろ、Heydayのエンジニアがコンサルで活躍するなら、それはHeydayの業界的な評価に繋がる。

ただし「準備不足のまま転職して後悔するのを防ぎたい」という思いは強くある。

転職エージェントはエンジニアが転職するたびに収入が発生する。だから「今すぐ転職を」と背中を押しやすい構造になっている。私は違う立場で、このエンジニアが2年後・3年後に後悔しないかどうかを考えて話をしている。

コンサル転職を否定しているわけではない。「今じゃない」か「今でいい」かを、正確な情報をもとに判断してほしいと思っている。


FAQ

Q. SESエンジニアがコンサルに転職できる確率はどのくらいですか?

Heydayへの相談データでは、SES出身でコンサル転職を検討した人のうち約40%が内定獲得、うち60%が2年以内に「期待と違った」と感じています。書類通過率は上流工程経験の有無で大きく変わります。

Q. SES経験5年でコンサル転職は可能ですか?

可能ですが、経験年数よりも「何をやってきたか」が重要です。5年間、実装・テスト作業のみの場合は書類通過が難しいです。上流工程(要件定義・提案・クライアント折衝)経験があれば5年でも十分です。

Q. コンサル転職でおすすめの転職エージェントはありますか?

コンサル特化のエージェント(アクシスコンサルティング等)は詳しいですが、SES出身者の失敗パターンを把握しているエージェントは少数です。面談前に「SES出身の失敗事例を教えてください」と確認するのが有効です。

Q. SESからコンサルに転職すると年収は上がりますか?

大手コンサルファームへの転職では年収UP事例が多いです。ただし中堅・中小コンサルでは横ばいか、残業代含みの表記で実質下がるケースもあります。残業代の計算方法(みなし残業の時間数)を必ず確認してください。

Q. コンサル転職に有利な資格はありますか?

PMP・応用情報技術者は評価されますが、「資格があるから採用される」とはなりません。面接では「その資格を使ってどんな問題を解いたか」が問われます。資格単体ではなく、資格に裏付けられた実務経験のセットが重要です。

Q. コンサルに転職後、SES正社員に戻ることはできますか?

できます。Heydayに「コンサルから戻ってきた」エンジニアは複数います。コンサル経験はSES市場でも評価されるため、戻ってきた後は単価・案件の質が上がる傾向があります。「失敗」ではなく「経験の幅が広がった」と捉えられます。

Q. SESでPMO業務をしていれば、コンサル転職は有利になりますか?

PMOの内容によります。「議事録・進捗管理・課題票のExcel管理」にとどまっている場合は、コンサルファームには「事務作業者」と判定されることがあります。PMOとしてプロジェクト全体の課題設定・解決策の立案に関与した経験があれば有利です。

Q. 未経験でコンサルに転職できますか?

新卒・第二新卒向けでは可能です。ただしSES経験がある正社員がコンサルに転職する場合、「経験年数に見合ったスキル」が期待されます。未経験者と同ポジションで採用されると年収が下がることもあります。

Q. コンサルに転職しなくても、SES在籍のまま年収アップできますか?

できます。SES在籍のまま上流案件・高単価案件にアサインされ続けることで、年収が上がるエンジニアは多くいます。特に上流工程・レアスキル・PM経験を積んでいると、SES正社員でも600〜800万円以上の年収は現実的です。

Q. SESからコンサルに転職する場合、何を準備すべきですか?

最重要は「提案経験の具体化」です。課題定義・解決策・提案エピソードを3〜5件まとめてください。次に提案書・分析資料のドキュメンテーション力、論理的なコミュニケーション力。SES在籍中に意識的に磨くのが最短です。

Q. SES企業の経営者として、コンサル転職を勧めますか?

「準備が整っているなら」勧めます。ただし「SES在籍中に上流経験・提案経験が積めていない状態での転職」は勧めません。後悔する確率が高いからです。転職先を考える前に、まず現在のSES環境で上流経験が積める案件に入ることを優先すべきです。

Q. DXコンサルとITコンサルでは、SES出身者の適性が違いますか?

違います。ITコンサルは技術課題解決が主業務のためSES出身者の経験が直接活きます。DXコンサルはビジネス変革・戦略立案が主業務でビジネスドメイン知識・経営視点も必要です。SES出身者はITコンサルの方が適性が合いやすいです。


まとめ:SESからコンサル転職で後悔しないための判断基準

SESエンジニアのコンサル転職は「できるかどうか」よりも「転職後に後悔しないかどうか」が本質的な問いだ。

5つの失敗パターンを整理した。

  1. コミュニケーション不足型:技術力だけでは通用しない環境への不適応
  2. スペック先行型:資格・経歴はあるが実務の裏付けが薄い
  3. 環境依存型:SES現場の環境に支えられた経験を「自分の力」と勘違い
  4. 激務ギャップ型:SESとコンサルの労働環境の差への体力的・精神的な不適応
  5. 待遇ギャップ型:年収UPの期待値と実態のズレ

これらを回避するために最も有効なのは「SES在籍中に、コンサルで求められるスキルを逆算して積む」ことだ。

転職は目標ではなく手段だ。「コンサルで何を実現したいか」が明確でない状態での転職は、環境が変わるだけで本質的な課題は解決されない。

まず自分のスキルレベルを正確に把握することから始めよう。


この記事はHeyday株式会社代表・小川将司が執筆しました。SES事業6年の経営経験と、エンジニアのキャリア相談を通じて得た知見をもとにしています。数値データはHeydayの案件・相談実績(2020〜2026年)に基づくものです。

まとめ

SESからコンサル転職は不可能ではない。ただし、SES出身者固有の失敗パターンを理解せずに飛び込むと、激務・文化的ミスマッチ・期待値のズレで後悔する確率が高い。失敗せずに転職するには、まずSES在籍中に上流案件・提案経験・ドキュメンテーション力を積み上げてから動くことが最短ルートだ。

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小川将司

この記事の著者

小川将司

Heyday株式会社 代表取締役

IT業界12年・SES事業6年の経営者が執筆

Heyday株式会社 代表取締役。エンジニア・PM/PdMを経験後、SES事業を創業。複数クライアント現場でAI導入コンサルティングを担当。「ITをもっとフェアに」を掲げ、マージン構造の開示に取り組む。

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